第33回がん免疫学会年次総会において「レンビマ®」(レンバチニブ)と「キイトルーダ®」(ペムブロリズマブ)併用療法の最新データおよび新規STINGアゴニストの探索研究について発表

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2018年11月9日~11日に米国ワシントンD.C.で開催される「第33回がん免疫学会(Society of immunotherapy of Cancer:SITC)年次総会」において、当社が創製したマルチキナーゼ阻害剤 レンバチニブメシル酸塩(製品名:「レンビマ®」、以下 レンバチニブ)とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:「キイトルーダ®」)との併用療法に関する最新データおよびがん免疫療法としてのインターフェロン遺伝子刺激因子 (STING:stimulator of interferon genes)のアゴニストE7766の探索研究に関して発表することをお知らせします。

 

 本年次総会では、レンバチニブについて、抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法による固形がんを対象とした臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験(111試験/KEYNOTE-146試験)のうち、非小細胞肺がん、メラノーマおよび尿路上皮がんに関する最新データのポスター発表が予定されています。

 当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.と、レンバチニブの単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法におけるグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。

 

 また、新規STINGアゴニストE7766についてがん免疫療法に関わる非臨床研究データのポスター発表が予定されます。

 

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

  

■ショートプレゼンテーションおよびポスター発表

※左右にスクロールできます

製品・化合物発表演題・予定日時(現地時間)
レンバチニブ
抄録番号:11147
ポスター番号: P392
非小細胞肺がん患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法における臨床第Ib/II相試験
ポスター発表:11月10日(土)12:20-13:50
ショートプレゼンテーション:11月10日(土)13:15-13:20
ポスターレセプション:11月10日(土)19:00-20:30
レンバチニブ
抄録番号:11187
ポスター番号: P391
進行性メラノーマ患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法 における臨床第Ib/II相試験
ポスター発表:11月9日(金)12:45-14:15
ポスターレセプション:11月9日(金)18:30-20:00
レンバチニブ
抄録番号:11201
ポスター番号: P393
尿路上皮がん患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法 における臨床第Ib/II相試験
ポスター発表:11月9日(金)12:45-14:15
ポスターレセプション:11月9日(金)18:30-20:00
E7766
抄録番号:11527
ポスター番号: P598
対照薬に対し優れたプロファイル有するがん免疫療法薬としての新規STINGアゴニストE7766の創薬および非臨床研究
ポスター発表:11月10日(土)12:20-13:50
ポスターレセプション:11月10日(土)19:00-20:30

 以上

<参考資料>

1. 「レンビマ®」(一般名: レンバチニブメシル酸塩)について

 「レンビマ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能なエーザイ創製の新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤です。

 現在、本剤は、甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州、アジアなど50カ国以上で承認を取得しています。また、米国、欧州など45カ国以上で、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る承認も取得しています。欧州での腎細胞がんに係る適応については「Kisplyx®」の製品名で発売しています。

 さらに、肝細胞がんに係る適応で、日本、米国、欧州、中国などにおいて承認を取得しています。また、台湾(2017年12月)などにおいて承認申請中です。

 

2. STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)について

 小胞体に局在する膜タンパク質であるSTINGは、さまざまなウイルスの感染に対する生体防御機構に携わる自然免疫応答の誘導において重要な役割をはたすことが知られています。非臨床の検討にてSTINGの活性化による腫瘍免疫賦活化作用が抗腫瘍効果にもつながることも知られています。

 

3. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

 2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)はレンビマのグローバルな共同開発および共同販促をおこなう戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、レンビマについて、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法における共同開発、共同販促を行います。併用療法については、既に実施している臨床試験に加え、6種のがん(膀胱がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん)における11の適応取得を目的とした臨床試験、6種のがんに対するバスケット型臨床試験を共同して同時並行で実施すべく、準備を進めています。現時点で、承認された「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の適応はありません。

 

「キイトルーダ®」はMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.Aの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。