「アクトネル®錠17.5mg」の骨ページェット病に係る適応の承認条件(全例調査)解除について

EAファーマ株式会社

エーザイ株式会社

                  

 EAファーマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松江 裕二)とその親会社であるエーザイ株式会社(本社:東京都文京区、代表執行役CEO:内藤 晴夫)は、このたび、「アクトネル®錠17.5mg」(一般名:リセドロン酸ナトリウム水和物)について、骨ページェット病に係る適応の承認条件となっていた特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省からの再審査結果通知により承認条件が解除されましたのでお知らせします。

 

 本剤は、2008年7月に「骨ページェット病」を効能・効果として承認され、その際の承認条件として「国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。」が付記されていました。

 

 今回の承認条件解除は、全例調査の解析結果として厚生労働省に提出していた安全性及び有効性データ(安全性評価対象症例307例、有効性評価対象症例276例)に基づき、全例調査が適切に実施され、本剤の適正使用のために必要な措置が講じられていると判断されたことによるものです。

 

 両社は、引き続き本剤の適正使用の推進および迅速な情報提供に努め、患者様やそのご家族のベネフィット向上に、より一層の貢献をしてまいります。

  

以上

     

    

本件に関する報道関係お問い合わせ先

   

    

<参考資料>

■「アクトネル®」(一般名:リセドロン酸ナトリウム水和物)について

 「アクトネル®」は、米国ノルウィッチ・イートン社(現アラガン社)が合成したビスフォスフォネート系薬剤です。日本では、骨粗鬆症の効能・効果で、2002年5月に1日1回投与製剤「アクトネル錠2.5mg」、2007年6月に週1回投与製剤「アクトネル錠17.5mg」、2013年2月に月1回投与製剤「アクトネル錠75mg」の販売を開始し、多くの骨粗鬆症患者様の治療に貢献しています。また、「アクトネル錠17.5mg」は、2008年7月に骨ページェット病の効能・効果の追加承認を取得しています。「アクトネル」は、製造販売元であるEAファーマより製品供給を受けてエーザイが販売しています。

 

■骨ページェット病について

 骨ページェット病は、原因不明の骨代謝疾患であり、局所で異常に亢進した骨吸収とそれに引き続く過剰な骨形成が生じる結果、骨の変形や肥厚がみられる疾患です。主な症状は罹患骨の疼痛と変形ですが、合併症として骨の肥大・変形に伴って起きる骨関節症状や神経症状があり、これらの合併症により著しく患者様のQOLが低下することがあります。また、二次性の悪性腫瘍(骨肉腫など)の発生も知られており、有用性の高い治療薬が求められています。国内における患者数は極めて少なく、その有病率は100万人に対し2.8人と報告1)されています。

 

1)  橋本淳 他. わが国における骨パジェット病の有病率と臨床的特徴. 日本骨粗鬆症学会雑誌. 2007; 15(2): 241-245.

 

■特定使用成績調査(全例調査)の結果について

 特定使用成績調査とは、製造販売業者等が診療において、小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害または肝機能障害を有する患者様、医薬品を長期に使用する患者様その他医薬品を使用する条件が定められた患者様における副作用による疾病等の種類別の発現状況並びに品質、有効性および安全性に関する情報の検出または確認を行う調査のことをいいます。

 今回行った特定使用成績調査は、承認条件に基づき、「アクトネル錠17.5mg」および「ベネット®錠17.5mg」の使用実態下における安全性、有効性の検討を目的に中央登録方式で実施されました。症例登録は、2008年8月から2016年1月までに投与を開始した骨ページェット病患者様全症例を対象とし、本剤1日1回、観察期間48週間(投与期間8週間)で、国内92施設から315例の症例が収集されました。

 安全性については、評価対象症例307例における副作用発現症例率が15%(46例/307例)で、主な副作用は悪心(5件)、腹部不快感(4件)、便秘、消化不良(各3件)、食道炎、軟便(各2件)等の胃腸障害が6.8%(21/307例)、低カルシウム血症(7件)の代謝および栄養障害が2.3%(7/307例)、発熱(3件)、倦怠感(2件)の一般・全身障害および投与部位の状態が1.6%(5/307例)、肝機能異常(2件)等の肝胆道系障害が1.3%(4/307例)、背部痛(2件)等の筋骨格系および結合組織障害が1.0%(3/307例)でした。

 有効性については、Excess 血清アルカリフォスファターゼ値**の変化率が承認時の国内第Ⅲ相試験と類似した結果が得られ、疼痛の改善も認められました。また、骨代謝マーカー(尿中Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド、尿中デオキシピリジノリン及び血清中骨型アルカリフォスファターゼ)は、全ての指標が投与開始時に比べ低下しました。

 

 「ベネット錠17.5mg」(一般名:リセドロン酸ナトリウム水和物)は、武田薬品工業株式会社が製造販売承認を取得しています。

** Excess 血清アルカリフォスファターゼ(ALP)値 = 血清ALP 値の実測値-(基準値の最大値+基準値の最小値)/2

    

EAファーマ株式会社について

 エーザイ株式会社の消化器事業子会社であるEAファーマは、エーザイグループが60年以上取り組んでいる消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が、2016年4月に統合して設立された、研究開発、生産物流、営業・マーケティングのフルバリューチェーンを有する消化器のスペシャリティ・ファーマです。

 EAファーマ株式会社の詳細情報は、http://www.eapharma.co.jp/をご覧ください。

 

■エーザイ株式会社について

 エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。