当社のコーポレートガバナンス体制

当社のコーポレートガバナンスの特長
- 経営の監督と業務執行の明確な分離
当社は、指名委員会等設置会社であることを最大限に活かし、取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定権限を執行役に大幅に委任し、経営の監督に専念しています。
これにより、執行役は激しい環境変化のもとでも迅速かつ機動的な意思決定と業務執行が可能となります。また、経営の監督と業務執行を明確に分離するため、取締役会の議長を社外取締役とし、執行役を兼任する取締役を代表執行役CEO1名のみとしています。
このように経営の監督と業務執行を明確に分離することにより、経営の活力を増大させるとともに、取締役会はステークホルダーズの視点で監督機能を発揮し、経営の公正性・透明性を確保しています。
また、取締役会は、会社法に基づき、「業務の適正を確保するための体制」に関する規則を決議し、執行役が整備・運用すべき内部統制を具体的に定めています。執行役は、本規則に定められた事項のみならず、自らが担当する職務において内部統制を整備・運用することにより自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高めています。
取締役会は、このような体制のもと、執行役の業務執行状況を確認するとともに、業務執行や意思決定のプロセスなど内部統制の状況について株主の皆様や社会の視点でその妥当性を点検しています。
取締役および執行役のそれぞれが職務を執行し、その責任を果たしながらも相互に意思疎通をはかって信頼関係を構築し、ともに企業価値を向上させ、社会価値の創造に貢献していく、このような仕組みが当社のコーポレートガバナンスの特長です。 - 独立社外取締役を中心としたコーポレートガバナンス充実に向けた継続的、自律的な仕組み
当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役の存在です。このため、ステークホルダーズの期待に応え、経営の監督機能を高めるために、社外取締役の選任においてはその独立性・中立性を最重視しています。
そして、独立社外取締役を中心として、①指名委員会における独立性・中立性のある社外取締役の選任システム、②社外取締役である取締役会の議長のリーダーシップによる取締役会等の運営、③ステークホルダーズとの対話やサクセッションプランの検討など、幅広くコーポレートガバナンスに関する議論が行われるhhc ガバナンス委員会、④取締役会および各委員会のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すコーポレートガバナンス評価など、継続的かつ自律的なコーポレートガバナンス充実の仕組みを構築し、これを運用しています。 - 取締役と執行役の多様性
指名委員会等設置会社の役員は、経営の監督を担う取締役と業務執行を担う執行役です。2025年4月1日時点における役員(取締役および執行役)の多様性は以下の表のとおりです。
指名委員会は、取締役会がステークホルダーズの幅広い視点や外部の視点で経営の監督を行い、企業価値を向上させ、社会価値創造に貢献するためには、多様なスキル、経験やバックグラウンドに加え、国籍、性別、年齢、就任年数等の多様性を有する役員(取締役および執行役)による経営を行うことが枢要であると考えています。
取締役会は、企業理念を実現し、企業価値の向上を担う執行役をグローバルな視点で選任し、執行役の機能が効果的、効率的に発揮できるように配置しています。執行役は、製薬企業である当社の役員として、研究開発および医薬品の製造や品質ならびに安全性等の高い専門性を有する者、世界の各リージョンの医療制度や医療市場に習熟した者をはじめ、経営管理等の各分野において業務に精通した者を選任しています。 - 機動的な意思決定と業務執行を担う執行部門の体制
a アドバイザリーボード等の執行部門における会議体
当社は、業務執行の最高意思決定機関として、Corporate Strategy CommitteeならびにGrowth & Operating Committeeを設置するとともに、中長期的な研究開発の方向性、ポートフォリオ戦略・戦術等を検討するエーザイ サイエンティフィック アドバイザリーボード(世界的に著名な研究機関の教授・研究者で構成)、およびESG、SDGsを中心とする非財務資本への取り組み向上について検討するサステナビリティ アドバイザリーボード(国際政策に精通した国内外の外部専門家で構成)など、CEOの意思決定をサポートする仕組みを構築しています。そのほか、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会、サステナビリティ委員会、人権啓発推進委員会等の会議体を設置しています。b グローバルな内部統制システムの構築と運用
取締役会は、執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則を定め、執行役は、これに基づき自らが担当する職務において内部統制システムを整備・運用しています。また、当社はグローバルに執行役を配置し、海外子会社における内部統制システムを担当執行役が直接的に構築し、その運営を行っています。c 説明責任とステークホルダーズを意識した経営の浸透
