- 印刷用
- 2008年3月12日
株式会社エムズサイエンス
エーザイ株式会社
株式会社エムズサイエンス(本社:兵庫県、社長:嶋内明彦、以下エムズサイエンス)とエーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下エーザイ)は、エムズサイエンスが抗うつ薬、ならびに、脳梗塞に伴う機能障害の改善薬として欧州にて臨床開発を進めている「SA4503」(シグマ受容体作動薬)に関するオプション契約を締結しました。
本契約により、エムズサイエンスは、エーザイに対し、上記2適応症で実施している2件の欧州フェーズⅡ試験結果の優先評価権および、独占的な開発・販売許諾に関するライセンス契約締結のための優先交渉権を提供し、エーザイからそれら2つの優先権に対する対価を取得します。
エムズサイエンスの代表取締役社長である嶋内明彦は、「今回、日本発のグローバル製薬企業で中枢性疾患領域のトップ企業であるエーザイと提携できたことは、新規作用機序を有する「SA4503」の今後の開発を更に確実なものとし、Unmet Medical Needs の高い抗うつ薬並びに脳梗塞に伴う機能障害の改善薬としての開発を進める上で実に意義深いものであると確信している」と述べています。
エーザイの代表執行役社長兼CEOである内藤晴夫は、「わが国の有力なバイオベンチャー企業であるエムズサイエンスとの提携により、当社のフランチャイズ領域であるニューロサイエンス領域において、「SA4503」が次世代の脳神経疾患治療薬となることを期待しています」と述べています。
以上
[参考資料として、用語解説、エムズサイエンスおよびエーザイの概要を添付しています]
本件に関するお問い合わせ先
-
エーザイ株式会社
コーポレートコミュニケーション部
-
株式会社エムズサイエンス
<参考資料>
1.用語解説
1)「SA4503」
開発品「SA4503」はシグマ受容体に選択的に作用する、新規の低分子化合物であり、シグマ受容体を介して神経の再生・成熟を促進することが示唆されています。また「SA4503」は既にフェーズI試験とPETを用いた臨床薬理試験をオランダにて終了しており、健常人での安全性と、「SA4503」の優れた脳内動態、脳内シグマ受容体への結合性・占有特性を得ています。現在、中枢性疾患(大うつ病と脳梗塞に伴う機能障害)を対象として欧州で2件のフェーズⅡ試験を推進しています。
2)欧州における2つのフェーズⅡ試験
(1) 大うつ病患者を対象とするフェーズⅡ試験を欧州(フィンランド、ラトビア、エストニア、リトアニア)において実施しています。当該試験は、無作為・二重盲検・プラセボ対照・並行群間比較・多施設試験として、中等度から重度の大うつ病患者における「SA4503」の8週間投与による有効性と安全性を評価するものです。
「SA4503」は、SSRIなど従来の抗うつ薬とは異なりシグマ受容体を介して神経の再生・成熟を促進することが示唆されており、新規作用機序にもとづく効果が期待されます。
世界の抗うつ薬市場は約2兆円と巨大ですが、既存薬が有効でない患者様も多く、新作用機序を持つ新薬の開発が求められています。
(2) 脳梗塞患者を対象とするフェーズⅡ試験を欧州(英国、スペイン、チェコ)において実施しています。当該試験は、脳梗塞患者を対象にした、二重盲験、プラセボ対照、用量漸増、多施設試験であり、患者での安全性と、脳梗塞に伴う機能障害の改善を指標とした有効性の評価を目的としています。
「SA4503」は、既存の脳梗塞治療薬とは異なり脳梗塞発症から2、3日後の投与でも脳梗塞に伴う機能障害を改善することが示唆されております。このため、患者様ご本人のQOL(Quality of Life)改善や、ご家族の負担軽減に寄与できる薬剤になると期待しております。
2.株式会社エムズサイエンスについて
エムズサイエンスは創薬を業とするベンチャー企業です。当社は、臨床試験の段階まで進んだ新作用機序を持つ化合物の開発プロジェクトを複数有し、日本発の数少ない本格的創薬ベンチャー企業として事業推進に鋭意努力を続けております。更に詳しい情報については、 www.m-sci.comをご参照下さい。
会社名: 株式会社エムズサイエンス
代表取締役会長: 三田四郎
代表取締役社長: 嶋内明彦
事業目的: 医薬品の研究開発
会社設立: 2000年11月9日
資本金: 20億5,932万円
3.エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、研究開発型のヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業で、グローバルに研究・製品の開発・販売活動を行っています。エーザイは神経、精神領域を含むインテグレーティブ・ニューロサイエンス、消化器領域、がん治療と支援治療を含むインテグレーティブ・オンコロジーの3つの治療領域に活動を集中し、世界各地にある研究、生産、販売拠点を通じて、世界の患者様に貢献しています。
以上