指標と目標

長期目標・KPI・リスク

”価値創造の実践”

エーザイでは、マテリアリティの特定のプロセスに従い、15項目のマテリアリティを特定しています。特定したマテリアリティ15項目のうち、ポジティブな社会的インパクト創出やPBR向上との相関関係が確認され、かつ長期投資家を中心としたステークホルダーズにとっての関心が非常に高い5項目を、特に重要なマテリアリティと位置づけました。私たちは、この5項目の取り組みを加速することで当社の本源的企業価値を高めることができると考えており、それぞれの項目において2030年度を見据えた長期目標とKPI、リスクを設定しました。
執行役会での審議・承認、取締役会での確認により決定したマテリアリティおよび長期目標・KPI・リスクは、毎年、その進捗に関するレビューを実施し、PDCAサイクルを回すことにより、確実な推進をめざします。なお、ビジネス環境や社会課題の変化を鑑み、毎年マテリアリティ分析を行います。アクションプランに沿った取り組みの進捗もレビューし、必要に応じマテリアリティやKPIを更新します。

主要5つのマテリアリティ

認知症領域における社会善の実現

2024年度進捗

「レケンビ®」※1の早期実用化と価値最大化

  • 日本・アメリカス※2・中国・EMEA※3・EAGS※4の5リージョンすべてで承認を取得し、上市を達成

  • グローバルで年間約2.3万人に貢献し、米国において約530億円の社会的インパクトを創出

  • 点滴静注維持投与の米国での承認取得

  • 皮下注製剤維持投与の米国での申請達成

2025年度目標とKPI

「レケンビ®」の早期実用化と価値最大化

  • 5リージョンすべてでの承認ならびに上市※5の早期実現

  • グローバルで年間約3.5万人に貢献し、米国において約800億円の社会的インパクトを創出※6

  • 点滴静注維持投与および皮下注製剤の承認取得

  • パートナーと協力し、血液バイオマーカーのAD確定診断への活用と普及を早期に実現

2030年度目標とKPI

ADになっても安心して暮らせる社会の実現

  • 「レケンビ®」へのアクセス拡大によりグローバルで年間約90万人に貢献し、米国において約1.8兆円の社会的インパクト創出

  • 「レケンビ®」に続く次世代認知症治療薬の創出をめざし、抗MTBRタウ抗体E2814※7を含む複数のプロジェクトで後期臨床試験開始と承認申請の達成

  • 他産業との連携により、当事者様の日常生活をサポートする健康維持・発症予防に資する新規ソリューションをグローバルで年間約1,000万人にお届けする

最終目標 人々の健常状態から高リスク、発症・治療、経過観察・予後までの全ステージを支え、包み込む認知症エコシステムを構築し、そのプロデューサーの役割を果たす
主なリスク
  • ヘルスケアシステムのインフラストラクチャーの制限や競合激化により、「レケンビ®」の市場浸透が期待どおりに進まないリスク

  • 次世代認知症治療薬の開発計画が中止あるいは遅延し、期待していた収益が得られないリスク

  • パートナーとの意見の相違が発生し、研究開発・生産・販売活動に遅延や非効率が生じるリスク

関連リンク

  • ※1
    Biogen Inc.との共同開発品でBioArctic ABとエーザイの共同研究から得られたアルツハイマー病に対する抗体。一般名:レカネマブ
  • ※2
    北米
  • ※3
    欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア
  • ※4
    イーストアジア・グローバルサウス(EAGS):韓国、台湾、インド、アセアン、中南米、南アフリカなど
  • ※5
    各リージョンにおける保険償還計画を鑑み、価値創造レポート2023で開示した5リージョンすべてでの「保険償還の早期実現」を価値創造レポート2024において修正
  • ※6
    2024年度の「レケンビ®」の貢献実績を鑑み修正
  • ※7
    英国のユニバーシティカレッジロンドン(UCL)との共同創出品

