ワーファリン投与患者様向けPT-INR簡易・迅速測定装置 「コアグチェック XS」シリーズの販売に関する契約に合意

エーザイ株式会社
三光純薬株式会社
日本光電工業株式会社
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)と同社の診断薬事業子会社である三光純薬株式会社(本社:東京都、社長:渡辺啓祐)、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 兼 CEO:小川渉)、日本光電工業株式会社(本社:東京都、社長:荻野和郎)の4社は、4月17日、ロシュ社(スイス)が開発したPT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)簡易・迅速測定装置「コアグチェック XS」「コアグチェック XS Plus」ならびにその関連製品について、販売に関する各種契約を締結することに合意しました。

「コアグチェック XS」シリーズは、経口抗凝固剤「ワーファリン」(一般名:ワルファリンカリウム)を服用されている患者様の抗血栓効果を約1分で測定できる簡易・迅速な血液凝固検査の測定装置として、日本では2007年4月より順次発売され、現在、日本光電工業とロシュ・ダイアグノスティックスの両社により併行販売されています。

今回の契約合意により、「コアグチェック XS」シリーズの販売を日本光電工業とロシュ・ダイアグノスティックスから三光純薬に移管し、「ワーファリン」を販売するエーザイが販売支援(コ・プロモーション)を行うこととなります。ロシュ・ダイアグノスティックスは従来どおり製造(輸入)販売元となり、日本光電工業は発売元として販売・技術面でのサポートを行います。

なお、販売移管は2008年6月上旬を予定しています。

近年、日本では高齢化の進展と食生活の変化により心房細動が起因となる心原性脳塞栓症が増加しています。現在、「ワーファリン」は、心原性脳塞栓症予防の第一選択薬として推奨されていますが、一方、有効性を発揮しつつ安全に使用するため、血液凝固検査を繰り返しモニターすることが必要な薬剤でもあります。

今回の契約により、4社は、一人でも多くの心房細動の患者様が心原性脳塞栓症を発症しないよう、診断・治療・予防に貢献してまいります。

以上

[参考資料として、契約概要、用語解説、製品概要、4社の会社概要を添付しています]

本件に関するお問合わせ先

  • エーザイ株式会社

    コーポレートコミュニケーション部

    03-3817-5120

  • 三光純薬株式会社

    広報担当

    03-3865-4311

  • 日本光電工業株式会社

    商品事業本部

    03-5348-1516

  • ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

    広報・CSRグループ

    03-5443-7040

<参考資料>

1.今回の契約の概要

(1)対象製品

  • PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)簡易・迅速測定装置
    「コアグチェック XS」「コアグチェック XS Plus」
  • 関連製品
    「ロシュ PT テストストリップ」「コアグチェック XS PT コントロール」

(2)製造・販売

製造販売元: ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

発売元: 日本光電工業株式会社

販売元: 三光純薬株式会社

販売提携: エーザイ株式会社

契約における販売の流れ

2.用語解説

(1)プロトロンビン(Prothrombin)

「プロトロンビン」は血液凝固因子のひとつです。肝疾患などにより肝臓の働きが低下すると、血中の「プロトロンビン」の量も減り血液の凝固時間が長くなります。

(2)PT(Prothrombin Time)

「プロトロンビン時間」のことです。血液凝固系の異常を総合的に判断するために測定します。PTは、出血傾向のスクリーニングや肝障害の評価とともに、経口抗凝固剤「ワーファリン」のコントロール指標としても使用されます。

(3)PT-INR(Prothrombin Time‐International Normalized Ratio)

「プロトロンビン時間国際標準比」のことです。経口抗凝固療法の管理の際に「プロトロンビン時間」を測定しますが、検査に用いる組織トロンボプラスチンは生物由来であるために、製造ロットや製造業者あるいは施設間により結果が異なってきます。その差異を標準化するために考案されたものです。

(4)心原性脳塞栓症

心臓内にできた血栓が脳内の血管にまで流れて閉塞させるタイプの脳梗塞のことを言います。不整脈(特に心房細動)や心臓弁膜症などの心臓病を持っている方に多く発症する疾患と言われています。

(5)心房細動

頻脈性不整脈(心拍数が異常に速く1分間に100拍を超える不整脈)のうち、心房内に多数の不規則な興奮が発生した状態を言います。

3.製品概要

「コアグチェック・シリーズ」は、初代モデルが1994年にドイツで発売されて以来、今日までに世界中で180,000台以上の「コアグチェック・システム」が医療関係者や患者様によって利用*されています。

