米国FDAが肥満症治療剤「BELVIQ®」の1日1回製剤に関する剤型追加の申請を受理

エーザイ株式会社(本社:東京、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、肥満症治療剤BELVIQ®(米国製品名、一般名:lorcaserin hydrochloride)について、患者様の服薬利便性の向上をめざした1日1回製剤に関する剤型追加の申請が、米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことをお知らせします。

FDAによる剤型追加申請の受理は、提出された申請書類が十分であり、FDAによる承認審査が開始されることを意味します。本申請は、当社および米国子会社のエーザイ・インクが商業化に関する独占的ライセンス契約を締結しているArena Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、暫定CEO:Harry F. Hixson、以下 アリーナ社)が、FDAに対して行ったものです。FDAからの承認取得後、1日1回製剤の米国における販売承認を、アリーナ社から、エーザイ・インクに承継する予定です。

本剤の1日2回製剤は、米国において、ボディ・マス・インデックス(BMI)が30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の合併症を患うBMIが27kg/m2以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として2012年にFDAより承認され、2013年6月から発売されています。

当社は、本剤により、肥満症の内科的治療分野におけるアンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

<参考資料>

1. BELVIQ(一般名lorcaserin hydrochloride)について

BELVIQはアリーナ社創製の新規化合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し、満腹感を促進すると考えられています。本剤は、米国において、ボディ・マス・インデックス(BMI)が30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の合併症を患うBMIが27kg/m2以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として、2012年6月に米国食品医薬品局(FDA)より承認され、米国麻薬取締局によるスケジューリング指定を経て、2013年6月に発売されました。また、2013年11月には、lorcaserinのライセンス対象地域をこれまでの米州21カ国から欧州、日本、中国を含む全世界(韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルを除く)に拡大することで合意しています。

本剤の複数の臨床第Ⅲ相試験における主な有害事象は、糖尿病を合併しない肥満症では、頭痛、めまい、疲労、嘔吐、口内乾燥、便秘であり、糖尿病を有する肥満症では、低血糖症、頭痛、背部痛、咳嗽、疲労でした。重要な安全性情報(ISI)を含む本剤に関する詳細はBELVIQウェブサイトをご参照ください。http://www.belviq.com(英語のみ)

なお、BELVIQについては、米国を含む数カ国にて、12,000例の患者様による心疾患アウトカム試験(CVOT:Cardiovascular Outcomes Trial)が進行中です。主要評価項目は、MACE(主要心血管イベント(Major Adverse Cardiovascular Event): 心筋梗塞、脳卒中、心血管死)、2型糖尿病への移行、MACE+(主要心血管イベント、入院を要する不安定狭心症もしくは心不全、または冠血行再建術)の3つです。トップライン結果取得は、2018年度を予定しています。

2. 世界の過体重または肥満に関する状況について

世界の成人の14億人以上が過体重、うち約5億人が肥満であるといわれ、近年、肥満症は世界において大きな健康問題の一つとなっています。地域別には、米国で約1.7億人、欧州では約1.5億人が過体重または肥満と考えられています。アジアでは、中国で約1億人、日本では約2,500万人の人が過体重または肥満と推計されます。(社内推計)