社外取締役によるステークホルダーズとの対話
2025年度は、当社の主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主・機関投資家の皆様および社員との対話を以下のとおり行いました。また、年度末に開催したhhcガバナンス委員会では、こうした対話を振り返り、対話の結果を取締役会の監督機能に活かすべく議論を行いました。
患者様と生活者の皆様との対話
●筑波研究所にて開催された卵巣がんサバイバーの当事者様との対話では、がん治療の体験や創薬、副作用研究への期待を伺い、研究員を中心とする出席者とともに相互の想いを共有しました。また、新任組織長hhc研修に出席し、若年性認知症当事者様の体験を伺いました。グループワークでは当事者様の喜怒哀楽を表出化し、出席者全員で共有しました。さらにhhc Initiative 2025に出席し、hhc理念の実現に向けたグローバルの革新的な取り組みを共有しました。くわえて、hhc研修における認知症VR(Virtual Reality)体験では、認知症の当事者様の視点を通じて、日常生活における不便さや不安を理解しました。これらの対話および研修を通じて、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽に共感する重要性や、企業理念であるhhcとその実践への理解を深めました。

機関投資家の皆様との対話
●2025年度も機関投資家の皆様とより深く、経営の監督機能の向上にむけた議論を行うために個別対話を実施しました。具体的には、アナリスト、ファンドマネージャーを中心に11社(国内8社、海外3社)とウェブ会議システムにて、情報共有と意見交換を行いました。
●経営の課題、機関投資家の皆様が社外取締役に期待していること等、双方が踏み込んだ意見交換ができ、対話で得た指摘や知見は取締役会における議論や経営の監督機能向上に活かしています。

社員との対話
●社員の代表である労働組合(ユニオン)の代表メンバーとの対話を実施しました。ユニオン側の専従役員および中央執行委員10名と社外取締役7名が2グループに分かれ、中期経営計画(EWAY Future & Beyond)に関する課題認識や現場への浸透度について意見交換を行いました。あわせて、経営陣と社員とのコミュニケーションのあり方、現場におけるボトムアップの状況、給与の満足度、社員への株式報酬の導入等についても自由闊達な議論が行われました。

● 川島工園を訪問し、川島工園全体の概要にくわえ、品質保証体制および製剤研究部の概要について、工園長をはじめとする各組織長から説明を受けました。また、生産現場におけるトピックスとして、Smart Manufacturing の活動方針やDXの活動事例について説明を受けました。さらに製剤研究所におけるレカネマブの皮下注射オートインジェクター製剤の開発について説明を受け、質疑応答および意見交換を行いました。その後、製剤・包装工程を見学するとともに、最新の注射剤棟/研究棟EMITS (Eisai Medicine Innovation Technology Solutions)を視察し、当社の生産体制および製剤研究への理解を深めました。

● 筑波研究所を訪問し、CSOより新DHBL(Deep Human Biology Learning)体制について説明を受けた後、DHBLにおける5つの研究領域の組織長との意見交換および若手リーダーとの懇談会を実施しました。各研究領域のヘッドからは戦略とパイプラインの現状および今後の方向性について説明を受けました。また、若手リーダーからは新薬開発ストーリーや創薬を加速する先端技術、進行中のプロジェクトについて説明を受け、活発な意見交換を行いました。さらに、ラボツアーにも参加し、創薬研究活動および組織体制について理解を深めました。

筑波研究所の施設内の見学
● 営業第一線との対話の一環として、2025年度は米国子会社ESI(Eisai Inc.)社員とオンラインで対話を実施しました。ESIからは6名の社員が参加し、レケンビの戦略とフィールド活動、競合品との差別化、医療情報提供の実態とウェブツールの活用について説明を受けました。また、レンビマの戦略や、医療データとAIを活用した潜在患者様の特定および医師への適時適切な情報提供、さらにグローバルフェアネスと米国の医療政策についても共有がありました。これらを踏まえ、質疑応答および意見交換を行い、米国における当社の活動への理解を深めました。
CEOサクセッションプラン
CEO選定は取締役会の決議事項です。当社は、取締役会における当該決議を公正性高く、かつ適切、円滑に行うため、社外取締役7名で構成するhhcガバナンス委員会において、継続的にCEOサクセッションプランの議論を行っています。
経営トップ(CEO)選定の考え方
経営トップ(CEO)の選定は、取締役会の最も枢要な意思決定事項のひとつです。特に独立社外取締役が、CEOが策定するサクセッションプランについて適切に監督機能を発揮するとともに、次期CEOの育成に助言等を行うなど、そのプロセスに関与することで、CEOによる後継候補者提案の客観性を高め、取締役会におけるCEO選定の決議の公正性を合理的に確保できると考えています。
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CEO選定に係る手続き
CEOの策定するサクセッションプランに関する取締役との情報共有のあり方や、突発的事態への備えについて、手続き等を含むルールを定めています。その概要は以下のとおりです。
- 1)サクセッションプランの情報共有と検討
- ① CEOにより提案されるサクセッションプランの情報共有と検討は、hhcガバナンス委員会において実施する。
② このhhc ガバナンス委員会には、CEOをはじめ社内取締役も参加し、取締役全員でサクセッションプランの情報共有と検討を行う。
- 2)サクセッションプランのディスカッション
- ① 候補者を評価するための基準(クライテリア)は、経営環境等に応じて変化することが想定される。このため、CEOが候補者を提案する時点においてこれを適切に設定する。
- ② CEOは、これに基づいて候補者を評価し、サクセッションプランにおいてその評価結果を示す。
- ③ 取締役は、サクセッションプランに関する助言を行い、CEOは取締役からの助言を考慮し、適宜、サクセッションプランに反映させる。
突発的事態に対する備え
不慮の事故などにより、急遽、取締役会として新たなCEOを選定しなければならない事態も想定されます。このような突発的事態に対する備えについても、上記サクセッションプランの検討の中で確認されています。

