エーザイグループは、当社グループが貢献すべき主役を「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」に拡大しました。患者様と生活者の皆様の「生ききるを支える」という想いとともに、アンメット・メディカルニーズが極めて高く、当社グループが最も強みを持つニューロロジー領域とオンコロジー領域に立脚したサイエンスとデータに基づくソリューションを創出し、他産業やグループとの連携によるエコシステムの構築を通じて、hhceco(hhc理念+エコシステム)企業へと進化することをめざしています。
主なグローバル製品は以下の通りです。
レケンビⓇ/LEQEMBIⓇ
レケンビは、BioArctic AB(本社:スウェーデン)とエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)プロトフィブリルに対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。レケンビは、アルツハイマー病(AD)における可溶性Aβ凝集体(プロトフィブリル)に選択的に結合するとともに、Aβプラークの主要構成成分である不溶性Aβ凝集体(フィブリル)にも結合し、脳内のAβプロトフィブリルおよびAβプラークを減少させると考えられています。これらの作用により、ADの進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認された、世界で初めての治療薬です。レケンビは早期ADに係る適応で、米国、日本、中国、韓国、香港、イスラエル、アラブ首長国連邦、英国(北アイルランドを除く)で承認を取得しています。
レンビマⓇ/LenvimaⓇ
レンビマは腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能なエーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤です。
甲状腺がんに係る適応で、80カ国以上で承認されています。また、肝細胞がんに係る適応で、80カ国以上で承認を取得しています。さらに、胸腺がんに係る適応で、日本で承認を取得しています。腎細胞がん(セカンドライン)に対するエベロリムスとの併用療法に係る適応で、65カ国以上で承認を取得しています。ペムブロリズマブとの併用療法について、腎細胞がん(ファーストライン)に係る適応で、55カ国以上で承認を取得しています(欧州での腎細胞がんに係る製品名:Kisplyx®)。同じくペムブロリズとの併用療法について、子宮内膜がんに係る適応で、55カ国以上で承認を取得しています。
デエビゴⓇ/DayvigoⓇ
デエビゴは、当社創製の新規低分子化合物で、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤です。正常な睡眠覚醒リズムにおいて、オレキシンの神経伝達によって覚醒が促進されると考えられていますが、不眠障害では、覚醒を制御するオレキシンの神経伝達が正常に働いていない可能性があります。正常な睡眠時はオレキシン作動性神経が抑制されることから、オレキシンによる神経伝達を阻害することで、睡眠導入や睡眠維持をはかることができる可能性があると考えられています。不眠症に係る適応において、日本、米国、カナダ、オーストラリア、アジアなど、15カ国以上で承認を取得しています。フィコンパⓇ/FycompaⓇ
フィコンパは、当社が創製したファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。てんかん発作は、神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発されることが報告されており、本剤は、グルタミン酸によるシナプス後膜のAMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択、非競合AMPA受容体拮抗剤です。部分てんかんの併用療法に対して75カ国以上で承認を取得しています。また、日本、中国では単剤療法の承認を取得しています。全般てんかんの強直間代発作の併用療法の適応についても、75カ国以上で承認を取得しています。
*「Fycompa」について、2023年1月に米国での権利を譲渡しました。
ハラヴェンⓇ/HalavenⓇ
ハラヴェンは、自社創製の新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤です。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai )から抽出された天然物ハリコンドリンBの全合成類縁化合物であり、微小管の伸長(重合)を阻害・抑制することによる、細胞分裂の停止作用を有しています。乳がんに係る適応で85カ国以上、悪性軟部腫瘍に係る適応で、85カ国以上で承認されています。
(2024年8月現在)