米国臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の製品・開発品に関する発表について

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2025年5月30日から6月3日まで米国イリノイ州シカゴおよびバーチャル形式で開催される「米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会」(2025 ASCO Annual Meeting)において、当社のがん領域における製品・開発品の様々ながん種における最新知見を発表することをお知らせします。

 

 本学会では、当社創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤レンバチニブ(製品名:レンビマ®)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(北米以外ではMSD)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ®)の併用療法について、切除不能肝細胞がん患者様に対する一次治療として、レンバチニブ単剤と比較して評価した臨床第Ⅲ相LEAP-002(NCT03713593)からの知見をポスター発表します(抄録番号:4095)。本発表においては、肝細胞がん患者様の治療におけるレンバチニブの役割に関するさらなる知見を示す長期追跡データを紹介します。

 

 当社のパイプラインに関するその他の重要な研究成果としては、CBP/β-catenin相互作用阻害剤E7386とレンバチニブの併用療法について、進行または再発子宮内膜がんにおける臨床試験(NCT04008797)から、用量最適化パート(抄録番号:TPS5632)および拡大パート(抄録番号:5599)の知見について発表します。

 

 また、進行または転移性胃食道腺がん患者様を対象にしたレンバチニブとペムブロリズマブに化学療法を加えた併用療法について、化学療法単独を比較評価した第3相LEAP-015試験(NCT04662710)の最終解析データを口頭発表します(抄録番号:4001)。

 

 Eisai Inc.のシニアバイスプレジデントであるオンコロジーグローバル臨床開発リードCorina Dutcus M.D.は、「当社は、ヒューマンヘルスケア理念への深いコミットメントを科学の進歩の追求に向けた原動力としています。我々は、当社の取り組みをオンコロジーの中でも特に難易度の高い領域において、患者様への貢献のために挑戦を続けています。今回の米国臨床腫瘍学会における我々の発表は、これらを体現するものです。LEAP-002試験の長期追跡データは、現在進行中の研究や切除不能肝細胞がんにおけるレンビマの確立された役割に対する我々の理解をさらに深めるものであり、我々の進行子宮内膜がんにおけるパイプラインに関する研究は、革新的な治療アプローチによる、アンメット・メディカル・ニーズのある領域に対する当社の継続的な取り組みの証左です」と述べています。

 

  

 本学会におけるプレゼンテーションは以下のとおりです。抄録(アブストラクト)は、2025年5月22日4:00 PM(米国中部夏時間)に公開される予定です。

 

がん種試験/化合物抄録題目発表形式および詳細
(米国中部夏時間)
レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
消化器がん LEAP-002 LEAP-002長期追跡調査結果:進行肝細胞がんに対するレンバチニブ+ペムブロリズマブとレンバチニブ+プラセボの比較

Poster Session
抄録番号:#4095
2025年5月31日
9:00 AM

LEAP-15 進行または転移性胃食道腺がん患者様におけるレンバチニブ+ペムブロリズマブ+化学療法と化学療法単独の比較:ランダム化臨床第Ⅲ相 LEAP-015試験

Oral Abstract Session
抄録番号:4001
2025年5月31日
3:12 PM

メラノーマ LEAP-003 切除不能または転移性メラノーマの中国人患者様における一次治療としてのレンバチニブ+ペムブロリズマブとプラセボ+ペムブロリズマブの比較:LEAP-003試験の結果

Poster Session
抄録番号:9533
2025年5月31日
9:00 AM

パイプライン

婦人科がん E7386 抗PD-(L)1免疫療法による治療を受けた進行または再発子宮内膜がん患者様を対象に、E7386+レンバチニブの至適用量、有効性および安全性を医師選択治療と比較評価するランダム化試験

Poster Session
抄録番号:TPS5632
2025年6月1日
9:00 AM

E7386試験102:プラチナ製剤ベースの化学療法および抗PD-(L)1免疫療法で病勢進行した進行子宮内膜がん患者を対象としたE7386+レンバチニブのグローバル拡大パート

Poster Session
抄録番号:5599
2025年6月1日
9:00 AM

がん全般 Systematic Review オンコロジー臨床試験におけるPRO-CTCAE:対象を絞った文献レビューからの知見

For Online Publication

 

 レンバチニブの単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法に関して、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、本併用療法の肝細胞がんおよび食道がんにおける複数の臨床試験を実施中です。

 

 

以上

<参考資料>

  1. 1. 当社のがん領域の取り組みについて

 当社は、「がん領域」を戦略的重要領域の一つとし、Deep Human Biology Learning創薬体制のもと、新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。自社製品から得られたバイオマーカーデータを活用し、がんの発生・根本原因や薬剤耐性メカニズムを解明するとともに、当社グループが有するプレシジョンケミストリー技術を基盤として、Undruggableな治療標的をDruggableへと変え、新たなバックボーン治療薬を創出します。

 

*1 キイトルーダ®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme LLCの登録商標です。

*2 E7386は、PRISM BioLab Co., Ltd.(本社:神奈川県)との共同創製品です。

*3 抄録番号にTPS (Trial in Progress Submission) が付与されている発表内容は、当該試験が途中段階にあることを表し、最終試験結果を発表するものではありません。