アルツハイマー病患者様のADUHELM™へのアクセス支援を開始

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、「ADUHELMTM(一般名:アデュカヌマブ)」について、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めてかつ唯一のAD治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)により迅速承認されたことを受け、バイオジェン(Nasdaq: BIIB、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)と当社米国子会社エーザイ・インクが、十分な医療サービスを受けていない人々を含む本剤治療対象となる全ての患者様が治療アクセスを確保できるよう様々なプログラムを発表しましたので、日本語訳として以下の通り発表します。

 

 

(バイオジェンとエーザイ・インクによるリリース)

 

 

アルツハイマー病患者様のADUHELMTMへの多様なアクセス支援を開始

患者様とご家族のための治療へのアクセスに関する様々な支援プログラムが利用可能に
医療サービスを十分に受けていないコミュニティにおける格差解消を企図して、退役軍人保健局、CVS HealthおよびNAFCとの連携
バリューベースの契約についてCigna等の支払者と協議中

2021年6月8日 –バイオジェン(Nasdaq: BIIB、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)とエーザイ株式会社の米国子会社エーザイ・インクは、ADUHELMTM(一般名:アデュカヌマブ)が脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めてかつ唯一のAD治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)により迅速承認されたことを受け、十分な医療サービスを受けていない人々を含む本剤治療対象の全ての患者様が治療へのアクセスを確保できるように支援する様々なプログラムを発表しました。これらの取り組みは、患者様とそのご家族の疾患理解や適切な診断プロセス、文化的配慮のあるケア、および治療アクセスの確保に役立つことを目的としています。

 

バイオジェン U.S.のプレジデントであるAlisha Alaimoは「私たちは、本日のADUHELMのFDA承認というADと共に生きる方々とそのご家族にとっての希望を現実のものにする大きな目的と責任を感じています。私たちにとってアクセスの確保と健康格差解消に向けた取り組みは最優先事項であり、本剤の治療による恩恵を受ける可能性のある患者様ができるだけ早く治療を受けられるよう、多くのステークホルダーと継続して協力してまいります」と述べています。

 

エーザイ・インクのチェアマン兼エーザイ株式会社ニューロロジービジネスグループ プレジデントであるIvan Cheungは「ADUHELMは、ADの新しい治療法として、米国において約20年振りに承認された薬剤であり、当神経変性疾患を患っている当事者様とご家族に長く待ち望んでいた希望をもたらします。エーザイとバイオジェンにとって、様々なアクセスプログラムを確立するとともに、社会的サービスが十分行き届いていない患者様コミュニティに如何に本剤をお届けするかは極めて重要です」と述べています。

 

患者様サービスの開始

患者様とご家族に個別サポートを提供する「Personal Biogen Support Service Coordinators」が、利用可能となりました。本サービスは、ADやADUHELM治療、治療対象の患者様に対する経済的支援オプションの評価、医療提供者やインフュージョンセンターの紹介等に関するご質問・ご要望にお答えします。Biogen Support Coordinatorへのお問い合わせは(1-833-425-9360)にご連絡ください。

 

また、バイオジェンとエーザイはADの診断支援として、医師、患者様の脳脊髄液(CSF)診断検査へのアクセスをサポートするためのプログラムをLabcorpおよびMayo Clinic Laboratoriesとともに開始しました。

  

  

健康格差解消に向けたコラボレーション

バイオジェンとエーザイは、特にADの高い罹患リスクにありながら、十分なサービスを受けられておらず、平等に取り上げられていない人々の健康格差の問題に取り組んでいきます。黒人/アフリカ系アメリカ人とラテン系アメリカ人は、非ヒスパニック系白人アメリカ人と比較して、ADを発症する可能性が非常に高くなっており、また診断されずに見逃される可能性も高くなっています。また、民族の多様性のある米国退役軍人の人々も、役務の結果として、心的外傷後ストレス障害、外傷性脳損傷などを含むADのリスクの増加に直面しています。

 

バイオジェンは、退役軍人保健局(VHA)による医療システムを通じて退役軍人の方々の治療アクセスをサポートするために、VHAとの複数年契約の締結に向けた最終化を進めています。VHAは、米国で最大の統合医療システムです。900万人の退役軍人が加入し、その約48%は65歳以上です。

