アルツハイマー病協会国際会議2020(AAIC2020)においてエーザイのアルツハイマー病/認知症領域の開発品に関する最新データを発表

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2020年7月27日から31日にバーチャルで開催されるアルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference: AAIC)2020において、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体BAN2401の最新データを含む合計9演題を発表することをお知らせします。

 

 BAN2401については、プレクリニカル(無症状期)アルツハイマー病(AD)を対象とする臨床第Ⅲ相試験として新たに開始したAHEAD 3-45試験の臨床試験デザインを口頭発表します。また、早期ADを対象として実施した臨床第Ⅱ相試験(201試験)について、現在進行中の非盲検継続投与(OLE)におけるアミロイド関連画像異常(ARIA-E(浮腫))の発生率の解析および脳内Aβに関する最新データを発表します。

 レンボレキサント(オレキシン受容体拮抗薬)について、アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)を対象とした臨床第Ⅱ相試験の長期安全性と有効性の結果について発表を予定しています。

 

 最新データの発表に加えて、当社主催のサテライトシンポジウム「アルツハイマー病の連続する病勢進行(AD Continuum)の複雑な背景を分類するA/T/N/xシステムの開発 ―臨床診療と治療法開発の最新および将来の展望―」の開催を予定しています。三名の高名なAD研究者、かつ臨床医であるDr. Jeffrey Cummings(座長)、Dr. Cliff Jack、Dr. Kaj Blennowに、AD ContinuumにおけるA/T/N/x分類システムの重要性と概念的枠組みについて、包括的な話題を提供していただき、この分類システムを用いた臨床診療と治療法開発の将来の展望について議論を行います。

 

 2020年7月に米国食品医薬品局(FDA)に対するアルツハイマー病治療薬としての生物製剤ライセンス申請を完了したアデュカヌマブについては、バイオジェン・インク (本社:米国マサチューセッツ州  ケンブリッジ、以下 バイオジェン)から臨床第Ⅲ相試験EMERGE/ENGAGEのトップラインを改めて口頭発表します(すでに学会発表されたデータのアンコール発表となります)。

 

 当社は、BAN2401およびアデュカヌマブについて、バイオジェンと共同で開発しています。

 

 当社は、アルツハイマー病/認知症領域分野における35年以上の創薬活動の経験を基盤に、多元的かつ包括的なアプローチによる創薬研究を通じて、認知症の予防と治癒の実現をめざしています。革新的な治療薬を一日も早く創出し、アンメット・メディカル・ニーズの充足と認知症当事者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

     

■ エーザイ発表演題

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開発品・演題番号発表演題・予定日時(米国東部時間)

エレンベセスタット
セッション:P2
ポスター番号:43305

エレンベセスタットMissionAD試験で3種類のアミロイドPETトレーサーによって評価された脳内アミロイド量
ポスター発表:7月28日(火)

BAN2401
セッション:ODO3-03
バーチャル口頭発表番号:44511
チャットルーム:48069
セッション:SCR3-13
発表:SCR3-13-05

AHEAD 3-45試験デザイン:プレクリニカルAD (A3試験(脳内Aβ蓄積が境界域)、A45試験(脳内Aβ蓄積が陽性))における216週間のBAN2401投与による有効性と安全性を評価するためのグローバル試験
口頭発表: 7月29日(水)
チャットルーム:7月29日(水)11:00 AM - 11:25 AM

レンボレキサント
セッション:P3
ポスター番号:39039

アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害の当事者様におけるレンボレキサントの長期安全性と有効性
ポスター発表:7月29日(水)

エレンベセスタット
セッション:P3
ポスター番号:P45446

コンピュータを用いた日本人高齢者の認知評価に基づく脳年齢スコアの予備的調査
ポスター発表:7月29日(水)

BAN2401
セッション:P3
ポスター番号:46059

早期ADを対象としたBAN2401の201試験非盲検継続投与フェーズにおけるアミロイド関連画像異常(ARIA-E)の予備的評価
ポスター発表:7月29日(水)

BAN2401
セッション:P4
ポスター番号:46209

早期ADを対象としたBAN2401、201試験の非盲検継続投与フェーズにおける継時的な脳内アミロイドの状態に関する予備的評価
ポスター発表:7月29日(水)

アルツハイマー病全般
セッション:P4
ポスター番号:38365

日本の特別養護老人ホームにおける認知症の当事者様の生活の質、日常生活動作および医療費に対する疾患の重症度の影響
ポスター発表:7月30日(水)

