肝細胞がんを対象としたレンビマ®(レンバチニブメシル酸塩)とオプジーボ®(ニボルマブ)の併用療法に関する開発提携契約を締結

エーザイ株式会社
小野薬品工業株式会社

エーザイ株式会社(本社:東京都文京区、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 「エーザイ」)と小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下 「小野薬品」)は、エーザイのマルチキナーゼ阻害剤 レンビマ®(一般名:レンバチニブメシル酸塩)と小野薬品のヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体 オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)について、肝細胞がんに対する両剤の併用療法に関する開発提携契約を締結しましたのでお知らせします。

本契約により、エーザイと小野薬品は、日本において、肝細胞がんを対象としたレンビマとオプジーボの併用療法の安全性、忍容性、有効性を検討する第Ⅰb相臨床試験を速やかに実施する予定です。なお、今回の契約に関する財務条件等の詳細は非公開としています。

肝がんはがんによる死亡原因の第2位であり、世界で年間約75万人が肝がんのために亡くなっています1。また、年間新規患者数78万人の約80%が、日本と中国を含むアジア地域に集中しています1。肝細胞がんは、肝がん全体の約85~90%を占めており、国内においては、肝細胞がんの患者数は約4万2千人2、年間死亡数は約2万6千人と報告されています3。切除不能な肝細胞がんは、治療方法が限られており、予後が極めて悪く、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患です。

エーザイは、レンビマについて、日本において2017年6月に肝細胞がんに係る効能・効果追加の承認申請を行っています。小野薬品は、オプジーボについて、日本において肝細胞がんを対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。

エーザイの執行役 オンコロジービジネスグループ チーフメディスンクリエーションオフィサー 大和隆志博士は、「当社の非臨床研究において、レンビマと抗PD-1抗体併用投与時の相乗的な抗腫瘍活性が確認されています。これには、レンビマによる免疫抑制性の腫瘍関連マクロファージの減少およびがん細胞を攻撃する細胞傷害性Tリンパ細胞の数の増加による免疫賦活化の作用が関与していると考えられています。ともに日本発の薬剤であるレンビマとニボルマブの相乗効果を生み出す可能性のある併用療法の開発により、アンメット・メディカル・ニーズが高い肝細胞がん患者様とそのご家族のニーズの充足とベネフィット向上により一層の貢献ができることを期待しています」と述べています。

小野薬品の取締役 副社長執行役員 開発本部長 粟田浩は、「オプジーボは単剤療法のみならず、他剤との併用療法においても積極的に開発を進めています。併用療法は、単剤療法と比較して優れた治療効果を示す可能性があり、この度のレンバチニブとの併用療法において、その可能性を追求出来ることを大変嬉しく思います。オプジーボとレンバチニブの併用療法は、肝細胞がん患者さんの新たな治療選択肢につながるものと期待しています」と述べています。

レンビマ(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について

レンビマは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な、自社創出の新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤です。

現在、本剤は、甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州など50カ国以上で承認を取得しています。また、米国、欧州など35カ国以上で、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る承認も取得しています。欧州での腎細胞がんに係る適応についてはKisplyx®の製品名で発売しています。

本剤の肝細胞がんに係る適応について、日本(2017年6月)、米国、欧州(同年7月)において承認申請を行ったのに続き、中国においては2017年度下期に承認申請する予定です。

さらに本剤については、腎細胞がん(一次治療)を対象とした、エベロリムスあるいはペムブロリズマブとの2つの併用療法に関して、臨床第Ⅲ相試験が進行中です。また、ペムブロリズマブとの併用による固形がん(非小細胞肺がん、腎細胞がん、子宮内膜がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、メラノーマ)を対象とした臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験および肝細胞がんを対象とした臨床第Ⅰb相試験が進行中です。

オプジーボ(一般名:ニボルマブ)について

オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。日本では、小野薬品が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、2017年3月に再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する承認を取得しました。また、胃がんについても承認申請しており、食道がん、胃食道接合部がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験も実施中です。

現在、オプジーボは、米国、欧州、韓国、台湾を含む60ヵ国以上で承認されています。

  • 1
    GLOBOCAN2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012. http://globocan.iarc.fr/
  • 2
    厚生労働省「平成26年 患者調査」
  • 3
    厚生労働省「平成26年 人口動態調査」

エーザイ株式会社について

エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

エーザイ株式会社の詳細情報は、http://www.eisai.co.jp別ウィンドウで開きますをご覧ください。

小野薬品工業株式会社について

小野薬品工業株式会社は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創薬に取り組む研究開発型の製薬企業です。がん領域と糖尿病領域を重点領域として活動しています。

詳細については、http://www.ono.co.jp./をご覧ください。

以上

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • エーザイ株式会社 PR部

    TEL:03-3817-5120

    FAX:03-3811-3077

  • 小野薬品工業株式会社 広報部

    TEL:06-6263-5670

    FAX:06-6263-2950