グローバル税務ポリシー

基本方針

当社および当社のグループ会社(以下、エーザイ)は、税制度は各国の財政を支え社会を構築するための重要なインフラストラクチャーの一つであると認識しています。納税者として、強固な税務ガバナンス体制の下、各国における事業活動の実態に即した売上・利益の計上および納税を行うことにより各国の財政に貢献し、税務コンプライアンスを確保しながら事業活動を展開するとともに、税務リスクを適時に把握・分析し、その低減に取り組みます。また、各国の税務当局に対しては適時に適正な税務申告・納税および情報提供を行い、建設的な関係の構築に努めます。さらに、税務当局のみならず、株主・投資家の皆様を含む多様なステークホルダーズに対して税務情報を適切に開示し、税務の透明性を高めていきます。

税務ガバナンス

当社の取締役会は、法令・定款の許す範囲で、会社の業務執行の意思決定を大幅に代表執行役CEOに委任しています。そして、代表執行役CEOは、取締役会で決議した執行役の職務分掌にもとづき、執行役に権限を委譲しています。各執行役は、取締役会の決議に基づき委任された職務の範囲において、職務執行に必要な方針、規則、手続きを定め、業務執行の意思決定を行うとともに、自らの職務範囲における内部統制を整備して自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高めています。本グローバル税務ポリシーは、執行役である最高財務責任者(CFO)が、このようなコーポレートガバナンスシステムのもと、取締役会決議にもとづき委任された職務を適切に執行するために策定したものであり、必要に応じて取締役会に報告しています。当社税務チームは、本グローバル税務ポリシーに従って、グループ全体の税務リスクを識別・評価し、対応策を策定しています。また、各リージョンCFOおよび各国の税務チームは同様に各リージョン・各国における税務リスクを管理しています。加えて、当社税務チームは、当社およびリージョン間で十分な連携が行われる体制を整備しており、それぞれが連携を取りながらグローバルでの税務リスクの低減に努めています。

税務コンプライアンス

エーザイでは、コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義して経営の根幹に据えています。税務においても、事業を展開する各国における税務法令・規則等へのコンプライアンスを最優先としており、すべての役員および従業員へのコンプライアンスの徹底により、適正納税を推進しています。

税務リスクマネジメント

ビジネスの複雑化・グローバル化に伴い、納税者と各国の税務当局の間において各取引に適用される税務法令・規則等の解釈に関して、見解の相違が生まれる場面(税務リスク)が増大しています。エーザイでは、上記の税務ガバナンス体制の下、税務リスクの適切な把握に努めており、重要な税務リスクが特定された場合には、外部の税務専門家からの助言を得ながら、各国の税務当局との事前・事後の報告・相談等を通じて、税務リスクの低減および顕在化を未然に防ぐ取り組みを行っています。

移転価格

エーザイは、事業活動を通じて得た利益を各グループ会社の貢献度に応じて適切に配分し、事業活動を行う各国へ適正納税を果たします。これを達成するため、OECD移転価格ガイドラインに従い、グループ各社の機能・リスクに応じた独立企業間価格にもとづき、グループ会社間でのクロスボーダー取引における取引価格(移転価格)を決定しています。事業活動の実態を伴わない、低税率国への創出された無形資産等の価値の移転や利益の移転を目的とした移転価格の設定は行いません。また、各国における税務法令・規則等に従い移転価格文書を作成し、必要に応じて各国の税務当局へ提出しています。

適正納税、優遇税制およびタックスヘイブン

エーザイは、グローバルでの新薬開発への積極的な資源投入により各国で認められる研究開発税制等の優遇税制の合理的な活用や租税条約の活用にもとづく二重課税の排除を通じて適正納税を徹底し、株主価値の最大化を図っています。一方で、事業活動の実態を伴わない優遇税制の適用、あるいは二重非課税の創出を目的とした税務プランニングや人為的な税務ストラクチャーの組成は行いません。同様に、租税回避を目的として税務情報の開示に非協力的、もしくは無税または低税率の国や地域(タックスヘイブン)を利用することはありません。

税務当局との関係性

エーザイは、各国の税務当局と建設的な関係を構築することを目指しています。各国の税法および関連規定に従って適時に適正な税務申告・納付を行うとともに、税務当局からの情報提供の要請には真摯に対応しており、税務当局から指導を受けた事項については再発防止策を講じています。また、重要なグループ会社間取引に関しては税務当局間での事前確認制度を活用することにより、税務リスクの発生ひいては税務争訟を未然に防ぐことに努めています。加えて、業界団体を通じた税制改正に関する要望等により、税務当局との建設的な情報交換に努めています。

税務の透明性

エーザイは、OECDによるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源侵食と利益移転)への取組みを支持しています。各国の税務法令・規則、OECDガイドライン等にもとづき税務申告・納税において求められる情報提供を適時・適切に行うほか、IFRSにもとづく法定財務諸表・注記の開示やコーポレートサイト等における任意開示を通じて、税務の透明性を高めています。連結財務諸表注記(法人所得税)、関係会社の状況および国別報告書に関する情報は以下のリンクをご参照ください。

2022年度

法人所得税注記
関係会社の状況
国別報告書

2021年度

法人所得税注記
関係会社の状況
国別報告書

2020年度

法人所得税注記
関係会社の状況
 
  • 2020年度の国別報告書は、上記に添付の2021年度の国別報告書に含まれています。

以上