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- 2026年2月5日
エーザイ株式会社
Shanghai Henlius Biotech, Inc.
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とShanghai Henlius Biotech, Inc.(本社:中国上海、CEO:Jason Zhu、以下 Henlius)は、このたび、抗PD-1抗体serplulimab(一般名、中国、EUでの製品名:「HANSIZHUANG」/「Hetronifly®」)について、日本における独占的商業化および共同独占的開発・製造のライセンス契約を締結したことをお知らせします。
Serplulimabは、Henliusが自社開発した新規抗PD-1モノクローナル抗体であり、既存の抗PD-1抗体とは異なる独自の結合様式を持つことが報告されています1。中国においては扁平上皮非小細胞肺がん(sqNSCLC)、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)、非扁平上皮非小細胞肺がん(nsNSCLC)、食道扁平上皮がん(ESCC)に係る適応で、EUにおいてはES-SCLCに係る適応でそれぞれ承認されており、ES-SCLCにおいて一次治療として用いられる世界で初めての抗PD-1抗体です。
日本においては、現在、HenliusがES-SCLCに対する臨床第Ⅱ相試験をブリッジング試験として実施中であり、中国および欧州における本適応の承認取得の根拠となった臨床第Ⅲ相試験の結果と併せて、2026年度中の申請が予定されています。さらに、非高頻度マイクロサテライト不安定性(非MSI-High)転移性大腸がんに対する臨床第Ⅲ国際共同試験が実施中のほか、今後新たな適応症に向けた開発も計画されています。
日本において、ES-SCLCと診断されている患者様は約13,000人、非MSI-High転移性大腸がんと診断されている患者様は約28,000人と推計され、いずれもアンメットニーズの高い疾患とされています2,3,4,5。
本契約により、エーザイは、日本におけるserplulimabの商業化について、独占的な権利を取得します。Henliusは、日本において、ES-SCLCおよび非MSI-High転移性大腸がんに加えて、周術期の胃がんに対する臨床試験を実施するとともに、製造販売責任者としての責務を有します。
エーザイは、Henliusに対して、契約一時金として7,500万ドル(約116億円、1ドル=155円換算)に加えて、薬事マイルストンペイメントとして最大8,001万ドル(約124億円)、販売マイルストンペイメントとして最大2億3,330万ドル(約362億円)を支払います。また、エーザイは、本剤の売上に応じて二桁パーセントのロイヤルティを支払います。なお、本件に伴うエーザイの2026年3月期の連結業績予想の変更はありません。
HenliusのCEOであるJason Zhuは、「日本という重要な市場において、serplulimabの開発を進めるべく、エーザイと協業できることを大変うれしく思います。Serplulimabは、グローバルな臨床開発と規制当局による承認を通じて、複数のがん種に対する適応の可能性を示してきました。日本における今回の提携は、serplulimabの国際展開における極めて重要なステップとなります。Henliusのイノベーション力と、エーザイの日本市場における深い知見を融合させることで、serplulimabの効率的な開発を進め、日本の患者様のアンメットニーズの解消に取り組んでいきます」と述べています。
エーザイの執行役・日本事業担当である遊佐寿彦は、「serplulimab は、ES-SCLCをはじめ、アンメットニーズの高い適応症において優先度高く開発が進められ、既に中国およびEUにおいて複数の適応で承認を取得している抗PD-1モノクローナル抗体です。日本においても、開発が進むES-SCLCや非MSI-High転移性大腸がんのほか、その他の難治性の高いがんに対する有望な治療薬となることを期待しています。Henliusと協力してserplulimabを一日も早く患者様に届けられるよう全力を尽くします」と述べています。
以上
本件に関する報道関係お問い合わせ先
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エーザイ株式会社
PR部
TEL:03-3817-5120
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Shanghai Henlius Biotech, Inc.
