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- 2023年7月7日
エーザイ株式会社
バイオジェン・インク
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、米国食品医薬品局(FDA)が「LEQEMBI®」注射100 mg/mL溶液(一般名:レカネマブ)について、フル承認に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)を承認したことをお知らせします。「LEQEMBI」は、アルツハイマー病(AD)の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを示し、フル承認を取得した世界初かつ唯一の治療薬となります。「LEQEMBI」は、多様な人種・民族、併存疾患や併用治療薬、ADによる軽度認知障害(MCI)と軽度ADなど米国メディケア受給者に一般化可能な集団において、臨床的に意義のある認知・機能低下の抑制を実証しました。「LEQEMBI」による治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度AD(総称して早期AD)の当事者様において開始する必要があります。
「LEQEMBI」のフル承認は、エーザイの大規模グローバル臨床第Ⅲ相検証試験であるClarity AD試験のデータに基づいており、「LEQEMBI」は主要評価項目ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成しました。主要評価項目は、全般臨床症状の評価指標であるCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)であり、「LEQEMBI」はCDR-SBにおける18カ月時点の臨床症状の悪化をプラセボと比較して27%抑制しました。また、副次評価項目の一つである、衣服の着脱、食事、地域活動への参加など当事者様が自立して生活する能力を介護者が評価する、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living Scale for Mild Cognitive Impairment(ADCS MCI-ADL)においては、統計学的に有意かつ37%のベネフィットが認められました。本試験の結果は、2022年11月29日に、アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)にて発表され、同時に査読学術専門誌the New England Journal of Medicineに掲載されました。
また、「LEQEMBI」のFDAフル承認を受け、メディケア&メディケイド・サービスセンター(CMS)は、本剤に対する幅広いメディケアでの保険適用が可能となったことに加え、簡便なデータ提出プロセスを含む、レジストリの詳細について発表しました。医療従事者が必要なデータを提出するためのCMSが運営するレジストリが利用可能となりました。エーザイは、メディケアが適切な当事者様に対してこの重要な治療法を保険適用することを歓迎します。これにより、米国における幅広い医療環境下において「LEQEMBI」の保険償還とアクセスが進展すると考えられます。
エーザイのCEOである内藤晴夫は「このたび、「LEQEMBI」が、ADの進行を抑制し日常生活機能を維持することが示された治療薬として、世界で初めてFDAからフル承認されました。約40年にわたるエーザイのAD研究の成果が認められ、米国の当事者様にお届けすることができることは、研究開発を中心とするhhc(human health care)企業として誇りとするところです。ADは進行性の重篤な疾患であり、当事者様だけでなく、その大切な方々、ケアパートナー、そして社会にも大きな影響を及ぼします。ADによる軽度認知障害や軽度ADはより早期の段階で治療することにより、より大きなベネフィットを得られる可能性があります。エーザイは、「LEQEMBI」への広範でシンプルなアクセス環境を構築し、当事者様へ早期段階で診断と治療を提供できるよう努めるとともに、添付文書に基づく安全で適正な使用を推進し、早期AD当事者様とそのご家族のベネフィットの最大化をはかってまいります」と述べています。
バイオジェンの社長兼CEOであるChristopher A. Viehbacherは「本日、AD治療における画期的な進展があり、以前は治療が難しいと思われていたこの疾患に対する治療の新しい時代を切り開く最前線に立てたことを誇りに思います。この困難な疾患に対する治療法を見つけるために、長年努力を続けてこられた方々に心から感謝します。エーザイと協力し、対象となる患者さんが一刻も早く「LEQEMBI」にアクセスできるよう尽力してまいります」と述べています。
「LEQEMBI」は、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル*)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。「LEQEMBI」は、この進行性の慢性疾患を治療するために、継続的に蓄積される最も神経毒性の高いAβ(Aβプロトフィブリル)をターゲットとして除去し、既存のプラークを除去します。2023年6月、FDAの 末梢・中枢神経系薬物諮問委員会(PCNS)は、臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験の結果が、本剤の臨床上のベネフィットを示すエビデンスであることを全会一致で支持しました。また、本諮問委員会は「LEQEMBI」のベネフィット・リスクを総合的に確認しました。2023年1月6日にFDAより迅速承認を取得しています。
エーザイは、実臨床におけるARIAの管理とモニタリングを推進する目的で、ADヘルスケアコミュニティに対する多面的な教育イニシアチブとして、「Understanding ARIA™」を開発し、展開しています。このイニシアチブは、医療用画像分野の専門家や主要な専門学会との協力のもと、受講者同士によるトレーニング、個人およびグループトレーニング、専門家による症例検討などの教材とプログラムを提供しています。
エーザイは、「LEQEMBI」の適用となる当事者様が本剤の治療を受けられるように尽力しており、経済的な必要性とその他のプログラム基準を満たす、メディケア受給者を含む保険未加入あるいは低額保険者補償の当事者様に「LEQEMBI」を無償で提供するPatient Assistance Programを設けています。さらに、エーザイは、LEQEMBI Patient Navigatorsを通じて、アクセス向上のための当事者様サポートを提供しています。同ナビゲーターは、「LEQEMBI」へのアクセスに関する情報の提供、当事者様とそのご家族の保険適用と選択肢に関する理解の支援、適格な当事者様のための財政支援プログラムの特定を行います。米国の方は、詳しくはLEQEMBI.comをご覧いただくか、電話:1-833-453-7362(月~金、東部時間午前8時~午後8時)またはファックス(1-833-770-7017)にてお問い合わせください。
レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
* プロトフィブリルは、75-5000Kdの可溶性Aβ凝集体です2, 3, 4。
- 1 The Centers for Medicare and Medicaid Fact Sheet: CMS announces new details of plan to cover new Alzheimer’s drugs. CMS announces new details of plan to cover new Alzheimer’s drugs | CMS. Accessed June 26, 2023.
