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- 2024年7月12日
エーザイ株式会社
バイオジェン・インク
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、ヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体モノクローナル抗体「レケンビ®」(一般名:レカネマブ)について、イスラエルにおいて新薬承認を取得したことをお知らせします。イスラエルにおける「レケンビ」の適応はアルツハイマー病(AD)の治療です。「レケンビ」による治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度AD(総称して早期AD)の当事者様において開始する必要があります。
「レケンビ」は、ADにおける可溶性Aβ凝集体(プロトフィブリル*)に選択的に結合すると ともに、Aβプラークの主要構成成分である不溶性Aβ凝集体(フィブリル)にも結合し、脳内のAβプロトフィブリルおよびAβプラークを減少させると考えられています。これらの作用により、ADの進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認された、世界で初めての治療薬です。「レケンビ」は、これまでに米国、日本、中国、韓国、香港で承認を取得し、米国、日本、中国で発売しています。
今回の承認は、エーザイが実施した大規模グローバル臨床第Ⅲ相試験であるClarity AD試験のデータに基づくものであり、本試験において「レケンビ」は主要評価項目ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成しました1,2。
レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの 最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。イスラエルにおいてはエーザイが販売を行います。
*プロトフィブリルは、ADによる脳損傷に寄与し、この進行性の深刻な疾患の認知機能低下に主な役割を果たす、最も毒性が高いAβ種であると考えられています。プロトフィブリルは脳内の神経細胞の損傷を引き起こし、その結果、複数のメカニズムを介して認知機能に悪影響を及ぼす可能性があります3。そのメカニズムとして、不溶性Aβプラークの発生を増加させるだけでなく、神経細胞やその他の細胞間のシグナル伝達に直接的な損傷を起こすことも報告されています。プロトフィブリルを減らすことで、神経細胞への損傷や認知機能障害を軽減させ、ADの進行を防ぐ可能性があると考えられています4。
以上
本件に関する報道関係お問い合わせ先
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エーザイ株式会社
PR部
TEL:03-3817-5120
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バイオジェン・インク
パブリック アフェアーズ
<参考資料>
1. レケンビについて
「レケンビ」(一般名:レカネマブ、米国ブランド名:「LEQEMBI®」)は、BioArctic AB(本社:スウェーデン、以下 バイオアークティック)とエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。
「レケンビ」の承認は、エーザイが実施した大規模グローバル臨床第Ⅲ相試験であるClarity AD試験のデータに基づくものであり、本試験において「レケンビ」は主要評価項目ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成しました1,2。主要評価項目は、全般臨床症状の評価指標であるCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)であり、「レケンビ」はCDR-SBにおける18カ月時点の臨床症状の悪化をプラセボと比較して27%抑制しました。また、副次評価項目の一つである、衣服の着脱、食事、地域活動への参加など当事者様が自立して生活する能力を介護者が評価するAD Cooperative Study-Activities of Daily Living Scale for Mild Cognitive Impairment(ADCS MCI-ADL)においては、プラセボと比較して37%の統計学的に有意なベネフィットが認められました。なお、「レケンビ」投与群で最も多かった有害事象(10%以上)は、Infusion reaction、ARIA-H(ARIAによる脳微小出血、脳出血、脳表ヘモジデリン沈着)、ARIA-E(浮腫/浸出)、頭痛および転倒でした。
「レケンビ」は、ADによる軽度認知障害または軽度認知症に係る適応で、米国、日本、中国、韓国、香港で承認を取得しています。「レケンビ」について、欧州(EU)、英国など、12の国と地域で承認申請を行っています。また、2024年3月に静注維持投与に関する米国食品医薬品局(FDA)への生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を提出し、2024年6月、受理されました。2024年5月に、利便性向上をめざし開発を進めている皮下注射(SC)製剤について、米国FDAに、Fast Track指定の下、維持投与に関する生物製剤承認申請の段階的申請を開始しました。
2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health傘下のNational Institute on Agingによる資金提供を受けています。また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。
2. エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
3. エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について
2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療剤の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。
4. エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントX、LinkedIn、Facebookでも情報公開しています。
5. バイオジェン・インクについて
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。
バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体X, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。
Biogen Safe Harbor
This news release contains forward-looking statements, about the potential clinical effects of LEQEMBI; the potential benefits, safety and efficacy of LEQEMBI; potential regulatory discussions, submissions and approvals and the timing thereof; the treatment of Alzheimer's disease; the anticipated benefits and potential of Biogen's collaboration arrangements with Eisai; the potential of Biogen's commercial business and pipeline programs, including lecanemab; and risks and uncertainties associated with drug development and commercialization. These statements may be identified by words such as "aim," "anticipate," "believe," "could," "estimate," "expect," "forecast," "intend," "may," "plan," "possible," "potential," "will," "would" and other words and terms of similar meaning. Drug development and commercialization involve a high degree of risk, and only a small number of research and development programs result in commercialization of a product. Results in early-stage clinical studies may not be indicative of full results or results from later stage or larger scale clinical studies and do not ensure regulatory approval. You should not place undue reliance on these statements.
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参考文献
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1.
- Eisai presents full results of lecanemab Phase 3 confirmatory Clarity AD study for early Alzheimer's disease at Clinical Trials on Alzheimer's Disease (CTAD) conference. Available at: https://www.eisai.co.jp/news/2022/news202285.html
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2.
- van Dyck. C, et al. Lecanemab in Early Alzheimer’s Disease. The New England Journal of Medicine. DOI: 10.1056/NEJMoa2212948. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2212948
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3.
- Amin L, Harris DA. Aβ receptors specifically recognize molecular features displayed by fibril ends and neurotoxic oligomers. Nat Commun. 2021;12:3451. doi:10.1038/s41467-021-23507-z
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4.Ono K, Tsuji M. Protofibrils of Amyloid-β are Important Targets of a Disease-Modifying Approach for Alzheimer's Disease. Int J Mol Sci. 2020;21(3):952. doi: 10.3390/ijms21030952. PMID: 32023927; PMCID: PMC7037706.
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