進行非小細胞肺がんの患者様を対象としたエリブリンの臨床第Ⅲ相試験の速報結果について

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製のエリブリンメシル酸塩(以下 エリブリン、製品名:「ハラヴェン®」)に関して、2レジメン以上の前治療後に増悪した進行非小細胞肺がんの患者様を対象とした臨床第Ⅲ相試験(302試験)の速報結果が得られましたのでお知らせいたします。

302試験は、プラチナ製剤の併用療法を含む少なくとも2レジメンの前治療後に増悪した進行非小細胞肺がん患者様540名を対象とした、エリブリン単剤と主治医選択治療(ドセタキセル、ペメトレキセド、ゲムシタビンおよびビノレルビンのいずれか1剤を投与)の有効性および安全性を比較する、多施設共同の非盲検、無作為化臨床第Ⅲ相試験です。

本試験の速報結果では、主要評価項目である全生存期間(Overall Survival: OS)の延長が達成されませんでした。なお、OSの中央値は両群ともに9.5カ月でした。[ハザード比1.16、p=0.1343]

また、本試験においてエリブリン投与群で確認された主な有害事象は、食欲減退、好中球減少症、脱毛症、悪心、疲労などであり、これまでの投与で認められた安全性プロファイルと同様でした。

エーザイプロダクトクリエーションシステムズ オンコロジー創薬ユニットの野本研一プレジデントは次のように述べています。「2レジメンの前治療後に増悪した非小細胞肺がん患者様に対する化学療法において、標準治療として位置づけられるものはなく、未だアンメットメディカルニーズが高い病気です。これらの患者様を対象とした302試験において、主治医選択治療群と比較してOSの改善は見られませんでしたが、エリブリンの抗腫瘍活性は認められており、現在、試験結果の更なる解析を進めています。なお、今回の試験結果は、「ハラヴェン」の現在承認されている適応症に影響を与えるものではありません。」

本試験の詳細な結果については今後、学会等で発表する予定です。

エリブリンは、新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤です。転移性乳がんの治療薬として2010年11月に最初の承認を米国で取得し、これまでに欧州、日本、アジア等、50カ国以上で承認を取得しています。当社は、がん領域を重点領域と位置づけ、エリブリンをはじめとした抗がん剤の開発に注力し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

以上