3ヵ月に1度、執行役全員が取締役会に出席し、執行部門での意思決定や各執行役の業務執行の状況を取締役会に報告しています。それ以外に重要な事案や報告事項が生じた場合には適宜取締役会に報告しています。執行役が取締役会への報告、説明責任を負うことにより、執行部門での意思決定や政策・施策の合理性や透明性が高まり、ステークホルダーズを意識した経営が浸透しています。 - 取締役会による意思決定と経営の監督
取締役会は、最良のコーポレートガバナンスの構築を通して企業理念の実現をめざし、その監督機能を発揮するとともに、公正な判断により最善の意思決定を行う任務を負っています。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選任・解任、剰余金の配当など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行いますが、一方で、業務執行の機動性と柔軟性を高めて経営の活力を増大させるため、前述以外の業務執行の意思決定の権限を大幅に執行役に委任しています。
業務執行を担う執行役は、取締役会に適時適切な報告を行う義務を有しており、取締役会は、執行役の報告に基づき業務執行のプロセスの適正性や効率性を検証するとともに、業務執行の結果である業績を評価することにより執行役を信任し、経営の妥当性や効率性を確保することで、経営の監督を行っています。
また、指名委員会等設置会社の指名委員会、監査委員会および報酬委員会は、取締役の選解任、監査、役員報酬の決定という重要な経営の監督の権限と責任を担っています。そして、取締役会は、各委員会からの報告に基づいて、各委員会の職務の執行についても監督を行っています。取締役会による権限移譲と経営の監督
a 取締役会による意思決定事項
取締役会の決議事項は、「取締役会規則・細則」において定め、これを開示しています。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選任・解任、剰余金の配当など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決議を行いますが、議案によっては複数回にわたり取締役会において審議を重ね意思決定しています。
例えば、年度毎の事業計画の決定については、中長期経営計画における進捗状況のレビュー、事業計画の基本方針およびその中間報告、その他事業計画大綱の決議に必要な事項等の報告を経たうえで決議しています。また、剰余金の配当の決定については、中長期的な資本コストを上回るROEの確保、持続的・安定的な株主還元、成長のための投資採択基準を軸とする資本政策の基本的な方針を審議・決定のうえ決議しています。その他、決算に関する事項や執行役の選任など、ステークホルダーズへの説明責任を意識し、議論を尽くして意思決定をしています。b 取締役会による経営の監督
(1)執行部門の機動的な意思決定を監督する仕組み
取締役会は、執行部門より業務執行の意思決定事項に係る報告を適時適切に受け、当該報告に基づいて経営の監督を行っています。また、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しています。これにより、執行部門における意思決定プロセス、および計画外や緊急な意思決定の状況等についても、適時にその内容を把握し、監督することが可能となります。加えて、取締役会は、取締役会が経営の監督を行うために必要な情報や判断材料を得るために、外部専門家や外部機関から意見や情報を収集する仕組みを有しています。(2) 委員会を活用した経営の監督
当社は、指名委員会等設置会社として法定の3委員会(指名委員会、監査委員会、報酬委員会)の他に社外取締役のみで構成するhhcガバナンス委員会を取締役会内委員会として設置しています。
hhcガバナンス委員会は、サクセッションプランの情報共有とディスカッション、取締役会の実効性の評価のとりまとめといった当社のコーポレートガバナンスにおける重要な役割の他、当社のコーポレートガバナンスおよびビジネスに関する事項等について幅広く議論し、取締役会の監督機能の強化、ひいては当社のコーポレートガバナンスの継続的な充実を図る責任を担っています。
hhcガバナンス委員会は、指名委員会、監査委員会、報酬委員会において検討がなされる各委員会の諸課題を検討するなど、3委員会における情報の共有をタイムリーに実施することで、各委員会の委員間における情報格差の解消にも取り組んでいます。
(3)経営の監督にステークホルダーズの意見等を反映
社外取締役が中心となり、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および従業員との対話を積極的に実施しています。そして、年に一度、hhcガバナンス委員会においてステークホルダーズとの対話、エンゲージメントについて振り返り、次年度に向けた対応事項や課題を確認するとともに、ステークホルダーズから得られた知見を取締役会における議論や監督に活かしています。