コーポレートガバナンス評価の実施
当社のコーポレートガバナンス評価の仕組み
コーポレートガバナンス評価は、前年度の課題認識等に基づき、取締役会等の活動状況を点検・評価し、次年度に向けた課題抽出および改善策等を示すことでPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回しています。
「取締役会の実効性向上」に焦点を当てたコーポレートガバナンス評価の仕組み

コーポレートガバナンス評価結果
2026年4月23日、当社取締役会は、「コーポレートガバナンスプリンシプルの自己レビュー」、「内部統制関連規則の自己レビュー」およびhhcガバナンス委員会が取りまとめた「取締役会評価」の結果について審議し、「2025年度コーポレートガバナンス評価」を決議しました。
1) コーポレートガバナンス評価結果
コーポレートガバナンスプリンシプルおよび内部統制関連規則については、規定を逸脱した運用等は認められず、取締役および執行役等がコーポレートガバナンスの充実に向け、適切に職務を行っていることを確認しました。また、取締役会評価については、2024年度取締役会評価で抽出された2025年度の課題に対し、2025年度における対応状況を確認、評価し、次年度に向けた課題等を認識しました。
2) 2026年度に向けた主な取り組み
- 取締役会
・ 2026年度に開始する3カ年計画における最重要項目の各戦略に基づく計画が着実に実行されているか、定量・定性の両面から進捗状況を継続的に監督する。
・ 企業価値の源泉となる中長期的な製品開発パイプライン、ポートフォリオ戦略および成長投資に関する報告を求める。 - hhcガバナンス委員会
・ CEOサクセッションについて引き続き重要課題として継続的な議論を行う。議論にあたっては、ステークホルダーズに対する説明責任を果たすため、客観性を重視して検討を重ねる。
・ 執行役との率直な対話の機会を拡充し、相互の意思疎通を通じた信頼関係のさらなる醸成をはかり、経営の監督機能の実効性向上につなげる。
取締役会評価の概要
| 2025年度の具体的な取り組み状況(Plan、Do & Check) | |
|---|---|
| 取締役会の役割と運営状況 | |
| ①取締役会の監督の実効性 強化 |
・ 執行部門の主要会議の傍聴ができる環境を継続した。 ・ hhcガバナンス委員会において取締役会の振り返りを継続的に実施し、執行部門へ必要な対応を求めフォローアップした |
| ② 情報開示の透明性と分かり やすさの向上 |
・ 決算説明会資料について取締役会での確認を継続した。 ・ 決算開示タイミングについて執行部門におけるプロセスを改善した。 |
| ③ 重要意思決定事項に関する プロセスの確保 |
・ 3カ年計画および事業計画については成案までに複数回にわたり審議し、指摘事項を踏まえた修正を経て決議するなどのプロセスを確保した。 |
| ④ 取締役会の議論の質の向上 | ・ 集合形式の事前説明会や個別説明の機会を活用し、取締役会における議論の質の向上に努めた。 ・ 議題数の多さや議論の活性化により、十分な議論時間を確保できない場面もあった。 |
| ⑤ 議題設計と運営効率の改善 | ・ 年間議題は2025年度のアクションプランに基づきhhcガバナンス委員会において検討の上決定した。 ・ 議案の早期提出については引き続き改善の余地があるものの、付議議案の整理や報告議案のフォーマットの見直し等により運営効率を改善した。 |
| 社外取締役およびhhcガバナンス委員会の活動 | |
| ① CEOのサクセッションプランの継続検討 | ・ サクセッションプランについて、引き続き重要課題として継続的な議論、検討を行うとともに、候補者等との対話を複数回実施した。 |
| ② ステークホルダーズとの対話 | ・ 患者様と生活者の皆様、株主の皆様、社員など多様なステークホルダーズとの対話を幅広く実施し、その振り返りを通じて次年度活動方針につなげる活動を行った。 |
| ③ フリーディスカッションの場の確保 | ・ テーマを定めないフリーディスカッションを実施した。 |
| 指名・監査・報酬委員会およびその他の取り組み | |
| ① 指名委員会 | ・ 女性取締役比率30%に向けた取締役選任シミュレーションや医学・薬学の専門家を社外取締役候補者として選任することについて検討した。 ・ 指名委員会等設置会社制度の見直しについて、現状における改正の方向性および当社指名委員会における機能について確認した。 |