- 2 https://www.alzforum.org/news/conference-coverage/lecanemab-sweeps-toxic-av-protofibrils-catches-eyes-trialists
- 3 Sehlin D, Englund H, Simu B, Karlsson M, Ingelsson M, Nikolajeff F, Lannfelt L, Pettersson FE. Large aggregates are the major soluble Aβ species in AD brain fractionated with density gradient ultracentrifugation. PLoS One. 2012;7(2):e32014.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0032014 Epub 2012 Feb 15. PMID: 22355408; PMCID: PMC3280222.
- 4 Söderberg, L., Johannesson, M., Nygren, P. et al. Lecanemab, Aducanumab, and Gantenerumab — Binding Profiles to Different Forms of Amyloid-Beta Might Explain Efficacy and Side Effects in Clinical Trials for Alzheimer’s Disease. Neurotherapeutics. 2023;20:195-206. https://doi.org/10.1007/s13311-022-01308-6
米国における適応症および重要な安全性情報
適応症
LEQEMBIの適応症はアルツハイマー病(AD)の治療であり、LEQEMBIによる治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度認知症の患者において開始すること。
重要な安全情報
- 「LEQEMBI」などのアミロイドβ凝集体に対するモノクローナル抗体は、浮腫を伴うARIA(ARIA-E)およびヘモジデリン沈着を伴うARIA(ARIA-H)として特徴づけられるアミロイド関連画像異常(ARIA)を引き起こす可能性がある。ARIAの発現率と発現タイミングは治療法によって異なる。ARIAは通常、治療の初期に発現し、また無症候性であるが、まれに生命を脅かす重篤な事象が発生することがある。このクラスの薬剤による治療を受けた患者において、1cmを超える重篤な脳内出血が観察されることもあり、その中には致死的なものも含まれる。(5.1)
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・アポリポタンパク質Eε4(ApoEε4)ホモ接合体:「LEQEMBI」を含むこのクラスの薬剤で治療を受けたApoEε4ホモ接合体である患者(ADの約15%)は、ヘテロ接合体や非保有者の患者と比較して、症候性や重篤、および画像判定による重度のARIAを含むARIAの発現率が高くなる。ARIA発現のリスクを知るために、治療開始前にApoEε4ステータスの検査を実施する必要がある。検査の前に、処方医は遺伝子型毎のARIAの発現率と遺伝子型テスト結果の意味について患者と話し合う必要がある。処方医は、遺伝子型テストが実施されない場合でも、「LEQEMBI」で治療できることを患者に知らせる必要がある。ただし、患者がホモ接合体でARIAのリスクが高いかどうかは判断できない。(5.1)
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- 「LEQEMBI」による治療の開始を決定する場合には、ADの治療における「LEQEMBI」のベネフィットとARIAに関連する重篤な有害事象の潜在的リスクを考慮すること。
禁忌
「LEQEMBI」は、lecanemab-irmbまたは「LEQEMBI」の添加物に対して重篤な過敏症を有する患者には禁忌である。血管浮腫やアナフィラキシーなどの反応が見られた。
警告・注意事項
アミロイド関連画像異常
- 「LEQEMBI」は、ARIA-EおよびARIA-Hを引き起こす可能性がある。ARIA-Eは脳浮腫や脳胞液貯留として、ARIA-Hは微小出血や脳表ヘモジデリン沈着症としてMRIで観察される。ARIAは、アルツハイマー病患者で自然に発現することがある。アミロイドβ凝集体に対するモノクローナル抗体に関連したARIA-Hは、一般にARIA-Eの発現に伴って生じる。ARIA-HとARIA-Eは一緒に発現する可能性がある。
- ARIAは通常、治療の初期に発現し、また無症候性であるが、まれに痙攣、てんかん重積状態など、生命を脅かす重篤な事象が発生することがある。ARIAに関連する症状として、頭痛、錯乱、視覚障害、めまい、吐き気、歩行障害などが報告されている。また、局所的な神経障害が生じることもある。ARIAに関連する症状は、通常、時間の経過とともに消失する。
ARIAモニタリングと投与管理のガイドライン
- 「LEQEMBI」による治療を開始する前に、直近のベースライン脳磁気共鳴画像(MRI)を入手すること。5回目、7回目、14回目の投与前にMRIを撮影すること。
- ARIA-EおよびARIA-Hを発現した患者における投与の推奨は、臨床症状および画像判定による重症度によって異なる。ARIAの重症度に応じて、「LEQEMBI」の投与を継続するか、一時的に中断するか、あるいは中止するかは、臨床的に判断すること。
- 「LEQEMBI」による治療開始後14週間は、特に注意深く患者の状態を観察することが推奨される。ARIAを示唆する症状がみられた場合は、必要に応じてMRIを含む臨床評価を実施すること。MRIでARIAが観察された場合、投与を継続する前に慎重な臨床評価を行うこと。
- 症候性ARIA-E、もしくは無症候でも画像判定によって重度のARIA-Eとされた場合に投与を継続した経験はない。無症候でも画像判定によって軽度から中等度のARIA-Eとされた場合に投与を継続した症例に関する経験は限られている。ARIA-Eの再発症例への投与データは限られている。
ARIAの発現率
