ブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール
「CogMate™」を台湾と香港において新発売

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、当社の台湾の医薬品販売子会社である衛采製薬股份有限公司と香港の医薬品販売子会社であるEisai(Hong Kong)Co., Ltd.が、ブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール「CogMate™」(日本製品名「のうKNOW®」、非医療機器)を新発売したことをお知らせします。台湾と香港においては、両子会社が、自治体や企業等の法人向けに販売します。今回の新発売は、アジア地域(日本を除く)における最初の「CogMate」の発売となり、今後シンガポール等、発売国の拡大を予定しています。

 

 「CogMate」は、Cogstate Ltd.(本社:オーストラリア)が創出したアルゴリズムに基づき、当社が日本で開発し、発売しているブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール「のうKNOW」(非医療機器)を海外仕様に多言語化したものです。アジア地域用として、中国語(繁体字)、英語などを準備しています。

 パソコンやタブレットおよびスマートフォンを用いた簡便なトランプテストによって、脳の反応速度、注意力、視覚学習および記憶力を評価する4つのチェックを行い、ブレインパフォーマンスを定量的に測定します。利用者がご自身でかつ短時間(約15分)で測定することができ、日常生活や健診等において、定期的なセルフチェックが可能です。測定結果を示す画面には、「記憶する」「考える」「判断する」などのブレインパフォーマンスを定量化した指標(「ブレインパフォーマンスインデックス(BPI)」)と生活習慣においてブレインパフォーマンスを維持するためのアドバイスが表示されます。

 

 アジアにおいては、近年、急速に高齢化が進んでおり、認知症の当事者様数は年々増加することが予測され、医療費に加え、ご家族や社会的負担が大きいことが社会的課題となっています。

 当社は、「CogMate」の発売を機に、アジアにおける認知症との共生と予防を実現するエコシステムの構築に向けて、ブレインパフォーマンスの維持・向上を図るためのセルフチェックと予防行動を支援していきます。当社は引き続き、認知症の当事者様のみならず一般生活者の皆様も含めたThe Peopleに対して、認知症に関わる憂慮を取り除くためのソリューションをお届けすることに注力してまいります。

 

以上

 

<参考資料> 

1. 「CogMate」/「のうKNOW」について

 当社は、Cogstate Ltd.(以下 Cogstate社)が開発した「Cogstate Brief Battery™」(以下 CBB)を含む全ての認知機能テストについて、医療用・非医療を問わず、全世界における開発権および独占的商業化権を有しています。CBBは、豊富な使用実績と高いエビデンスを有する認知機能のセルフチェックが可能なデジタルツールです。精神運動機能、注意、作動記憶および視覚学習を評価する4項目から構成されています。世界55か国以上で活用されており、国内外の産官学連携による研究においても採用されています。CBBは、視覚学習と作業記憶のチェックから算出された記憶力のスコアにおいて、認知機能低下群を感度1 80.4%、特異度2 84.7%という高い確率で検出することができました3。また、米国、欧州、オーストラリア、ニュージーランドでは、CBBに医療従事者向けの専門的なフィードバック機能を追加したCognigram™が医療機器として承認され(開発:Cogstate社)、医師などの医療関係者による軽度認知障害(MCI)や認知症の診察や診断の際に使用されています。

 日本においては、個人の日常生活における生活習慣の見直しや予防行動の実践に向けたブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール(非医療機器)として開発し、2020年3月より「のうKNOW」の製品名で発売しています。「CogMate」は「のうKNOW」を海外仕様に多言語化したものです。

 「のうKNOW」の詳細情報は、https://nouknow.jp/をご覧ください。

 

1問題がある人をきちんと問題ありと検出できるかどうかを示した指標。

2問題ない人をきちんと問題なしと検出できるかどうかを示した指標。

3 Maruff, P., Lim, Y. Y., Darby, D., Ellis, K. A., Pietrzak, R. H., Snyder P. J., Bush, A. I., Szoeke, C., Schembri, A., Ames, D., Masters, C. L., & the AIBL Research Group (2013). Clinical utility of the Cogstate brief battery in identifying cognitive impairment in mild cognitive impairment and Alzheimer’s disease. BMC Pharmacology & Toxicology, 1:30

 

「CogMate」の測定結果画面イメージ(台湾バージョン)