見守り支援機能を搭載した服薬支援機器「eお薬さん®」の販売開始

(「eお薬さん」は、2020年9月をもって販売を終了いたしました。)

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、本日より、日本において、服薬支援機器「eお薬さん®」を、薬局や医療機関、介護施設などに販売することをお知らせします。本機器により、指定時刻に決められた量の服薬を促して、飲み忘れや過量服薬の防止を支援するとともに、患者様ご自身、あるいはご家族、薬剤師、看護師や介護従事者などによる服薬管理をサポートします。また、「eお薬さん」は、専用クラウドを介して、患者様のご家族や薬剤師などの関係者が離れた場所にいても服薬状況を確認できる見守り支援機能も搭載しています。

「eお薬さん」には、1日最大4回(朝、昼、夕、就寝前)の服薬時刻を指定して、1週間分の薬をセットすることができます。指定時刻になると、薬ケースが前方に押し出されると同時に、音声と画面表示で服薬を促します。音声は、内蔵の4タイプから選択するか、お孫さんの声などを録音して使用することができます。薬ケースを取らない場合、スヌーズ機能により改めて音声で知らせるとともに、指定時刻から40分経過すると薬ケースを回収します。次の指定時刻になるまで、原則として薬ケースの取り出しができないため、過量服薬の防止に役立ちます。

「eお薬さん」前面写真像
「eお薬さん」前面写真

「eお薬さん」の見守り支援機能を用いると、ご家族や薬剤師、看護師、介護従事者などが服薬のタイミングで電子メールを受け取ることができます。さらに、服薬履歴は、クラウド上の専用サイトに最大1年分保管され、1カ月単位で折れ線グラフや一覧表にすることができます。ご家族や薬剤師などの関係者が離れた場所にいる場合でも、患者様の生活リズムの乱れに気づくきっかけとなります。

販売に先駆け、全国で約100カ所の薬局や医療機関、介護施設の協力のもと、在宅医療の現場や施設等でテスト機による実証実験を行いました。その結果、服薬率の向上、過量服薬の防止への貢献、ご家族や薬剤師、看護師、介護従事者の服薬支援負担の軽減などが認められました。さらに、テスト機の使用で、規則正しい生活を送ることができるようになった事例や、見守り支援機能によって、ご家族が生活リズムの乱れに気付き、医療機関への受診につながった事例もありました。

当社は、「まちづくり」活動などを通じて蓄積されたアセットを活用し、医療機関や薬局、介護施設などと連携して、様々なソリューションを提供することによって、患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

以上

<参考資料>

1. 「eお薬さん」の概要

「eお薬さん」前面写真像
販売価格 85,000円(税抜き)
本体サイズ 幅402mm、奥行き177mm、高さ320mm
本体重量 3.5kg(機器と薬ケース)
電源(日本) AC100V、50/60Hz
付属品 薬ケース×30個、前面カバーの鍵×2個、
薬ケース用シール(あさ・ひる・よる・ねる前)、
取扱説明書、
初期設定通知書(クラウド登録)

1) タイマー機能で1回分の薬ケースが自動搬出、好みの音声でお知らせ

1日4回(朝、昼、夕、就寝前)の服薬時刻を指定し、一包化された薬も入る大きさの薬ケース(7cm×9cm)を1週間分セットすることができます。薬ケースは、半透明なので、外から中身を確認できます。

指定時刻に薬ケースが載ったトレーが前方に押し出され、同時に音声と画面表示で服薬を促します。音声は、内蔵の4タイプから選択するか、お孫さんの声などを録音して使用することができます。トレー上の薬ケースを取ると、トレーが本体に戻ります。

ケースを取らない場合、スヌーズ機能で5分に1回音声で知らせます。

2) 過量服薬を防止するための仕組み

指定時刻から40分経過しても薬ケースを取らない場合、自動で薬ケースが本体に引き戻されます。飲み忘れの薬ケースが放置されず、また次の服薬時刻になるまでは、原則として薬ケースの取出しができないため、過量服薬の防止に役立ちます。

さらに、最短の服薬間隔を予め1時間から6時間までの間で設定する機能があり、服薬時刻を指定する際の、最短服薬間隔の遵守をサポートします。

なお、コントロールパネルの「のみ忘れ」ボタンを押し、さらに指定時刻外の服薬であることを再確認した後であれば、例外的に指定時刻以外にも薬ケースを取り出すことができます。この機能により、例えば、飲み忘れた薬ケースの取り出しや、デイサービス利用日に昼用の薬ケースを取り出して持参することができます。

3) いたずら防止の鍵が付属

1週間分の薬ケースをセットした後、施錠して前面カバーを閉じます。いたずらや誤って薬ケースを取り出すことを防ぎます。

4) 離れた場所からも服薬を確認

薬ケースの取り出しがあれば、登録したご家族や薬剤師などの関係者に電子メールで知らせることができます。電子メールアドレスは最大5件まで登録できます。薬ケースを取り出した都度連絡するか、それとも取らない場合に連絡するかなど、通知のタイミングや内容は自由に設定することが可能です。

服薬情報は、暗号化され、クラウド上の「eお薬さん」1台ごとの専用サイトで管理されます。本機器の管理者は、専用サイトにログインして、関係者の登録や電子メールの通知タイミングなどの設定変更を行うことができます。

服薬を知らせる電子メール画面(イメージ)
服薬を知らせる電子メール画面(イメージ)

5) 服薬履歴を1年間保存、1カ月単位でグラフ化

暗号化された服薬情報は最大1年分、クラウド上の専用サイトで保管され、1カ月単位で折れ線グラフや一覧表として表示し、印刷できます。グラフや表により服薬時刻の規則性や乱れを簡単に把握することができます。登録された関係者は、専用サイトにログインして服薬履歴を確認することが可能です。

服薬履歴の折れ線グラフと一覧表(イメージ)
服薬履歴の折れ線グラフと一覧表(イメージ)

6) メッセージの表示

登録された関係者は、「eお薬さん」専用サイトにログインし、患者様に向けて20文字以内のメッセージを送信することができます。メッセージは、「eお薬さん」前面のコントロールパネルに表示され、服薬を促すメッセージや来訪の連絡など、コミュニケーションに役立ちます。

専用サイトで記入したメッセージを、「eお薬さん」のコントロールパネルに表示(イメージ)
専用サイトで記入したメッセージを、「eお薬さん」のコントロールパネルに表示(イメージ)

2. 「eお薬さん」の通信環境について

「eお薬さん」の見守り支援機能を利用するためには、通信環境を整える必要があります。既に有線LAN通信環境が整っている方であれば、USB接続の有線LANアダプタ(別売)を介して、Wi-Fiなど無線LAN環境が 整っている方であれば、無線LANキット(別売)を介して、見守り支援機能が利用できます。なお、通信環境がない方でも、「eお薬さん」専用通信キット(別売)をUSBポートに差し込むだけで、同機能を利用することができます。

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    当製品は医療機器ではありません。

<機器に関する問い合わせ先>

「eお薬さん」コールセンター 0120-71-0933

(365日受付、9:00~21:00)