  • 欧州(ドイツなど)では、患者によるPT-INR自己測定が認められており、「コアグチェック XS」はワルファリン投与患者のPT-INR自己測定器として使用されています。なお、日本国内では患者本人によるPT-INR自己測定は認められていません。

(1)コアグチェック XS(2007年4月発売)

「コアグチェック XS」は、コンパクトで持ち運びが容易であり、簡単に測定することができるため、血栓のリスクがある人工心臓弁や心房細動の患者様などの経口抗凝固療法を管理する診療所での使用にも適している測定装置です。診療所でのモニタリングが可能となることで、これまで遠方への通院を余儀なくされていた「ワーファリン」服用患者様が、近隣の診療所で短時間にPT-INRを測定することができます。

<コアグチェック XSの特徴>

  • 指先の穿刺による全血または静脈全血(抗凝固未処理)より約1分間でPT-INRを測定できます。
  • 静脈穿刺の必要がなく、わずか10μLの全血で測定が可能です。
  • 小型で場所をとらず、持ち運びが容易です。
  • 操作方法が簡単で、診療所においても運用が可能です。
  • 常温で長期保存が可能なテストストリップを使用することで、検体数の少ない施設でも運用が可能です。
  • テストストリップの品質をチェックする機能を搭載しています。

<製品写真>

コアグチェック XS
コアグチェック XS

(2)コアグチェック XS Plus(2007年10月発売)

「コアグチェック XS Plus」は、「コアグチェック XS」に高いデータ管理機能を備えた新機種です。「コアグチェック XS」では、最大100件のデータが保存可能であるのに対し、「コアグチェック XS Plus」は、最大500件のデータが保存可能なため、経口抗凝固療法を受けている患者様が多い医療施設での運用に適しています。また、テストストリップのロット番号をセルフチェックする機能を搭載するなど、複数の医療従事者が操作する環境を想定した設計となっています。

<コアグチェック XS Plusの特徴>

  • 指先の穿刺による全血または静脈全血(抗凝固未処理)より約1分間でPT-INRを測定できます。
  • 静脈穿刺の必要がなく、わずか10μLの全血で測定が可能です。
  • 別売りの「POCT* ベースユニット」に接続することで電子カルテ等へのデータ送信が可能です。
  • 別売りの「POCTバッテリーパック」を使用することで、充電・繰り返し利用が可能です。
  • 最大500件の測定結果が保存可能です。(「コアグチェック XS」は最大100件)
  • 日本語タッチパネルを搭載し、操作手順が画面上に表示される親切設計です。
  • テストストリップのロット番号をセルフチェックできます。
  • 患者IDの管理が可能なため、特定患者の測定結果を一覧で表示できます。
  • *
    POCT(Point-of-Care Testing):患者様の目の前ですぐに実施できる検査のこと

<製品写真>

コアグチェック XS Plus(患者ID入力画面)
コアグチェック XS Plus
(患者ID入力画面)

4.4社の会社概要

■エーザイ株式会社

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本社所在地 東京都文京区小石川4-6-10
代表者氏名 代表執行役社長 兼 CEO 内藤晴夫
資本金 449億85百万円(2007年3月末現在)
事業内容 医薬品の研究開発、製造、販売および輸出入
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■三光純薬株式会社

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本社所在地 東京都千代田区岩本町1-10-6 TMMビル 6階
代表者氏名 代表取締役社長 渡辺啓祐
資本金 52億62百万円(2007年3月末現在)
事業内容 臨床検査薬、研究用試薬、医療機器等の製造、販売、輸入
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■日本光電工業株式会社

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本社所在地 東京都新宿区西落合1-31-4
代表者氏名 代表取締役社長 荻野和郎
資本金 75億44百万円(2007年3月末現在)
事業内容 医用電子機器の開発・製造・販売
ホームページ

■ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

※左右にスクロールできます

本社所在地 東京都港区芝2-6-1
代表者氏名 代表取締役社長 兼 CEO 小川渉
資本金 25億円(2007年3月末現在)
事業内容 診断用機器、体外診断薬、医薬品原薬、研究用試薬・機器の輸出入、製造および販売
ホームページ

以上