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- 2007年7月11日
エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、日本において硝酸薬として初めてのシリンジ製剤となる急性心不全・不安定狭心症治療剤「ニトロール® 注5mgシリンジ」「ニトロール® 持続静注25mgシリンジ」(一般名:硝酸イソソルビド)を、7月12日に新発売します。
同製剤は、従来アンプル製剤として販売している「ニトロール® 注5mg」と同一濃度(0.05%)の硝酸イソソルビドを充填したシリンジ製剤であり、アンプルから移し替える必要がないため、異物混入などの防止に役立つとともに、調製の準備が簡便な製剤です。
「ニトロール®」は、動脈・静脈を拡張することで心臓への負荷を軽減するとともに、冠動脈を拡張することにより心臓における虚血状態を改善することで、虚血性心疾患の治療に貢献してきました。
「ニトロール®」の注射剤は速効性を有するため、効果発現の迅速性、確実性が求められる急性心不全や不安定狭心症の治療に対する有用性が確立されています。
今回発売する「ニトロール® 注5mgシリンジ」は、カテーテル室などで硝酸薬投与に急を要する場合の調製準備作業の負担を軽減し、「ニトロール® 持続静注25mgシリンジ」は精密持続静注用シリンジポンプに対応しており、速やかな治療開始を可能とします。
当社は、日本において、1986年6月に「ニトロール® 注5mg」を発売して以来、「ニトロール®」の注射剤シリーズとして、バイアル製剤、ソフトバッグ製剤の剤形追加を進めてきました。今回、新たにシリンジ製剤を追加することで、急性心不全や不安定狭心症などの治療時における作業の利便性向上とセーフティ・マネジメントにより一層貢献してまいります。
以上
[参考資料として製品概要、製品写真を添付しています]
<参考資料>
1.製品概要
①ニトロール® 注5mgシリンジ
○有効成分(一般名)
硝酸イソソルビド
○効能又は効果
- 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
- 不安定狭心症
- 冠動脈造影時の冠攣縮寛解
○用法及び用量
- 急性心不全
通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.05~0.001%溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり1.5~8mgを点滴静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、増量は1時間あたり10mgまでとする。 - 不安定狭心症
通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.05~0.001%溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり2~5mgを点滴静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減する。 冠動脈造影時の冠攣縮寛解
通常、成人には、冠動脈造影時に本剤を注射液そのまま、硝酸イソソルビドとして5mgをカテーテルを通し、バルサルバ洞内に1分以内に注入する。なお、投与量は、患者の症状に応じて適宜増減するが、投与量の上限は10mgまでとする。<用法及び用量に関連する使用上の注意>
冠動脈造影時に冠攣縮を誘発した場合は、迅速に攣縮寛解のための処置を行うこと。また、まれに完全閉塞寛解時にreperfusion injuryによると考えられる心室細動などの危険な不整脈や血圧低下を起こすことがあるので電気的除細動などの適切な処置を行うこと。
②ニトロール® 持続静注25mgシリンジ
○有効成分(一般名)
硝酸イソソルビド
○効能又は効果
- 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
- 不安定狭心症
○用法及び用量
- 急性心不全
通常、成人には、硝酸イソソルビドとして1時間あたり1.5~8mgを持続静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、増量は1時間あたり10mgまでとする。 - 不安定狭心症
通常、成人には、硝酸イソソルビドとして1時間あたり2~5mgを持続静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減する。
2.承認取得日
2007年3月15日
3.薬価基準
ニトロール® 注5mgシリンジ 433円/1筒
ニトロール® 持続静注25mgシリンジ 1,351円/1筒
- ※2007年6月15日収載
4.新発売日
2007年7月12日
5.ニトロール® 注射剤シリーズ
※左右にスクロールできます
製品名 | (剤形) | 承認取得日 |
---|---|---|
ニトロール® 注5mg | (アンプル製剤) | 1986年4月30日 |
ニトロール® 注50mg | (バイアル製剤) | 1994年3月15日 |
ニトロール® 注100mg | (バイアル製剤) | 1994年3月15日 |
ニトロール® 注バッグ50mg | (ソフトバッグ製剤) | 2005年2月24日 |
ニトロール® 注バッグ100mg | (ソフトバッグ製剤) | 2005年2月24日 |
以上