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- 2013年11月29日
エーザイ株式会社(本社:東京、社長:内藤晴夫)は、このたび、さらなる製品創出力強化に向け、当社の研究開発部門であるエーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)体制の改編を行いましたので、お知らせいたします。EPCSは、アンメット・メディカル・ニーズを充足する革新的医薬品を一日でも早く患者様にお届けすることを唯一のミッションとし、その実現に必要な組織改革を開発品のパイプライン進展に伴い柔軟に行ってきました。今回の改編により、製品創出活動における選択と集中をさらに徹底し、重要プロジェクトの確実な進展、次世代を担う開発品への注力、創薬イノベーション分野への積極投資を実現してまいります。
主な改編の内容は以下の通りです。
- 創薬ユニット機能の最適化およびチーフクリニカルオフィサー(CCLO)の強化
重点創薬領域へのさらなる集中に伴い、臨床サポート機能を一つの機能ユニットとして一元的に管理する体制から、各創薬ユニット等に配備する体制に再編し、より機動的かつ効率的なオペレーションを実現します。臨床サポート機能のうち、統計解析と臨床薬理機能についてはCCLO直下に異動し、臨床試験の成功確度のさらなる向上をめざします。これにより、サイエンティフィック&オペレーショナル・クリニカルサポート(SOCS)機能ユニットは解組しました。
また、欧州ナレッジセンターサイトでの脳・神経領域における創薬については、ロンドン大学との共同研究を主に担当するオープンイノベーション機能に特化し、合成研究機能を解消しました。
- プロセス開発機能の再編 -バイオ医薬品開発研究部の新設-
開発品のパイプライン進捗にともない、低分子化合物のプロセス開発機能に関しては、日本(鹿島、筑波)およびインド(バイザッグ)のサイトに機能を集約し、米国アンドーバーサイトの機能は解消しました。アンドーバーサイトは、引き続き、米国における探索研究の中核としての機能を担います。
一方、次世代を担うバイオ医薬品の開発を一層強化・推進するために、複数の研究サイトに分散していた米国内のバイオ医薬品開発研究機能(エクストン、アンドーバー)をエクストンサイトに統合し、バイオ医薬品開発研究部を新設しました。
なお、このたびの改編に伴い、欧米で約130名の人員削減を見込んでいます。
以上
[参考資料として、エーザイプロダクトクリエーションシステムズについて添付しています]
<参考資料>
1.エーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)体制について
当社グループは、革新的な医薬品を一日でも早く患者様にお届けするという使命を明確にし、研究開発活動をプロダクトクリエーション(PC)活動と定義しています。研究開発部門である「エーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)」では、ベンチャーの生産性・スピードとグローバルファーマの知を融合したシステムにより、開発期間の短縮を実現することで、未だ十分な治療法が確立されていない疾病に対する革新的新薬を早期に創出することをめざしています。
EPCSは、プロダクトクリエーションユニット(PCU)、コアファンクションユニット(CFU)、プロダクトクリエーション(PC)本部から構成されます。PCUは、革新的新薬候補の発明・発見から承認申請、承認取得に至るまでの一連のプロセスをタイムリーに進行させることについて責任を負うユニットであり、がん領域、脳・神経領域など5つのユニットで構成されます。CFUはオペレーション、技術、薬制などのプロダクトクリエーション活動における共通の基盤機能(コアファンクション)において、高い競争力を獲得・維持し、PCUのパートナーとして新薬候補の開発を推進することに責任を負う5つのユニットで構成されます。
一方、PC本部は、PC組織戦略策定、コーポレート・ポートフォリオ・マネジメント、PC活動推進の責任を負います。この体制により、疾病・技術領域別の各ユニットが自律的な環境の下で明確な責任を持ち、製品創出におけるオーナーシップとモチベーションを高め、生産性・効率性の向上へとつなげてまいります。
エーザイプロダクトクリエーションシステムズ(EPCS)の改編の概要
※左右にスクロールできます
ユニット/組織 | 機能 | 今回の改編に伴う機能変更 |
---|---|---|
PCU/CFU
オンコロジーPCU |
がん関連領域におけるプロダクトクリエーション |
臨床サポート機能強化 |
ニューロサイエンス&ジェネラルメディスンPCU | 脳・神経領域等におけるプロダクトクリエーション | 欧州ナレッジセンターはオープンイノベーションに特化し、合成研究機能を解組 臨床サポート機能強化 |
モルフォテックPCU | 独自の抗体技術によるプロダクトクリエーション | |
カンPCU | 細胞機能解明によるプロダクトクリエーション(抗体医薬を含む) | |
日本/アジア臨床研究PCU | 日本、アジアにおける臨床研究 | 臨床サポート機能追加 |
ファーマシューティカル・サイエンス& テクノロジーCFU |
原薬・製剤・分析 | バイオ医薬品開発研究部を新設、 低分子化合物のプロセス開発機能を日本、インドに集約し、アンドーバーサイトの同機能を解組 |
バイオファーマシューティカル・アセスメントCFU | 薬物動態、安全性 | |
バイオマーカー&パーソナライズド・ メディスンCFU |
バイオマーカー | |
ネクスト・ジェネレーション・システムズCFU | 化合物ライブラリー、スクリーニング | |
サイエンティフィック&オペレーショナル・ クリニカルサポートCFU |
臨床サポート(統計解析、臨床薬理機能含む) | 解組(臨床サポート機能を各PCU等に、統計解析、臨床薬理機能をPC本部CCLOに異動) |
※左右にスクロールできます
グローバルレギュラトリーCFU | 薬事 | 臨床監査機能追加 |
PC本部
チーフプロダクトクリエーションオフィサー(CPCO) |
PC組織戦略、コーポレート・ポートフォリオ・マネジメント、PC活動推進 |
|
チーフイノベーションオフィサー(CINO) | 革新的な新技術の導入およびPC活動のさらなる生産性向上に向けた戦略構築 | |
チーフクリニカルオフィサー(CCLO) | 臨床試験プロトコルデザインの決定およびクリニカルオペレーションの推進 | 統計解析、臨床薬理機能追加 |
このほか、米国研究子会社のH3 Biomedicine Inc.は個別化医療を志向したがん治療薬の創出と開発に特化した研究を行っています。