エーザイとJD Health 中国における健康サービスプラットフォーム構築に向けた合弁会社を設立中国の認知症当事者に向けたワンストップオンラインサービスによる新たな貢献をめざす

エーザイ株式会社

京東健康

   

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)と京東健康(本社:中国北京市、CEO:辛利軍、以下 JD Health)は、このたび、エーザイの中国子会社である衛材(中国)投資有限公司(中国江蘇省蘇州市、以下 エーザイ中国)とJD Healthが中国国内における高齢者向けの健康サービスプラットフォーム構築をめざす合弁会社「京颐衛享(上海)健康産業発展有限公司(Jingyi Weixiang(Shanghai)Health Industry Development Limited Company)」を設立したことをお知らせします。

 

 中国では高齢化が進展しており、2019年末時点での60歳以上の高齢者人口は、総人口の18.1%にあたる2億5388万人に上ります1。急速な高齢化に伴い、高齢者向けの高質な医療・介護に対するニーズが高まっており、その提供が課題となっています。一方、2012年からは民間医療保険下でのオンライン病院が解禁されるなど、デジタル技術を活用した医療分野におけるオンライン化が急速に発展しています2

 エーザイは、アルツハイマー病/認知症領域分野における35年以上の創薬活動の経験と豊富な開発パイプライン、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト®」の販売を通して獲得した認知症当事者やご家族の真のニーズに対する理解に加え、認知症専門医を含む医療関係者とのネットワークを有しています。JD Healthは、強固なeコマースビジネス基盤、インターネット医療サービスのノウハウおよび広大な中国の99%をカバーする物流インフラを有しています。このたび、JD Healthが51%、エーザイ中国が49%を出資して両社の強みを統合した合弁会社を中国に設立し、中国国内に向けた多様な情報・医療サービスから自身に最適なサービスを選択・利用できる高齢者向けの新たなワンストップ健康サービスプラットフォームの構築をめざします。まずは、認知症を対象としたプラットフォームを構築し、将来的に、高齢者に多くみられる幅広い疾患に拡大していく予定です。

 

 本ワンストップ健康サービスプラットフォームは、中国国内において、以下の4つを柱とするサービスを主にオンライン上で提供する予定です。2021年1月以降、許認可の取得など事業準備が整ったサービスより、順次提供を開始する予定です。

    

  • コミュニティサービス:
    認知症の疾患啓発・早期発見を目的として、エーザイが有する認知症の疾患啓発に関する情報に加えて、認知機能のセルフチェックや、認知症予防行動の実施・習慣化に向けたツールを、インターネット上のプラットフォームを介して提供します。また、認知症当事者を介護する皆様を対象に、当事者や介護者の皆様同士によるコミュニケーションの場、メンタルヘルスに関する相談窓口およびカウンセリングを受けられる機会を提供し、介護者の皆様が持つ不安、悩みの解消や心のケアに対する支援をめざします。
  •  医療サービス:

    認知機能に不安を持つ方や認知症当事者に対して、プラットフォームに登録されたインターネット医療サービスを提供する医療機関を紹介し、オンラインによるヘルスケア相談、診察の予約、診察、治療(医薬品の処方からお届けまでを含む)を提供します。認知機能に関する早期の医療相談や診療につなげるとともに、スムーズに診察から治療までのサービスの提供を受けられるよう支援します。

  • 介護サービス:
    中国の主要な介護施設グループと連携し、対応地域、費用などのリクエストに応じて、認知症当事者とそのご家族が求める最適な介護施設、介護士を紹介します。利用後の評価情報についても蓄積することでさらなる情報の充実につなげます。また、認知症当事者のご家族を含む介護者の皆様に対しては、医療従事者による介護に役立つアドバイス、介護技術習得につながる教育プログラムおよびトレーニングといった幅広いサービスを提供します。プラットフォーム上で介護サービスに関する充実した情報を提供することによって、介護を利用する側と提供する側の双方のニーズを高いレベルで満たしていくことをめざしています。
  • モールサービス:
    医薬品、ヘルスケア用品、認知症当事者向け生活支援デバイスについて、高齢者ビッグデータから分析された認知症当事者の消費ニーズに基づいてオンライン販売を行います。さらに、認知機能や要介護の程度などの認知症当事者の状態に合わせて、必要とされる可能性の高い製品がオンライン販売画面上にカスタマイズされて提案されます。 