がん領域における社会善の実現

2024年度進捗

「レンビマ®」の価値最大化

  • グローバルで約8万人に貢献

  • グローバルで3,285億円の売上収益

2025年度目標とKPI

「レンビマ®」の価値最大化

  • 「キイトルーダ®」※1などとの併用療法で新たな適応の承認申請をめざす

  • グローバルで年間約9万人に貢献し、年間製品売上3,000億円レベルの維持+新適応によるアップサイドをめざす※2

2030年度目標とKPI

「レンビマ®」に続く新規プロジェクトによる難治性がん患者様への貢献

  • MORAb-202、E7386、BB-1701※4などの早期承認申請の達成※3

  • 効率的なDeep Human Biology Learning (DHBL)創薬に基づく新規プロジェクトの早期臨床導入と早期承認申請の達成

  • パイプラインの拡充と価値最大化を企図した製品獲得または共同開発・共同販促の実現

最終目標

革新的治療法の創出とアクセスの拡大による難治性がんの治癒ならびにがん発症の予測モデルに基く予防の実現

主なリスク
  • 「レンビマ®」の新適応の開発、あるいは新規プロジェクトの開発計画が中止あるいは遅延し、期待していた収益が得られないリスク

  • パートナーとの意見の相違が発生し、研究開発・生産・販売活動に遅延や非効率が生じるリスク

関連リンク

  • ※1
    「キイトルーダ®」はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標。共同開発により「レンビマ®」との併用による適応取得をめざす
  • ※2
    非小細胞肺がんなどの適応追加試験の主要評価項目未達により、価値創造レポート2023で開示した「5,000億円レベルの製品売上」を価値創造レポート2024において修正
  • ※3
    BB-1701については、2024年度に、今後のグローバル開発、販促をBliss Biopharmaceutical Co., Ltd.が単独で実施することに合意し、戦略的提携に向けたオプション権を行使しないことを決定したため削除

グローバルヘルス領域における社会善の実現

2024年度までの進捗

リンパ系フィラリア症(LF)

