生化学自動分析装置用の間質性肺炎診断補助マーカー KL-6測定試薬を新発売

エーザイ株式会社
三光純薬株式会社
積水メディカル株式会社

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下「エーザイ」)の診断薬事業子会社である三光純薬株式会社(本社:東京都、社長:渡辺啓祐、以下「三光純薬」)は、積水メディカル株式会社(本社:東京都、社長:福田 睦、以下「積水メディカル」)が製造する、生化学自動分析装置で測定が可能な、間質性肺炎診断補助マーカー KL-6測定試薬「ナノピア®KL-6 エーザイ」(以下、「本試薬」)を7月1日に新発売します。

本試薬は、エーザイ、三光純薬、積水メディカルの3社により共同開発を行い、積水メディカルが製造販売認証を取得しています。2009年6月1日付で保険適用を受け、三光純薬が販売し、エーザイおよび積水メディカルが販売支援を行います。

KL-6は、間質性肺炎に特異性の高いマーカーです。現在、三光純薬では、KL-6測定試薬として「エイテスト® KL-6」(サンドイッチ型酵素免疫測定法)、「ピコルミ® KL-6」(電気化学発光免疫測定法)、および全自動化学発光酵素免疫測定システム用として「ルミパルス® KL-6 エーザイ」「ルミパルスプレスト® KL-6 エーザイ」を販売しています。

本試薬は、積水メディカルの技術を用いたラテックス免疫比濁法を原理とする生化学自動分析装置用KL-6測定試薬です。病院を中心とした多くの医療現場で稼動している生化学自動分析装置用の試薬を販売することにより、間質性肺炎に対する診断補助の利便性をより一層高めることができると考えています。

間質性肺炎の代表的な疾患に、特発性間質性肺炎や薬剤性肺炎があります。近年、薬剤性肺炎は報告症例が増加しており、その重要性と社会的関心が高まっています。エーザイ、三光純薬および積水メディカルは、本試薬を通して、間質性肺炎における患者様のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

[参考資料として、主な製品概要と用語解説を添付しています]

[本件に関するお問い合わせ先]

<参考資料>

■主な製品概要

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製品名 ナノピア®KL-6 エーザイ
測定機器 生化学自動分析装置
構成試薬 KL-6緩衝液① KL-6ラテックス試液②
包装 24mL×2 8mL×2
希望納入価 136,000円 204,000円
使用目的 血清又は血漿中のシアル化糖鎖抗原KL-6の測定
製造販売元:積水メディカル株式会社
販売元:三光純薬株式会社
販売提携:エーザイ株式会社

※別売品

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製品名 KL-6 キャリブレーター
包装 0.5mL×4濃度
希望納入価 20,000円
製造元:積水メディカル株式会社
販売元:三光純薬株式会社
販売提携:エーザイ株式会社

■用語解説

1.生化学自動分析装置

血清、血漿中のマーカーを、酵素反応や呈色反応を利用して主として比色定量分析する装置で、サンプリングから結果出力までを自動化しています。現在は、ディスクリート方式が主流で、電極法を用いた電解質検査やラテックス比濁法を用いた免疫検査も可能となっています。

2.ラテックス免疫比濁法

抗体を感作したラテックス粒子と検体中の抗原が抗原抗体反応を起こし、ラテックス粒子の凝集が生じます。この凝集を吸光度の変化として測定します。免疫学的ラテックス比濁定量用試薬は、生化学自動分析装置を用いて簡単な操作で定量できることから広く用いられています。

3.間質性肺炎

肺は、酸素を取り込む肺胞という小さな組織が多数集まってブドウの房のような形をしています。この肺胞に炎症が生じると肺炎になりますが、肺炎は炎症の場所によって2つに大別されます。肺胞の壁(間質)に炎症を起こすものが間質性肺炎、気管支から肺胞に至る空気の通り道(肺胞腔内)に炎症が起きるのが肺胞性肺炎(一般的な肺炎)です。この2つの肺炎は治療方法が異なるため鑑別が必要です。

4.KL-6 (シアル化糖鎖抗原)

肺胞の壁(間質)を構成する肺胞Ⅱ型上皮細胞という細胞上にKL-6は存在します。間質性肺炎になるとこの肺胞Ⅱ型上皮細胞が過剰に形成され、KL-6の濃度も上昇します。肺胞内のKL-6は血中に滲出してきますので、血液中のKL-6濃度を測定することで間質性肺炎の診断に貢献します。