 エーザイとJD Healthは、両社のナレッジやネットワークを活用し、中国において、高齢者、特に認知症当事者とそのご家族に特化した医療、健康、生活サービスを提供する新たなワンストップ健康サービスプラットフォームを構築することで、中国における医療ニーズの充足に一層貢献してまいります。

   

以上

 

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • エーザイ株式会社

    PR部

    TEL:03-3817-5120

  • 京東健康

    広報部

    TEL:+86-010-89113221

<参考資料>

1. 合弁会社の概要

会社名: 京颐衛享(上海)健康産業発展有限公司(Jingyi Weixiang (Shanghai) Health Industry Development Limited Company)
所在地: 中国上海市
代表者: 董事長 ヤンホイ・フェン(エーザイ中国)
総経理 金恩林(JD Health)
事業内容: 医薬品、医療機器の販売・開発、病院管理(診療サービスを含む)、健康管理、健康コンサルティングなど
資本金: 80百万人民元
株式保有率: JD Health 51%、エーザイ中国 49%
従業員数: 約50人
設立日: 2020年10月19日

2. エーザイ株式会社について

 エーザイ株式会社は、本社を日本に置くグローバル製薬企業です。当事者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)・コンセプト」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。

 

3. エーザイの中国事業展開について

 エーザイの中国ビジネスは、25年以上にわたる歴史を有しています。1991年に合弁会社において事業を開始し、1996年には製造、販売機能を持つ100%子会社の「衛材(蘇州)製薬有限公司(Eisai China Inc.)」(現「衛材(中国)薬業有限公司(Eisai China Inc.)」)を設立し、2010年には導入品の直接輸入などのため「衛材(蘇州)貿易有限公司(Eisai(Suzhou)Trading Co., Ltd.)」を設立しました。また、2015年12月には、「衛材(遼寧)製薬有限公司(Eisai(Liaoning)Pharmaceutical Co., Ltd.)」を買収し、高品質なジェネリック医薬品を安定的に供給することにより、中国における医療ニーズを充足することを目的に、ジェネリック医薬品事業に参入しました。これら3社を、「衛材(中国)投資有限公司(Eisai China Holdings Ltd.、2014年12月設立)」が統括しています。中国事業では、主力品として、パーキンソン病治療剤「Eldepryl®」、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト®」、末梢性神経障害治療剤「メチコバール®」、肝臓疾患用剤・アレルギー用剤「強力ネオミノファーゲンシー®/グリチロン®錠」、プロトンポンプ阻害剤「パリエット®」、抗てんかん剤「フィコンパ®」、抗がん剤「レンビマ®」および「ハラヴェン®」などを販売しています。

 

4. 京東健康(JD Health)について

 JD Healthは、京東集団(JD Group)の子会社として医療およびヘルスケアサービスの提供を専門としています。2019年5月からは、JD Groupから独立して事業を開始しました。現在、JD Healthの事業範囲は、医薬品のeコマース、遠隔診療、スマートホスピタルソリューションおよびその他のヘルスケアサービスを対象としています。さらに、包括的な健康サービスに関するエコシステムを構築するため、JD Healthはヘルスケアサービス業界の他の企業とも協業しています。これまでにJD Healthの製品とサービスは製薬、医療、健康管理への提案、ユーザーのライフサイクルといったほぼすべてを網羅しており、業界で最も広範囲における完全な「インターネット+ヘルスケア」エコシステムの構築をめざしています。