米国モルフォテック社が抗体製造用パイロットプラントを新設生物学的製剤(バイオロジクス)の早期臨床研究を加速

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の米国子会社であるモルフォテック・インク(本社:米国ペンシルバニア州、社長:ニコラス・ニコライデス、以下 モルフォテック社)は、2012年8月14日(米国東部時間)、早期臨床試験用の抗体を製造するパイロットプラントの開所式を行いましたので、お知らせいたします。

本パイロットプラントは、総工費約80百万ドルで、現在モルフォテック社が所在するペンシルバニア州エクストンの本社に隣接して建設されました。建物面積は約60,000平方フィート(約1,700坪)で、米国食品医薬品局(FDA)が定めた医薬品の製造管理および品質管理に関する基準であるcGMP(current GMP)に準拠した製造設備、培養細胞の最適化のための研究施設、品質保証のための分析試験施設、オフィススペースなどを有しています。モルフォテック社は、これまで治験用の抗体製造を外部機関に委託してきましたが、本プラントの新設により自社での抗体製造が可能となります。本プラントは複数の治験薬用抗体の製造を並行して行えるよう設計されており、当社が取り組む新規抗体プロジェクトの早期臨床研究を加速し、プロダクトクリエーション活動の効率性を向上させます。今後、2012年末までに本プラントを稼動しプロセスバリデーションの実施を経て、2013年度上期に治験薬の生産を開始する予定です。

モルフォテック社は、独自のヒト抗体作製技術を有し、積極的なパートナーシップによる共同研究を通じて、オンコロジー領域を中心とした治療用抗体の研究開発に取り組んでおり、有望な抗体テーマを数多く保有しています。ファルレツズマブ(MORAb-003)はプラチナ感受性卵巣がんを対象に臨床第Ⅲ相試験並びに非小細胞肺がんを対象に臨床第Ⅱ相試験を実施中であり、また、MORAb-004はメラノーマ、大腸がんおよび肉腫を対象に、MORAb-009は中皮腫を対象にそれぞれ臨床第Ⅱ相試験を実施中です。

当社は、革新的な低分子化合物とともに抗体などのバイオロジクスによるプロダクトクリエーションに取り組んでいます。このたびのパイロットプラントの新設により、当社はバイオロジクスの自社製造能力を獲得することで、今後の抗体医薬品の開発期間を短縮し、患者様とそのご家族のアンメットメディカルニーズを充足する医薬品を、1日でも早くお届けすることをめざしてまいります。

以上

[参考資料としてパイロットプラント外観写真および開所式典写真を添付しております]

<参考文献>

1.パイロットプラント外観写真

2.開所式典写真

(写真左より)ペンシルバニアバイオプレジデント Christopher Molineaux氏、エーザイ株式会社代表執行役副社長兼チーフプロダクトクリエーションオフィサー 林秀樹氏、モルフォテック社社長兼CEO Nicholas Nicolaides氏、エーザイ株式会社代表執行役社長兼CEO 内藤晴夫氏、モルフォテック社 Executive Vice President(上級副社長)兼COO Philip Sass氏、モルフォテック社Vice President, Pilot Plant Operations (パイロットプラント担当副社長) Joye Bramble氏、Pennsylvania State Senator (ペンシルバニア州上院議員) Andy Dinniman氏、Pennsylvania Secretary of Health(ペンシルバニア州公衆衛生局長官) Eli Avila氏、モルフォテック社チーフサイエンティフィックオフィサー Luigi Grasso氏