「ALOXI® 注射剤」に術後の悪心・嘔吐予防の効能・効果を追加し、米国で販促開始エーザイ、MGI 買収後、初の製品上市

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)と、エーザイの米国子会社、エーザイ・インク(本社:ニュージャージー州、会長:清水初)およびヘルシン・ヘルスケア SA(本社:スイス ルガーノ、CEO:Riccardo Braglia)は、米国東部時間8日に、術後24時間までの悪心・嘔吐(PONV)の予防を効能・効果とする「ALOXI®(一般名:パロノセトロン塩酸塩)注射剤 0.075mg」の販促開始を発表しました。本剤は、エーザイが2008年1月にMGIファーマ社を買収して以降、初めて効能・効果追加について販促を開始する同社製品です。

ALOXI® は、2008年2月29日にFDA(米国食品医薬品局)よりPONV予防の効能・効果の追加承認を取得しました。本剤は、術後24時間までのPONVを予防するため、麻酔剤の導入直前に単回静脈注射で投与されます。術後24時間以降の有効性は実証されていません。ALOXI® は、米国で2003年から、化学療法に伴う悪心・嘔吐(CINV)の予防を効能・効果として販売されています。現在、化学療法に伴う悪心・嘔吐の予防のための経口薬として申請中のALOXI® カプセルをFDAが審査中です。

術後の悪心・嘔吐は、麻酔および外科的手術後によく見られます。手術を受けた患者様の20~30%が、術後回復期のいずれかの時点でPONVを起こします。複数のリスクファクターを持つ患者様では、その発症率は70~80%にも上ります。PONVリスクファクターには、性別(女性であること)、非喫煙者、過去に乗り物酔いやPONVの発症歴があることや、術後のオピオイド使用などがあります。また、多くの患者様から、PONVの予防は術後の疼痛の回避よりも重要であるとの意見が寄せられています。

米国では毎年、約3,800万件の全身麻酔が行われています。(2006年データ)そのうちの39%、1,500万件で、術後の悪心・嘔吐の制吐療法が行われています。この1,500万件の89%、1,340万件でセロトニン(5-HT3)受容体拮抗剤が使用されています。

なお、今回追加承認されたPONV予防の効能・効果(ALOXI® 注射剤0.075mg)のほか、ALOXI® 注射剤0.25mgは、初回および反復的な、中等度の催吐性を伴う化学療法による急性および遅発性の悪心・嘔吐の予防、ならびに初回および反復的な、高度の催吐性を伴う化学療法による急性悪心・嘔吐の予防の両方の効能・効果を初めて取得した、唯一のセロトニン受容体拮抗剤です。

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[参考資料としてヘルシン・ヘルスケア SAの概要を添付しております]

<参考資料>

■ヘルシン・ヘルスケアSAについて

ヘルシン・ヘルスケアSAはスイスに本社を置く民間の製薬グループで、パロノセトロンのグローバル・ライセンサーです。ヘルシン社の主力事業は、製薬業界のニッチ領域の医薬品のライセンシングです。同社の事業戦略は、開発の初期段階にある新規化合物を導入し、前臨床・臨床試験の実施、CMC(医薬品の製造および品質管理)開発業務を完了させ、欧米等、戦略的に重要なマーケットでの販売承認を得るというものです。同社製品は最終的に提携企業に導出され、販売されます。同社医薬品の有効成分及び最終剤形は、医薬品の製造管理および品質管理に関する基準であるcGMP(current GMP)を満たすヘルシン社の工場で生産され世界中の顧客に供給されています。ヘルシン社についての詳細情報は、同社のウェブサイトwww.helsinn.comをご覧ください。

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