- Clarity AD試験において、「LEQEMBI」投与群の3%(29/898例)に症候性ARIAが発現した。「LEQEMBI」投与群でARIAに伴う重篤な症状が0.7%(6/898例)で生じた。ARIAに関連する症状は、観察期間中に患者の79%(23/29例)で消失した。
- 画像上の無症候性ARIAを含めると、ARIAの発現率は「LEQEMBI」投与群の21%(191/898例)、プラセボ投与群の9%(84/897例)であった。ARIA-Eは、「LEQEMBI」投与群の13%(113/898例)、プラセボ投与群の2%(15/897例)で観察された。ARIA-Hは、「LEQEMBI」投与群の17%(152/898例)、プラセボ投与群の9%(80/897例)で観察された。プラセボと比較して、「LEQEMBI」投与によるARIA-Hのみの発現率の増加は認められなかった。
ApoEε4保有ステータスとARIAのリスク
- Clarity AD試験では、「LEQEMBI」投与群の16%(141/898例)がApoEε4ホモ接合体保有者、53%(479/898例)がヘテロ接合体保有者、31%(278/898例)が非保有者であった。
- ARIAは、ApoEε4ホモ接合体保有者(「LEQEMBI」:45%、プラセボ:22%)において、ヘテロ接合体保有者(「LEQEMBI」:19%、プラセボ:9%)および非保有者(LEQEMBI:13%、プラセボ:4%)よりも高い発現率を示した。「LEQEMBI」投与を受けた患者において、症候性ARIA-Eは、ApoEε4ホモ接合体保有者の9%、ヘテロ接合体保有者の2%、非保有者の1%に認められた。重篤なARIAはApoEε4ホモ接合体保有者の3%、ヘテロ接合体保有者と非保有者でそれぞれ約1%で認められた。
- ARIAの管理に関する推奨事項は、ApoEε4保有者と非保有者で違いはない。
画像による所見
- 画像による判定では、ARIA-Eの多くは治療初期(最初の7回投与以内)に発現したが、ARIAはいつでも発現し、複数回発現する可能性がある。「LEQEMBI」による治療を受けた患者における画像によるARIAの重症度は、軽度4%(37/898例)、中等度7%(66/898例)、重度1%(9/898例)であった。ARIA-Eは、12週までに52%、17週までに81%、全体で100%の患者で画像上で消失した。「LEQEMBI」投与によるARIA-H微小出血の画像による重症度は、軽度9%(79/898例)、中等度2%(19/898例)、重度3%(28/898例)であり、脳表ヘモジデリン沈着症は軽度4%(38/898例)、中等度1%(8/898例)、重度0.4%(4/898例)であった。「LEQEMBI」投与による画像による重度ARIA-Eの発現率は、APOE4ホモ接合体保有者において最も高く、5%(7/141例)であり、ヘテロ接合体保有者で0.4%(2/479例)、非保有者で0%(0/278例)であった。「LEQEMBI」投与による画像による重度ARIA-Hの発現率は、APOE4ホモ接合体保有者において最も高く、13.5%(19/141例)であり、ヘテロ接合体保有者で2.1%(10/479例)、非保有者で1.1%(3/278例)であった。
脳内出血
- 直径1cmを超える脳内出血は、Clarity AD試験ではプラセボ投与群では0.1%(1/897例)であったのに対し、「LEQEMBI」投与群では0.7%(6/898例)であった。「LEQEMBI」投与患者における脳内出血による致死的事象が報告されている。
抗血栓薬の併用:
- Clarity AD試験において、抗血栓薬(アスピリン、その他の抗血小板薬、抗凝固薬)の使用は、ベースラインで患者が安定した用量を服用している場合に許可された。患者が使用した抗血栓薬のほとんどはアスピリンであった。抗血栓薬は「LEQEMBI」によるARIAのリスクを増加させなかった。脳内出血の発生率は、発生時に抗血栓薬を併用した「LEQEMBI」投与群では0.9%(3/328例)であったのに対し、抗血栓薬を併用しなかった群では0.6%(3/545例)であった。「LEQEMBI」を抗凝固薬単独または抗血小板薬もしくはアスピリンと併用した患者では、脳内出血の発生率は2.5%(2/79例)であったのに対し、プラセボを投与された患者では発生しなかった。
- 「LEQEMBI」と抗凝固薬を併用している患者で直径1cmを超える脳内出血が観察されているため、すでに「LEQEMBI」による治療を受けている患者に抗凝固薬または血栓溶解薬(組織プラスミノーゲンアクチベーターなど)の投与を検討する場合は、注意が必要である。
脳内出血のその他の危険因子: - 脳アミロイド血管症を示唆する所見(直径1cm以上の脳出血の既往、4個を超える微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、血管原性浮腫)や、脳内出血のリスクを高める可能性のあるその他の病変(動脈瘤、血管奇形)といった、脳内出血のリスク上昇を示す神経画像所見が認められた患者はClarity AD試験への登録から除外された。ApoEε4対立遺伝子の存在は、脳内出血のリスクを高める脳アミロイド血管症とも関連している。脳内出血のリスク上昇を示す因子を有する患者、特に抗凝固療法を必要とする患者に対して「LEQEMBI」の使用を検討する際には注意が必要である。
過敏反応
血管浮腫、気管支痙攣、アナフィラキシーを含む過敏症反応が「LEQEMBI」を投与された患者で発生した。過敏症反応に一致する徴候や症状が最初に認められた場合は、速やかに点滴を中止し、適切な治療を開始する。
INFUSION REACTION
- Clarity AD試験では、Infusion reactionは「LEQEMBI」投与群の26%(237/898例)、プラセボ投与群の7%(66/897例)で認められ、「LEQEMBI」投与群では症例の大部分(75%、178/237例)は最初の投与で発生した。Infusion reactionの重症度は、ほとんどが軽度(69%)または中等度(28%)であった。「LEQEMBI」を投与患者の1%(12/898例)において、infusion reactionにより投与が中止された。Infusion reactionの症状には、発熱、インフルエンザ様症状(悪寒、全身の痛み、ふるえ、関節痛)、悪心、嘔吐、低血圧、高血圧、酸素欠乏症があった。