 

また、バイオジェンは、CVS Healthと脳の健康やスクリーニング、疾患教育の重要性に焦点を当てた取り組みを開始しました。本取り組みの一環として、特に人種および民族の多様性が高いコミュニティにおける保険加入者と非加入者のケアの格差に長年対処している健康サービスプログラムであるCVS Healthの「Project Health」を通じて、認知機能のスクリーニングを開始します。患者様とその介護者は、個別のスクリーニング結果について、オンサイトで医療提供者に相談することができます。このプログラムは、9月に、アトランタ、ボストン/プロビデンス、シャーロット、チャールストン/コロンビア、シカゴ、ダラス/フォートワース、デトロイト、ヒューストン、ジャクソン/メンフィス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨークシティー、フィラデルフィア、ワシントンDCで開始される予定です。

 

CVS Caremark のChief Medical Officerである Sree Chaguturu 医師は「最適な医療の提供には複数のステークホルダーが協力する必要があります。私たちは米国の健康格差の是正に取り組んでおり、この新しい取り組みは、私たちが培ってきたアセットと強みを活用し、この課題に対して大きな影響を与えることができる一例です」と述べています。

 

さらに、バイオジェンは、十分な医療サービスを受けられていない人々がアフォーダブルで高質な医療にアクセスできるように取り組んでいる全米1,400のクリニックネットワークであるThe National Association of Free and Charitable Clinics (NAFC)と連携していきます。両者は、NAFC 加盟 クリニック ネットワーク内の患者様と医療提供者向けに、ブレイン ヘルスや多様な文化に配慮したADの疾患教育をサポートするプログラムを共同で開発する予定です。

 

NAFCのPresident and Chief Executive OfficerであるNicole Lamoureux氏は「脳の健康は、健康と生活の重要なパートですが、米国の多くの人々が医療制度の狭間により、必要な情報や医療アクセスを得られていません。全米の弱い立場にあるコミュニティに対する信頼できる情報源として、バイオジェンと協力し、NAFC加盟のクリニックに対してADの教育と援助を行うことができることを誇りに思います」と述べています。

 

 

費用、保険の適用範囲、自己負担支援、およびCignaとの薬剤価値に基づく契約

現在、ADは、患者様、介護者、そして社会全体にとって多大な経済的負担となっており、2020年には米国で1千1百万人以上の人が153億時間の無報酬の介護を提供しています。米国でADやその他の認知症にかかる年間の介護費用は、6,000億ドル以上に上ります。AD患者様の生涯ケアには、患者様1人あたり約 500,000 ドルの費用がかかると推定されており、これは主に患者様のご家族が自己負担しています。

 

バイオジェンは、革新、アクセス、持続可能性などの重要な原則を反映し、ADUHELMが患者様、介護者、社会にもたらすと期待される全体的な価値に基づき、その価格を設定しました。4週間に1回の投与であるADUHELMの卸業社購入価格(WAC)は、米国の軽度認知障害(MCI)または軽度認知症患者様の平均体重である74 kgに対して1回投与あたり4,312ドルです。維持投与量(10 mg/kg)での年間コストは56,000ドルになります。漸増投与期間により、治療初年度の費用は低減されます。WACは、リストプライスであり、正味価格や患者様が保険を用いて支払う価格ではありません。保険に加入している患者様の自己負担額は、保険の適用範囲によって異なります。

 

バイオジェンとエーザイは、さまざまな経済状況の患者様にADUHELMへのアクセスを提供することに取り組んでいます。民間保険に加入されており、経済的支援対象となるADUHELM患者様の場合、自己負担支援および点滴投与技術料支援プログラムにより、自己負担額は無料レベルまで低減される可能性があります。メディケア アドバンテージ プラン加入の患者様には、年間自己負担上限があります。典型的な診療ごとの個別支払い形式のメディケア加入者の多くは、自己負担を制限する二次補償(例:メディケイドまたは補完的なメディギャップ プラン)を保有しています。メディケイド加入の患者様は最小限の自己負担となります。

 