  • DEC錠を累計25.2億錠無償提供し、約4,780億円の社会的インパクト創出

  • DEC錠無償提供や包括的取り組みによる制圧活動支援拡大・強化を行い、15カ国で集団投与(MDA)完了

マラリア

  • 新規治療薬候補1品の臨床試験開始

2025年度目標とKPI

LF

  • 世界最大の蔓延国インドでのDEC錠無償提供や包括的取り組みによる制圧活動支援拡大・強化、他19カ国※1,2でMDA完了

  • DEC錠が約2,900万人に貢献し、約5,200億円/年※3の社会的インパクト創出

マイセトーマ

  • スーダンにおけるE1224の承認申請達成、疾患理解が未成熟なマイセトーマのペイシェントジャーニーの確立のための疫学調査実施

マラリア

  • 新規治療薬候補1品の臨床試験開始

2030年度目標KPI

LF

  • DEC錠累計39億錠の無償提供により、インドを含む計30カ国※1,4でMDA完了

  • DEC錠が約3,100万人に貢献し、約5,600億円/年※3,4の社会的インパクト創出

マイセトーマ

  • ペイシェントジャーニー確立に向け、セクターを超えた連携を推進

  • スーダンにおけるE1224の承認取得と持続可能な提供方法の確立

  • スーダン以外の蔓延国におけるE1224提供による貢献

マラリア

  • 新規治療薬の承認申請、およびその他の治療薬候補1品の臨床POC※5達成

最終目標

治療薬創出とアクセス拡大による制圧の実現、および医療較差是正への貢献

主なリスク
  • 蔓延国のLF対策優先順位の低下などによる、制圧活動の遅延のリスク

  • 新規感染症のパンデミックや紛争などによる制圧活動、新薬開発・承認プロセスの遅延のリスク

  • 顧みられない熱帯病やマラリアの特性として、治験環境が整わず想定より治験に時間を要するリスク

関連リンク

  • ※1
    2030年までのWHOのLF制圧目標に基づく
  • ※2
    LF蔓延地域での政治情勢の悪化やCOVID-19の感染拡大によるMDAの中止・遅延を背景にしたWHOの最新情報に基づき2025年度目標を修正
  • ※3
    価値創造レポート2024では、MDA実施による全体の社会的インパクトを2剤投与の前提で案分したDEC錠によるインパクトを示していましたが、WHO治療ガイドラインへの新規治療法(3剤投与)の追加や、LF制圧達成における併用薬剤や様々なパートナーの重要性を鑑み、DEC錠のみの社会的インパクトではなく、MDA実施による全体の社会的インパクトを示すことに変更
  • ※4
    2025年にWHOは2030年までのLF制圧ロードマップを更新する予定であり、それに伴い本KPIも修正を行う予定
  • ※5
    Proof of Concept:概念実証

人財の価値最大化

年度進捗
  • hhc理念の浸透
    企業理念浸透度 95%

  • 社員のエンゲージメントの向上
    グローバルエンゲージメントサーベイでの高エンゲージメントの社員割合 85%

  • 多様性確保に向けた女性活躍の推進
    エーザイ株式会社女性管理職比率 13.6%

  • 従業員インパクト
    エーザイ株式会社人財投資効率 82%

2025年度目標とKPI
  • hhc理念の浸透
    企業理念浸透度 100%

  • 社員のエンゲージメントの向上
    グローバルエンゲージメントサーベイでの高エンゲージメントの社員割合 90%以上

  • 多様性確保に向けた女性活躍の推進
    エーザイ株式会社女性管理職比率 15%

  • 従業員インパクト
    エーザイ株式会社人財投資効率 82%

2030年度目標KPI
  • hhc理念の浸透
    企業理念浸透度 100%

  • 社員のエンゲージメントの向上
    グローバルエンゲージメントサーベイでの高エンゲージメントの社員割合 90%以上

  • 多様性確保に向けた女性活躍の推進
    エーザイ株式会社女性管理職比率 30%

  • 従業員インパクト
    エーザイ株式会社人財投資効率 87%

最終目標

多様な人財の強みや特性の最大化がもたらすソリューションとイノベーションによる企業価値の増大

主なリスク
  • グローバル重要ポジションのサクセッションが困難になるリスク

  • 経営方針に合った人財の確保と育成が困難になるリスク

関連リンク

財務戦略

2024年度進捗
  • 財務の健全性と最適資本構成
    親会社所有者帰属持分比率60.7%、Net DER -0.12、格付※1 AA-

  • 安定配当と成長投資の両立
    「レケンビ®」への成長投資を実施するとともに160円配当を維持

2025年度目標とKPI
  • 「レケンビ®」とDEC錠による貢献の拡大により、本源的企業価値(社会的インパクト+財務的価値)を拡大
    Impact on Equity※2 0.65倍レベル

  • 財務の健全性を確保しつつ最適資本構成を追求
    親会社所有者帰属持分比率60%レベル、Net DER -0.3~0.3、格付シングルAレベル

  • 安定配当と成長投資の両立
    原則として複数年レベルでフリー・キャッシュ・フローの範囲内での配当を志向し、160円配当を維持

2030年度目標とKPI
  • 急成長のなかで本源的企業価値を最大化
    ROE 25%レベル、DOE 15%レベル
    Impact on Equity※2 2倍レベル

  • 財務の堅牢性を高め、成長投資余力を確保
    親会社所有者持分1兆円超、親会社所有者持分比率70%レベル、Net DER -0.3~0.3

最終目標
中長期的な本源的企業価値の最大化
主なリスク
  • 「レケンビ®」や「レンビマ®」から期待していた収益が得られないリスク

  • 後続製品の開発計画が中止あるいは遅延により期待していた収益が得られないリスク

  • 企業買収や製品・開発品の導入を通じて獲得したのれんおよび無形資産の減損処理のリスク

関連リンク

  • ※1
    格付投資情報センター(R&I)による格付(2025年5月30日時点)
  • ※2
    社会的インパクトを効率的に生み出しているかを評価するための指標。「レケンビ®」およびDEC錠による社会的インパクトの合計値をEquityで除した値。社会的インパクトの試算が完了した2つの重要な製品インパクトのみ算入