アルツハイマー病全般
セッション:P4
ポスター番号:39448

オンラインソーシャルメディアを使用した認知症当事者様の負担の評価
ポスター発表:7月30日(木)

アルツハイマー病全般
セッション:P4
ポスター番号:40698

日本におけるADに起因する医療費:LIFE試験
ポスター発表:7月30日(木)

     

■ エーザイ主催サテライトシンポジウム

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セッション・シンポジウムシンポジウム名・予定日時(米国東部時間)

エーザイ サテライトシンポジウム

アルツハイマー病の連続する病勢進行(AD Continuum)の複雑な背景を分類するA/T/N/xシステムの開発
—臨床診療と治療法開発の最先端および将来の展望—
7月27日からAAIC終了後30日間に視聴可能

      

■ バイオジェン発表演題

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開発品・演題番号発表演題・予定日時(米国東部時間)

アデュカヌマブ
バーチャル口頭発表番号
S03-02-03
バーチャルルーム:Amsterdam

EMERGEとENGAGEのトップライン結果:早期ADにおけるアデュカヌマブで実施されたPIIIの試験
口頭発表:7月29日(水)7:00 AM - 8:00 AM
(アンコール発表)

以上

<参考資料>

1. BAN2401について

 BAN2401は、BioArctic AB(本社:スウェーデン)とエーザイの共同研究から得られた、可溶性のAβ凝集体(プロトフィブリル)に対するヒト化モノクローナル抗体です。BAN2401は、ADを惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβプロトフィブリルに選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでADの病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されています。早期ADを対象とした大規模臨床第Ⅱ相試験(201試験)においては、世界で初めて後期臨床試験として臨床症状評価による進行抑制と脳内Aβ蓄積量の減少を統計学的有意差をもって達成し、疾患修飾効果を示しました。現在、201試験の非盲検投与延長試験および検証用の一本の臨床第Ⅲ相試験(Clarity AD)を実施中です。エーザイとバイオジェンはBAN2401の共同開発・共同販促に関する契約を締結しています。National Institutes of Health、National Institute of Agingは、AHEAD 3-45試験に(A45試験(認可番号R01AG061848)およびA3試験(認可番号R01AG054029))に資金を提供しています。

 

2. レンボレキサントについて

 レンボレキサントは、当社創製の新規低分子化合物で、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤です。正常な睡眠覚醒リズムにおいて、オレキシンの神経伝達によって覚醒が促進されると考えられていますが、不眠障害では、覚醒を制御するオレキシンの神経伝達が正常に働いていない可能性があります。正常な睡眠時はオレキシン作動性神経が抑制されることから、オレキシンによる神経伝達の阻害により睡眠導入や睡眠維持をはかることができる可能性があると考えられており、不眠障害をはじめとする睡眠覚醒治療薬としての開発を進めています。米国において2020年6月に入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症の適応で、製品名「DAYVIGOTM」として新発売し、日本において2020年7月に、不眠症の適応で、製品名「デエビゴ®」として新発売しました。カナダ、オーストラリア、香港において新薬承認申請中です。また、軽度、中等度アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)を対象とした臨床第Ⅱ相試験が進行中です。

 

3. アデュカヌマブについて

 アデュカヌマブ(開発コード:BIIB037)はADの治療薬候補として開発されたモノクローナル抗体です。臨床試験データに基づき、アデュカヌマブは、疾患の原因となる病態生理に作用し、認知機能の低下(悪化)を抑制し、金銭管理、家事(掃除、買い物、洗濯など)や単独での外出などの日常生活動作におけるベネフィットが得られると期待されます。承認された場合、アデュカヌマブは、AD当事者の疾患の経過に本源的な変化をもたらす初めての治療薬となります。

 アデュカヌマブは、共同開発ライセンス契約に基づきNeurimmune社から導入されました。2017年10月より、バイオジェンとエーザイは全世界的にアデュカヌマブの開発ならびに製品化を共同で実施しています。

 EMERGE試験、ENGAGE試験は、アデュカヌマブの有効性と安全性を評価する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、臨床第Ⅲ相試験です。試験の主要評価項目は、CDR-SBのスコアの変化によって測定される認知機能および機能障害の低下抑制における、プラセボと比較したアデュカヌマブ月1回投与の有効性を評価することです。副次評価項目は、MMSE、ADAS-Cog 13およびADCS-ADL-MCIによって測定される臨床症状悪化の抑制における、プラセボと比較したアデュカヌマブ月1回投与の有効性を評価することでした。