ADUHELMは、アミロイド病理が確認された早期AD(MCIおよび軽度認知症)患者様を対象に試験が実施されました。バイオジェンとエーザイは、米国において、臨床的にADが原因と疑われるMCIまたは軽度認知症と診断された約100~200万人が、潜在的にアミロイドβの病理を有するだろうと推定しています。

 

バイオジェンとエーザイは、支払者と連携して、ADUHELMの上市における患者様のアクセス支援のための準備を行ってきました。その一環として、バイオジェンは、ADUHELMの臨床試験における対象者と同様な患者様が速やかに治療にアクセスできるよう、グローバルなヘルスサービス企業であるCignaとバリューベースの契約を締結する予定です。バイオジェンとCignaは、患者様のアウトカム指標の達成度についてもトレースします。

 

Cigna のExecutive Vice President and Chief Medical Officer であるDr. Steve Miller氏は「ADは、患者様、介護者、社会全体に多大な負担を強いています。米国におけるインフラの既知の課題を考慮して、この新しい治療法から最も恩恵を受ける患者様が治療にアクセスするための明確な道筋を確保できるように取り組んでいきます」と述べています。

 

バイオジェンとエーザイは、今後4年間はADUHELMの価格を変更しません。

 

経済的理由からADUHELMの入手が困難な患者様は、経済的支援プログラムを利用可能です。詳細については、Biogen Support Services(1-833-425-9360)にお問い合わせください。

 

ADUHELM適応症

アルツハイマー病患者の治療

 

重要な安全性情報

患者様がADUHELMについて知っておくべき最も重要な情報は何ですか?

ADUHELMは、次のような重篤な副作用を引き起こす可能性があります。アミロイド関連画像異常(ARIA)は、通常は症状を引き起こさない一般的な副作用ですが、重篤になる場合があります。これは、通常、時間の経過とともに減少する脳内の一時的な浮腫として最も一般的に見られます。一部の人々は、浮腫とともに脳の中または表面上に小さな出血の斑点ができることもあります。脳に浮腫がある人はほとんど症状がありませんが、頭痛、錯乱、めまい、視力の変化、吐き気などの症状が現れる人もいます。患者様への医療提供者は、ADUHELMによる治療前と治療中に磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを行い、ARIAをチェックします。

上記の症状のいずれかがある場合、患者様はすぐに医療提供者に電話するか、最寄りの病院の救急治療室に行く必要があります。

    

ADUHELMによる治療を受ける前に、患者様は次のような場合を含め、すべての病状について医療提供者に伝える必要があります。妊娠している、あるいは計画している方、母乳育児しているあるいはその計画が有る方。ADUHELMが胎児に害を与えるかどうか、またはアデュカヌマブ (ADUHELMの有効成分)は母乳に移行するかどうかは分かっていません。

     

ADUHELMで起こりうる副作用は何ですか?ADUHELMは、次のような深刻な副作用を引き起こす可能性があります。上記の「患者様がADUHELMについて知っておくべき最も重要な情報は何ですか?」を参照してください。

     

深刻なアレルギー反応。ADUHELM投与中に、顔、唇、口、または舌の腫れとじんましんが発生しました。患者様は、ADUHELM投与中または投与後に深刻なアレルギー反応の症状が見られた場合は、担当の医療提供者に報告する必要があります。

       

ADUHELMの最も一般的な副作用には、脳内または脳の表面に小さな出血の斑点がある場合とない場合の脳の浮腫(ARIA)、頭痛と転倒があります。患者様は、副作用に関する医学的アドバイスについて医療提供者に電話する必要があります。患者様は1-800-FDA-1088により、FDAに副作用を報告することができます。

 

米国における処方情報投薬ガイドはこちらから入手できます。

 

ADUHELM(aducanumab-avwa)について

ADUHELM(一般名:アデュカヌマブ)は、ヒトモノクローナル抗体で、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めてかつ唯一の治療薬です。ADUHELMは、ADの治療を適応症としています。本適応症はADUHELMによる治療を受けた患者様のアミロイドβプラークの減少に基づき迅速承認されました。なお、当迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。ADUHELMは、共同開発ライセンス契約に基づき2007年にNeurimmune社から導入されました。2017年10月より、バイオジェンとエーザイは全世界的にADUHELMの開発ならびに製品化を共同で実施しています。

