2014年 医薬品アクセス貢献度調査(ATMインデックス)における評価が大きく上昇

エーザイ株式会社(本社:東京、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、2014年 医薬品アクセス貢献度調査(Access to Medicine Index、以下ATMインデックス)において、当社がグローバル大手製薬企業の中で11位と高く評価され、2012年の前回調査より4位上昇したことをお知らせします。

ATMインデックスは、医薬品アクセスの改善をめざす国際的な非営利団体である「医薬品アクセス財団」(Access to Medicine Foundation)が実施する調査です。医薬品アクセス問題において先進的なグローバル大手製薬企業20社について、開発途上国における医薬品アクセス改善に対する取り組みを評価し、企業の順位付けを行うものであり、2008年以来、2年毎に評価レポートが発行されています。

当社は、今回のATMインデックスにおいて、医薬品アクセスを推進する「マネジメント体制」、「パブリックポリシーと市場への影響」、「価格政策と製品の製造・供給」、「知的財産に関するポリシーとライセンス」、「医薬品の寄付や慈善活動」の5つのカテゴリーにおいて、調査対象のグローバル製薬企業20社の平均を上回る評価を得ました。「新薬開発」のカテゴリーにおいても、医薬品開発パートナーシップを活用した、当社の顧みられない熱帯病(NTDs)やマラリア、結核などに対する新薬の研究開発における貢献が評価されました。

世界保健機関(WHO)との協力のもと、リンパ系フィラリア症治療薬ジエチルカルバマジン(DEC)22億錠を2013年から7年間にわたって蔓延国に無償提供している取り組みや、各国間または同一国内における公正な価格設定の実施が高く評価されました。さらに、他の日本の製薬企業4社、日本国政府、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と協力して、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund、GHIT Fund)を設立したことがベスト・プラクティスとして評価されました。

当社はヒューマンヘルスケア(hhc)理念のもと、世界の医薬品アクセス改善に向け、政府や国際機関、非営利民間団体などと積極的なパートナーシップを締結しています。当社グループは、医薬品のアフォーダビリティー(affordability:購入可能性)、アベイラビリティー(availability:入手可能性)、アドプション(adoption:服用可能性)の向上をはかり、医薬品アクセスの改善に向けて長期的かつ持続的に取り組んでまいります。

2014年 ATMインデックスの結果発表の詳細について下記リンクをご覧下さい(英語のみ)。

http://www.atmindex.org/2014-access-medicine-index-more-being-done-progress-uneven

以上

<参考資料>

1. 医薬品アクセス財団について

「医薬品アクセス財団」(Access to Medicine Foundation)は、医薬品へのアクセス向上に取り組む、国際的な非営利組織です。オランダを地盤とする当財団は、医薬品アクセス貢献度(Access to Medicine Index、以下ATMインデックス)レポートを発行しています。

2. 医薬品アクセス貢献度(ATMインデックス)について

ATMインデックスは、個々の製薬企業の医薬品アクセスに対する取り組みについて、製薬企業、投資家、政府機関、教育機関や非政府組織に公平かつ信頼性の高い情報を提供することを目的として行なわれている調査で、2008年以来2年毎に調査レポートが発行されています。

ATMインデックスでは、医薬品アクセスを推進する「マネジメント体制」、「パブリックポリシーと市場への影響」、開発途上国で課題となっている疾患に対する「新薬開発」、「価格政策と製品の製造・供給」、「知的財産に関するポリシーとライセンス」、「開発途上国における医薬品開発・製造技術確立への支援」、「医薬品の寄付や慈善活動」の7つのカテゴリーを、それぞれコミットメント、透明性、実績、イノベーションの4つの側面から総合的に評価しています。調査対象となっている、医薬品アクセス問題において先進的なグローバル製薬企業上位20社のそれぞれの実績に基づいて、各企業の平均的なスコアを計算して、企業の順位付けを行っています。

3. 当社の医薬品アクセスへの取り組みについて

当社は、ヒューマンヘルスケア理念(hhc)に基づき、各国政府や国際機関、民間企業や非営利団体などとの協力のもと、世界における医薬品アクセス改善に向けて中長期的視点に立った取り組みを展開しています。その一環として、国際官民パートナーシップ「ロンドン宣言」に参画して、リンパ系フィラリア症を2020年までに制圧すべく世界保健機関(WHO)の制圧プログラムを支援し、2013年から7年間にわたって治療薬ジエチルカルバマジン(DEC)を蔓延国の感染リスクにさらされている2.5億人の人々に向けて提供しています。2014年11月現在16カ国*1に向けて出荷を開始しました。

当社は、新薬開発においてもDrugs for Neglected Diseases initiative(DNDi)、Medicines for Malaria Venture(MMV)やセービンワクチン研究所などの国際的な非営利団体とのパートナーシップにより、シャーガス病やリーシュマニア症といった顧みられない熱帯病(NTDs)やマラリアに対する新薬開発を進めています。その他に、ブラジルの国立研究機関オズワルドクルス財団、Liverpool School of Tropical Medicine、セントジュード小児研究病院やブロード研究所ともパートナーシップを組み、NTDsや結核の新薬開発を進めています。

さらに、日本発の新薬創出によるグローバルヘルスへの貢献をめざす公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund、GHIT Fund)や結核に対する革新的な創薬をめざす「Tuberculosis Drug Accelerator」(TBDA)パートナーシップに参画しています。当社の医薬品アクセスへの取り組みの詳細は、当社サイト「医薬品アクセス」 http://www.eisai.co.jp/company/atm/index.html別ウィンドウで開きますをご覧ください。

  • *1
    インドネシア、エリトリア、ガイアナ、キリバス、ケニア、サモア、ザンビア、ツバル、ドミニカ共和国、パプアニューギニア、フィジー、マダガスカル、マレーシア、ミクロネシア、ミャンマー、ラオス