- Infusion reactionが発生した場合には、注入速度を下げ、あるいは注入を中止し、適切な処置を開始する。抗ヒスタミン薬、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ホルモンによる予防的治療が検討される場合がある。
副作用
- Clarity AD試験において、「LEQEMBI」投与中止に至った最も一般的な副作用はARIA-H(微小出血)であり、「LEQEMBI」投与群の2%(15/898例)に対し、プラセボ投与群は1%未満(1/897例)であった。
- Clarity AD試験において、「LEQEMBI」投与群(N=898)の5%以上で報告され、プラセボ投与群(N=897)より2%以上高い発生率であった主な副作用は、Infusion reaction(「LEQEMBI」:26%、プラセボ:7%)、ARIA-H(「LEQEMBI」:14%、プラセボ:8%)、ARIA-E(「LEQEMBI」:13%、プラセボ:2%)、頭痛(「LEQEMBI」:11%、プラセボ:8%)、中枢神経系の表在性シデローシス(「LEQEMBI」:6%、プラセボ:3%)、発疹(「LEQEMBI」:6%、プラセボ:4%)、および悪心・嘔吐(「LEQEMBI」:6%、プラセボ:4%)であった。
本件に関する報道関係お問い合わせ先
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エーザイ株式会社
PR部
TEL:03-3817-5120
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バイオジェン・インク
パブリック アフェアーズ
<参考資料>
- 1. レカネマブについて
レカネマブ(一般名、米国ブランド名:「LEQEMBI®」)は、BioArctic AB(本社:スウェーデン、 以下 バイオアークティック)とエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。米国において、「LEQEMBI」は、アルツハイマー病(AD)の疾患修飾を適応症とする抗アミロイド抗体で、2023年1月6日に米国食品医薬品局(FDA)より迅速承認を取得し、同年7月6日にフル承認を取得しました。「LEQEMBI」による治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度認知症の当事者様において開始する必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性のデータはありません。
レカネマブについては、日本、欧州(EU)、中国、カナダ、英国(北アイルランドを除く)、韓国においても、それぞれ承認申請を行っています。日本と中国においては優先審査に、英国(北アイルランドを除く)においては、革新的な医薬品について上市までの時間を短縮することを目的としたILAP(Innovative Licensing and Access Pathway)に指定されています。
レカネマブの皮下注射によるバイオアベイラビリティ試験は終了し、Clarity AD試験OLEにおいて皮下投与の評価が進行中です。
2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health傘下のNational Institute on Agingによる資金提供を受けています。
また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。
- 2. エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
- 3. エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について
2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療薬の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。
- 4. エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントTwitter、LinkedIn、Facebookでも情報公開しています。
- 5. バイオジェン・インクについて
1978年に設立されたバイオジェンは、多発性硬化症の広範なポートフォリオを有し、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化し、アルツハイマー病の病理に作用する二つの治療薬を共同開発するなど、数多くの革新的なイノベーションを生み出したグローバル・バイオテクノロジー企業です。バイオジェンは神経、神経精神、特定の免疫、希少疾患といった領域において画期的な治療となりうるパイプラインを進展させ、サイエンスを通じて人々に貢献するという理念を厳格に追求し、人々がより健康的に、持続可能で平等に生きていける世界となるよう取り組んでいます。
バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。
Biogen Safe Harbor
This news release contains forward-looking statements, including statements made pursuant to the safe harbor provisions of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995, about the potential clinical effects of lecanemab; the potential benefits, safety and efficacy of lecanemab; potential regulatory discussions, submissions and approvals and the timing thereof; the treatment of Alzheimer’s disease; the anticipated benefits and potential of Biogen’s collaboration arrangements with Eisai; the potential of Biogen’s commercial business