<参考資料>
- 1. Serplulimabについて
Serplulimab(一般名、中国、EUでの製品名:「HANSIZHUANG」/「Hetronifly®」)は、Shanghai Henlius Biotech, Inc.(以下 Henlius)が初めて自社開発した抗PD-1モノクローナル抗体であり、2022年に中国で発売されました。扁平上皮非小細胞肺がん、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)、食道扁平上皮がん、非扁平上皮非小細胞肺がんの適応で、中国国家薬品監督管理局により承認されており、ES-SCLC治療のファーストラインに用いられる世界で初めての抗PD-1抗体です。EU、東南アジア(インドネシア、カンボジア、タイ、シンガポール、マレーシア)、南米(ペルー)を含む40以上の国と地域において、ES-SCLCの適応で承認されています。
Henliusは、単剤療法だけでなく、社内製品や社外の革新的治療法との併用によるserplulimabの普及を積極的に推進しており、肺がんや消化器系腫瘍などをはじめ、既存の抗PD-1抗体が使用されていない適応症も対象とした治療法に関する多数の臨床試験を世界中で実施しています。
- 2. エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントX、LinkedIn、Facebookでも情報公開しています。
- 3. Shanghai Henlius Biotech, Inc.について
Shanghai Henlius Biotech, Inc. (2696.HK)は、世界中の患者様に高品質かつ手頃なバイオ医薬品を提供することを使命とする、グローバルなイノベーションバイオ医薬品企業です。がん領域、自己免疫疾患、眼科疾患の領域に注力し、2010年の設立以来、Henlius(漢霖)は、グローバルな研究開発、臨床開発、薬事、製造、商業化を網羅する、統合型のバイオ医薬品プラットフォームを構築してきました。同社は世界全体で約4,000人の従業員を擁し、中国、米国、日本を含む複数の地域で事業展開しています。バイオシミラー事業によって生み出される安定したキャッシュフローをイノベーション投資に活用しながら、「グローバリゼーション2.0」フェーズへ着実に移行し、拡張性と持続可能性を備えたグローバル成長モデルを構築しています。2026年初頭時点で、同社は世界60以上の国と地域において計10製品の承認を取得しており、そのうち中国では7製品が承認されています。また、主要なバイオ医薬品市場においても多くのマイルストーンを達成しており、米国食品医薬品局(FDA)による承認を4製品、欧州医薬品庁(EMA)による承認を4製品取得しています。これは、同社の研究開発力、品質システム、製造基準がグローバル水準であることを示しています。
同社は、イノベーションを原動力として、上海、米国、その他の地域で連携した研究開発を通じ、多様化されたプラットフォーム型の技術エコシステムを構築しています。その革新基盤は、免疫チェックポイント阻害剤、免疫細胞エンゲージ技術(多特異性T細胞エンゲージを含む)、抗体薬物複合体(ADC)、ならびにAIを活用した創薬初期研究プラットフォームに及びます。現在、50を超える初期段階の革新的パイプラインを保有しており、その約70%がベスト・イン・クラスとなる可能性を有しています。さらに、世界各国で30以上の臨床試験が進行中です。同社の中核製品であるserplulimab(欧州での製品名:Hetronifly®)は、小細胞肺がんの一次治療として世界で初めて承認された抗PD-1モノクローナル抗体であり、加速的なグローバル展開のもと、すでに40以上の市場で承認を取得しています。これと並行して、PD-L1 ADCであるHLX43や、新規エピトープを標的とする抗HER2モノクローナル抗体HLX22など、複数の高いポテンシャルを持つ革新的パイプラインが、グローバル臨床開発の最終段階へと進展しています。また、同社は総生産能力84,000Lを有し、中国、欧州、米国の規制当局からGMP認証を取得したバイオ医薬品製造ネットワークを基盤に、6大陸をカバーする安定したグローバル供給体制を構築しています。患者様中心を使命のもと、同社はアンメット・メディカル・ニーズの解消に注力し、科学的イノベーションを臨床的価値および患者様アクセスへ結実させることで、世界のバイオ医薬品エコシステムに持続的に貢献していきます。
Henliusの詳細については、公式ウェブサイトhttps://www.henlius.com/en/index.htmlをご覧ください。また、LinkedIn(https://www.linkedin.com/company/henlius/)でも情報発信を行っています。
参考文献
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1
Issafras H, Fan S, Tseng C-L, Cheng Y, Lin P, Xiao L, et al. (2021) Structural basis of HLX10 PD-1 receptor recognition, a promising anti-PD-1 antibody clinical candidate for cancer immunotherapy. PLoS ONE 16(12): e0257972. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0257972
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2
国立がん研究センターがん情報サービス がん統計 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/index.html Last accessed: January 2026.
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3
Sabari, J., Lok, B., Laird, J. et al. Unravelling the biology of SCLC: implications for therapy. Nat Rev Clin Oncol 14, 549–561 (2017).
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4
Fujiyoshi K, Yamamoto G, Takenoya T et al. Metastatic Pattern of Stage Ⅳ Colorectal Cancer with High-Frequency Microsatellite Instability as a Prognostic Factor. Anticancer Res. 2017;37(1):239-247.
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5
Cancer Statistics in Japan-2025 https://www.fpcr.or.jp/pdf/pamphlet/cancer_statistics_2025.pdf (P30) Last accessed: January 2026.