| ② 監査委員会 | ・ 監査委員会での論点整理や重要情報の共有を強化するとともに、運営効率化に向けた新たな取り組みを進めた |
| ③ 報酬委員会 | ・ 2023年度施行の役員報酬制度について、制度のレビュー、運用状況や評価プロセスを点検した。 |
| ④ リスク管理・内部統制、コーポレートガバナンス全般に係る重要テーマの監督 | ・ 内部統制の整備・運用状況や重要リスクについて報告を受け、取締役会として認識を共有した。 ・ 人権尊重、サステナビリティ、人的資本等のガバナンスに係る重要テーマについて執行部門より報告を受けた。 |
| 2026年度に向けた課題(Action) | |
|---|---|
| 取締役会の役割と運営状況 | |
| ① 取締役会が最善の意思決定を行うため、取締役による執行部門の主要会議への傍聴を継続するとともに、集合形式の事前説明会およびhhcガバナンス委員会等を効果的に活用する。 | |
| ② 企業経営に関する重要な情報開示について、継続的に取締役会への報告を求め、経営の透明性向上をはかり、ステークホルダーズに対する説明責任を果たす。 | |
| ③ 取締役会およびhhcガバナンス委員会について、当年度内に翌年度の年間議題を決定し、計画的な審議により本質的な議論の充実をはかる。 | |
| 社外取締役およびhhcガバナンス委員会の活動 | |
| ① 主要なステークホルダーズ(患者様と生活者の皆様、株主の皆様、社員)との対話を通じて得られた多様な視点を実効性の高い監督の実現に活かす。 | |
| ② CEOサクセッションについて、今後の進め方およびタイミングを引き続き検討する。また、候補者の育成状況や候補者を支える経営チーム体制の構築状況について定期的に確認する。 | |
| ③ 取締役会の実効性向上に向け取締役会の振り返りを継続する。 | |
| ④ 経営の監督に関する新たな視点の共有のためフリーディスカッションの機会を設定する。 | |
| ⑤ コーポレートガバナンス評価については、3年に一度の外部機関によるレビューを実施し、評価結果の適正性を担保し、評価方法の客観性、妥当性等を維持、向上させる。 | |
| 指名・監査・報酬委員会およびその他の取り組み | |
| ① 指名委員会は、将来を見通したボード・サクセッションの検討および社外取締役候補者として医学・薬学の専門家を選任することに関し、期待する役割など継続的に検討する。 | |
| ② 監査委員会として内部監査部門との連携を一層深め、引き続き監査の質の向上と効率的な監査の実現をめざす。また、取締役会への効果的な情報提供の在り方について継続して検討する。 | |
| ③ 報酬委員会は、2023年に導入した役員報酬制度の抜本的な制度レビューに着手するとともに、執行役の報酬制度については、3カ年計画における業績指標(KPI)を業績連動型報酬に組み込むことを検討する。 | |
| ④ 指名・監査・報酬委員会において検討がなされている諸課題について、必要に応じてhhcガバナンス委員会へ適時共有するとともに、情報格差の解消に取り組む。 | |
| ⑤ 内部統制およびリスク管理の実効性を高める観点から、リスク情報の適時・適切な共有を継続し、リスクマップを定期的に確認する。また、サイバーセキュリティについては継続的な監督のため執行部門へ報告を求める。 | |
| ⑥ 中長期的な価値創出の観点から、社会的インパクトを含めた重要な取り組みやサステナビリティへの対応などについて執行部門から報告を求める。 | |
| ⑦ コーポレートガバナンスに関する研修会を企画し、最新の情報を得るとともに役員の知見および理解を高める。 |
各種研修会等の実施
当社の事業活動や経営環境への理解をより深め、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮を企図し、様々な研修会や執行部門(執行役や社員等)との交流の場を企画・実施しています。
社外取締役を対象とする研修会

執行役とのコミュニケーション
● 新任社外取締役研修は対面での説明を基本とし、執行役が個別に担当職務について説明のうえ、当社の事業内容や活動について情報共有を行うとともに活発にディスカッションを行いました。
●これらの研修は、対面に加え、ウェブ会議も活用し、新任以外の社外取締役も任意で参加しました。また、執行役の説明、質疑応答の様子を録画することで、取締役がオンデマンドで視聴できる仕組みにしています。