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- 2023年6月10日
エーザイ株式会社
バイオジェン・インク
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、米国食品医薬品局(FDA)の末梢・中枢神経系薬物諮問委員会(Peripheral and Central Nervous System Drugs Advisory Committee、以下 本諮問委員会)が開催され、「LEQEMBI®」注射100 mg/mL溶液(一般名:レカネマブ)の臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験の結果が、本剤の臨床上のベネフィットを示すエビデンスであることが、全会一致で支持されましたのでお知らせします。また、本諮問委員会は、「LEQEMBI」の総合的なベネフィット・リスクプロファイルと臨床的意義を支持し、加えて、ApoEε4ホモ接合体保有者、抗凝固剤との併用が必要な当事者様、脳アミロイド血管症の当事者様などの特定のサブグループにおける使用についても議論しました。
今回の独立した専門家から構成される本諮問委員会による全会一致の判断は、エーザイの大規模グローバル臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験のデータによる生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)に基づいています。Clarity AD試験では、18カ月間の試験期間において、「LEQEMBI」による治療は、プラセボと比較して、統計学的に高度に有意な認知機能と日常生活機能の悪化抑制を示し(27%、p=0.00005)、事前に設定された主要評価項目を達成しました。その他、多重性を考慮した認知機能と日常生活機能の変化に関するすべての副次評価項目についても、統計学的に高度に有意な治療効果が認められました。「LEQEMBI」投与群で最も一般的な有害事象(10%以上)は、Infusion reaction(「LEQEMBI」:26.4%、プラセボ:7.4%)、ARIA-H(脳微小出血、脳出血、脳表ヘモジデリン沈着;「LEQEMBI」:17.3%、プラセボ:9.0%)、ARIA-E(浮腫/浸出;「LEQEMBI」:12.6%、プラセボ:1.7%)、頭痛(「LEQEMBI」:11.1%、プラセボ:8.1%)、転倒(「LEQEMB1」:10.4%、プラセボ:9.6%)でした。Infusion reactionは大部分が軽度から中等度(グレード1-2:96%)であり、その多くは初回投与時に発現しました(75%)。本試験の結果は、アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)にて発表し、同時に査読学術専門誌the New England Journal of Medicineに掲載されました。
「LEQEMBI」は、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル*)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。米国において、「LEQEMBI」は、2023年1月6日に迅速承認を受け、同18日に発売を開始しました。本迅速承認は、「LEQEMBI」がADの特徴である脳内に蓄積したAβプラークの減少効果を示した臨床 第Ⅱ相試験の結果に基づくものです。本迅速承認の要件として、Clarity AD試験により、臨床上のベネフィットを検証することが求められています。このたび本諮問委員会は、Clarity AD試験において「LEQEMBI」の臨床上のベネフィットが検証されたことに全会一致で同意しました。フル承認申請のPDUFA(Prescription Drug User Fee Act)アクションデートは2023年7月6日に設定されています。
レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
* プロトフィブリルは、75-5000Kdの可溶性Aβ凝集体です1, 2, 3。
- 1 https://www.alzforum.org/news/conference-coverage/lecanemab-sweeps-toxic-av-protofibrils-catches-eyes-trialists
- 2 Sehlin D, Englund H, Simu B, Karlsson M, Ingelsson M, Nikolajeff F, Lannfelt L, Pettersson FE. Large aggregates are the major soluble Aβ species in AD brain fractionated with density gradient ultracentrifugation. PLoS One. 2012;7(2):e32014. doi: 10.1371/journal.pone.0032014. Epub 2012 Feb 15. PMID: 22355408; PMCID: PMC3280222..
- 3 Söderberg, L., Johannesson, M., Nygren, P. et al. Lecanemab, Aducanumab, and Gantenerumab — Binding Profiles to Different Forms of Amyloid-Beta Might Explain Efficacy and Side Effects in Clinical Trials for Alzheimer’s Disease. Neurotherapeutics. 2023;20:195-206. https://doi.org/10.1007/s13311-022-01308-6
本件に関する報道関係お問い合わせ先
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エーザイ株式会社
PR部
TEL:03-3817-5120
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バイオジェン・インク
パブリック アフェアーズ
<参考資料>
- 1. レカネマブについて
レカネマブ(一般名、米国ブランド名:「LEQEMBI®」)は、BioArctic AB(本社:スウェーデン、 以下 バイオアークティック)とエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。米国において、「LEQEMBI」は、2023年1月6日に米国食品医薬品局(FDA)より迅速承認を取得しました。米国における「LEQEMBI」の適応症はアルツハイマー病(AD)の治療です。「LEQEMBI」による治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度認知症の当事者様において開始する必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性のデータはありません。本適応症は、「LEQEMBI」で治療された当事者様で観察されたAβプラークの減少に基づき、迅速承認で承認されています。本迅速承認の要件として、検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。
米国における迅速承認に基づく処方情報はこちらから入手できます。
レカネマブについては、日本、欧州(EU)、中国、カナダ、英国(北アイルランドを除く)、韓国においても、それぞれ承認申請を行っています。日本と中国においては優先審査に、英国(北アイルランドを除く)においては、革新的な医薬品について上市までの時間を短縮することを目的としたILAP(Innovative Licensing and Access Pathway)に指定されています。
レカネマブの皮下注射によるバイオアベイラビリティ試験は終了し、Clarity AD試験OLEにおいて皮下投与の評価が進行中です。
2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health傘下のNational Institute on Agingによる資金提供を受けています。
また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。
- 2. エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
- 3. エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について
2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療薬の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。
- 4. エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントTwitter、LinkedIn、Facebookでも情報公開しています。
- 5. バイオジェン・インクについて
1978年に設立されたバイオジェンは、多発性硬化症の広範なポートフォリオを有し、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化し、アルツハイマー病の病理に作用する二つの治療薬を共同開発するなど、数多くの革新的なイノベーションを生み出したグローバル・バイオテクノロジー企業です。バイオジェンは神経、神経精神、特定の免疫、希少疾患といった領域において画期的な治療となりうるパイプラインを進展させ、サイエンスを通じて人々に貢献するという理念を厳格に追求し、人々がより健康的に、持続可能で平等に生きていける世界となるよう取り組んでいます。
バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。
Biogen Safe Harbor
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