and pipeline programs, including lecanemab; and risks and uncertainties associated with drug development and commercialization. These statements may be identified by words such as “aim,” “anticipate,” “believe,” “could,” “estimate,” “expect,” “forecast,” “intend,” “may,” “plan,” “possible,” “potential,” “will,” “would” and other words and terms of similar meaning. Drug development and commercialization involve a high degree of risk, and only a small number of research and development programs result in commercialization of a product. Results in early-stage clinical studies may not be indicative of full results or results from later stage or larger scale clinical studies and do not ensure regulatory approval. You should not place undue reliance on these statements or the scientific data presented.
These statements involve risks and uncertainties that could cause actual results to differ materially from those reflected in such statements, including without limitation unexpected concerns that may arise from additional data, analysis or results obtained during clinical studies, including the Clarity AD clinical trial and AHEAD 3-45 study; the occurrence of adverse safety events; risks of unexpected costs or delays; the risk of other unexpected hurdles; regulatory submissions may take longer or be more difficult to complete than expected; regulatory authorities may require additional information or further studies, or may fail or refuse to approve or may delay approval of Biogen’s drug candidates, including lecanemab; actual timing and content of submissions to and decisions made by the regulatory authorities regarding lecanemab; uncertainty of success in the development and potential commercialization of lecanemab; failure to protect and enforce Biogen’s data, intellectual property and other proprietary rights and uncertainties relating to intellectual property claims and challenges; product liability claims; third party collaboration risks; and the direct and indirect impacts of the ongoing COVID-19 pandemic on Biogen’s business, results of operations and financial condition. The foregoing sets forth many, but not all, of the factors that could cause actual results to differ from Biogen’s expectations in any forward-looking statement. Investors should consider this cautionary statement as well as the risk factors identified in Biogen’s most recent annual or quarterly report and in other reports Biogen has filed with the U.S. Securities and Exchange Commission. These statements are based on Biogen’s current beliefs and expectations and speak only as of the date of this news release. Biogen does not undertake any obligation to publicly update any forward-looking statements, whether as a result of new information, future developments or otherwise.