処方に関する情報は、こちらまたはwww.ADUHELM.comより入手できます。

 

アルツハイマー病(AD)について

ADは進行性の神経学的状態であり、思考、記憶、および自立性を損ない、早死に至ります。この病気は世界的な健康危機の拡大であり、この病気とともに生きる人々とその家族に影響を及ぼしています。世界保健機関(WHO)によると、世界中で3千万人以上がADに罹患しており、その数は今後数年で増加し、ADの管理に必要な医療リソースを上回り、数十億ドルの費用がかかります。

ADは、患者様が病気の症状を示す約20年前に始まる、有毒なアミロイドβプラークの異常な蓄積を含む脳の変化を特徴としています。ADによる軽度認知障害は、症状がより目立ち始め、検出および診断できる病気の最も早い症候性段階の1つです。

ADの詳細については、www.ItsTimeWeKnow.comをご覧ください。

     

バイオジェンについて

バイオジェンでは、私たちの使命は明確です。私たちは神経科学のパイオニアです。バイオジェンは、深刻な神経疾患や神経変性疾患、および関連する治療的隣接疾患を抱える人々のために、世界規模で革新的な治療法を発見、開発、提供しています。世界初のグローバルバイオテクノロジー企業の1つであるバイオジェンは、1978年にチャールズワイスマン、ハインツシャーラー、ケネスマレー、ノーベル賞受賞者のウォルターギルバートとフィリップシャープによって設立されました。今日、Biogenは多発性硬化症を治療するための医薬品の主要なポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の承認された治療法を導入し、高度な生物学的製剤のバイオ類似体を商品化し、多発性硬化症と神経免疫学、ADと認知症、神経筋障害の研究プログラムの推進に焦点を当てています、運動障害、眼科、神経精神医学、免疫学、急性神経学、および神経因性疼痛。

当社は、投資家にとって重要と思われる情報を当社のWebサイトwww.biogen.comに定期的に掲載しています。TwitterLinkedInFacebookYouTubeなどのソーシャルメディアでフォローしてください。

      

Eisai Inc.について

Eisai Inc.では、ヒューマンヘルスケア(hhc)を目標としています。私たちは患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献します。東京に本拠を置くエーザイ株式会社の米国製薬子会社として、アンメット・メディカル・ニーズに対応する革新的な治療法を発見および開発する取り組みの原動力である患者ケアに情熱を注いでいます。

エーザイは、がん領域と神経領域(認知症関連疾患と神経変性疾患)の2つのグローバルビジネスグループで事業を展開する、完全に統合された製薬企業です。米国本社、商業および臨床開発組織はニュージャージーにあります。私たちの探索研究所はマサチューセッツ州とペンシルベニア州にあります。私たちのグローバルなデマンドチェーン組織は、メリーランド州とノースカロライナ州にあります。Eisai Inc.の詳細については、http://www.eisai.com/USにアクセス、もしくは、TwitterおよびLinkedInでフォローしてください。

 

Biogen Safe Harbor

This news release contains forward-looking statements, including statements made pursuant to the safe harbor provisions of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995, the potential clinical effects of ADUHELM; the potential benefits, safety and efficacy of ADUHELM; Biogen’s strategy and plans; potential of, and expectations for, Biogen’s commercial business and pipeline programs, including ADUHELM; planning and timing for the commercial launch of, and access to, ADUHELM; anticipated manufacturing, distribution, and supply of ADUHELM; the treatment of Alzheimer’s disease; the anticipated benefits and potential of Biogen’s collaboration arrangements with Eisai; the potential of Biogen’s commercial business and pipeline programs, including ADUHLEM; and risks and uncertainties associated with drug development and commercialization. These statements may be identified by words such as “aim,” “anticipate,” “believe,” “could,” “estimate,” “expect,” “forecast,” “intend,” “may,” “plan,” “possible,” “potential,” “will,” “would” and other words and terms of similar meaning. Drug development and commercialization involve a high degree of risk, and only a small number of research and development programs result in commercialization of a product. Results in early stage clinical trials may not be indicative of full results or results from later stage or larger scale clinical trials and do not ensure regulatory approval. You should not place undue reliance on these statements or the scientific data presented.

 

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