サステナビリティ アドバイザリーボード

エーザイでは、医薬品アクセスをはじめとしたESGに関し、高い見地よりアドバイスを得ることを目的として、国際政策に精通した外部専門家によるアドバイザリーボードを設立しています。

エーザイでは、医薬品アクセスへの取り組みのさらなる充実をめざし、2011年より「医薬品アクセス アドバイザリーボード」を開催し、患者様とご家族に対し持続的にソリューションを提供するために、どのような活動をすべきか、国際政策や開発の分野における有識者からの助言を得てきました。2018年より、スコープを拡大し、エーザイのESGのあるべき姿を議論し、アドバイザーから提言・助言を受ける「サステナビリティ アドバイザリーボード」を開催しています。医薬品アクセスのさらなる強化に加え、気候変動への対応やガバナンスのあるべき姿についても関係者で議論し、企業価値の向上をめざしています。

サステナビリティ アドバイザリーボードのメンバーを紹介します。

坂場 三男氏(議長)

坂場 三男氏(議長)

元・駐ベトナム/ベルギー大使。横浜市立大学卒業後、1973年に外務省に入省。外務省の研修生として、フランス モンペリエ大学へ留学(1974年-1976年)。その後、経済協力局技術協力課長としてJICAを、またOECD代表部参事官として開発協力問題をそれぞれ担当。シカゴ総領事、中南米局長および外務報道官を歴任し、駐ベトナム大使(2008年-2010年)、駐ベルギー大使(2012-2014年)を務めた。2014年9月に外務省を退官した後、2015-17年に横浜市立大学特別契約教授。2017年1月より、法務省公安審査委員会委員を務める。

ウジャル・シン・バティア氏

ウジャル・シン・バティア氏

元・世界貿易機関(WTO)インド政府代表部大使。1974年より二十年間、西インドのオリッサ州開発局で、インド高等行政官(Indian Administrative Service)として勤務。1995年から2000年まで、デリー中央政府の商工省(Commerce and Industry Ministry)で、次官補を務める。在任中、国内、二国間、多国間といった様々な貿易ポリシー課題を取り組む。その後、2000年から2004年にわたって、オリッサ州に戻り、首席秘書を含むシニアポジションを経験。2004年から2010年まで、WTOにおいてインド政府代表部大使を担当。現在、WTOの上級委員会(Appellate Body of WTO)会員を務める。

サステナビリティ アドバイザリーボードからのメッセージ

坂場 三男氏(議長)

国際保健分野を取り巻く環境が劇的に変化しています。2014年から2015年、アフリカで広がったエボラ出血熱が国境を越えて世界に恐怖を与えたことで、グローバルヘルスに対する危機管理(リスクマネジメント)の体制不備の深刻さを露呈しました。アジアで、最近発生したSARSや鳥インフルエンザ、MERSなどの感染症の例をみても、我々が対応できていないことは明らかであり、長く取り組んできたHIV/AIDS、マラリア、結核症も未だに深刻です。健康問題は国連の新しい持続可能な開発目標である持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)と人間の安全保障においても重要な議題です。それらの背景に、ユニバーサルヘルスカバレッジの分野での貢献をさらに強めるため、日本政府は2013年に国際保健外交戦略を策定しました。官民パートナーシップを仕掛ける土壌は整っています。

また、近年、国連における「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択(2015年9月)を受けてSDGsの達成がユニバーサルな課題になっています。これに呼応するように、国際投資家の間で企業経営におけるESG(環境・社会・企業統治)に対する関心が高まり、投資判断の重要な要素になっています。製薬業界においても対応が急がれており、エーザイも例外ではありません。特に、社会分野における自発的な取り組みは「義務」ではなく、企業の将来にもかかわる「経営の柱」と観念されるべきものです。

この点で、エーザイが、途上国・新興国での顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)に積極的に取り組み、製薬業界において模範的な役割を果たしていることは注目に値します。もっとも広く蔓延しているNTDsのひとつであるリンパ系フィラリア症の制圧に協力して、エーザイはWHOに治療薬を提供しています。2012年1月、2020年までに10のNTDs制圧に向けて共闘するという過去最大の国際的官民パートナーシップ「ロンドン宣言」にエーザイは日本の製薬企業として唯一加わり、また、2013年には、新興国で蔓延する感染症に対する日本初の官民パートナーシップであるグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の設立にも貢献しました。医薬品アクセス(ATM)に関連するエーザイのすべての活動は、2018年、ATM財団(Access to Medicine Foundation、オランダ)が公表するATM Indexにおいて8位と高く評価されたことにつながっています。

外交官職の大部分を国際開発協力分野で寄与してきた私は、エーザイのサステナビリティアドバイザリーボードの議長としてESGチームの一員となったことを光栄に思っています。私は、エーザイが、現在進めているWHI(World Health Initiative)と呼ばれる感染症治療薬の開発プロジェクトに協力し、感染症に苦しむ国際社会をその苦しみから解放する上で大きな貢献を行い、ひいてはESG向上の企業目標にもさらに邁進していくことを確信しております。

ウジャル・シン・バティア氏

巨額な研究費用が必要な製薬企業のビジネスモデルでは、最終的な収益ばかりに目が行きますが、エーザイが他社と違うのは、患者とその家族を経営理念の中心に置くhhc(ヒューマンヘルスケア)コンセプトに焦点を当てていることです。さらに、エーザイは、ESG(Environment、Social、Governance)をテーマにした非財務資本に重点を置き、企業価値の向上を目指しています。これらの事項は、エーザイを環境への深い配慮、人権の尊重、バリューチェーンに沿った堅実なコーポレートガバナンス体制、必要な人々がエーザイ製品にアクセスできるようにするための国別マーケティングとプライシング戦略の策定、顧みられない熱帯病やアルツハイマー病などの新製品を開発するための多面的な研究プログラムといった相互に連携した方向に導きます。これらのイニシアチブは、エーザイの持続可能性への取り組みを明確にし、国連持続可能な開発目標(SDGs)とよく一致しています。

エーザイの医薬品アクセスへのコミットメントは、新たなビジネスモデル、官民パートナーシップ、そして製品開発パートナーシップを継続的に追求している努力に反映されています。リンパ系フィラリア症と戦う官民パートナーシップを確立するためのWHOとの2010年の提携は、このコミットメントの一例です。医薬品アクセスインデックスでのエーザイの順位が、医薬品アクセスがエーザイの企業理念の中心に根付いていることを示す好例です。

2020年までに顧みられない熱帯病10疾患の制圧を目指す、ユニークな官民パートナーシップであるロンドン宣言へのエーザイの参画も、企業理念に基づく持続可能性のもう一つの確約でもあります。また、エーザイは日本政府と企業が立ち上げた「グローバルヘルス技術振興基金」(GHIT Fund)へ積極的に参加し、グローバルヘルスのための技術の発見および開発に貢献しています。

広範に定められた持続可能な成長哲学へのユニークなコミットメントは、良識あるグローバル企業であることを示しています。私は、今後、この取り組みがますます深化することを確信しております。

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