不眠症治療剤・麻酔導入剤「フルニトラゼパム」日本における権利承継について

エーザイ株式会社
中外製薬株式会社

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)と中外製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役会長 CEO:永山治、以下 中外製薬)は、このたび、F. ホフマン・ラ・ロシュ(本社:スイス バーゼル、CEO:セヴリン・シュヴァン、以下 ロシュ社)が保有する不眠症治療剤・麻酔導入剤フルニトラゼパム(エーザイ販売名「サイレース®」、中外製薬販売名「ロヒプノール®」)の日本向け原薬製造権、ならびに中外製薬が日本で販売中の「ロヒプノール」の製造販売承認を、エーザイが2社より移管・承継することに関して3社が合意し、契約内容が発効したことをお知らせします。

本契約に基づき、日本において、フルニトラゼパムの原薬製造に関する権利および知的財産権が中外製薬とロシュ社からエーザイへ承継されます。その対価として、中外製薬とロシュ社は、エーザイから契約一時金を受領します。なお、中外製薬からエーザイへの「ロヒプノール」に関する製造販売承認の承継ならびに販売移管は、2017年4月1日に行われる予定です。

フルニトラゼパムは、ロシュ社が開発したベンゾジアゼピン系化合物で、経口剤は不眠症や麻酔前投薬として、注射剤は全身麻酔の導入や局所麻酔時の鎮静に係る適応で使用されています。日本においては、ロシュ社より供給されたフルニトラゼパム原薬を用い、エーザイと中外製薬がそれぞれ製剤化し、「サイレース」、ならびに「ロヒプノール」のブランド名で販売を行ってきました。このたびの承継により、日本国内における先発医薬品としてのフルニトラゼパムの製造販売は、エーザイ単独で行うこととなります。

エーザイと中外製薬は、円滑なフルニトラゼパムの原薬製造の移管ならびにロヒプノールの製造販売承認の承継と販売移管に向けて協働してまいります。

以上

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • エーザイ株式会社 PR部

  • 中外製薬株式会社 広報IR部

    メディアリレーションズグループ

    03-3273-0881

<参考資料>

1.「ロヒプノール®」(一般名:フルニトラゼパム)について

  • 1)

    不眠症治療剤「ロヒプノール®錠1」、「ロヒプノール®錠2」

    【効能・効果】

    不眠症、麻酔前投薬

    【用法・用量】

    通常成人1回、フルニトラゼパムとして、0.5~2mgを就寝前又は手術前に経口投与する。
    なお、年齢・症状により適宜増減するが、高齢者には1回1mgまでとする。

  • 2)

    麻酔導入剤「ロヒプノール®静注用2mg」

    【効能・効果】

    全身麻酔の導入、局所麻酔時の鎮静

    【用法・用量】

    本剤は用時注射用水にて2倍以上に希釈調製し、できるだけ緩徐に(フルニトラゼパムとして1mgを1分以上かけて)静脈内に注射する。
    用量は通常成人に対し全身麻酔の導入としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.02~0.03mg、局所麻酔時の鎮静としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.01~0.03mgとし、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する。
    なお、患者の年齢、感受性、全身状態、手術術式、麻酔方法等に応じて適宜増減する。

2.エーザイ株式会社について

エーザイ株式会社は、本社を日本に置く研究開発型グローバル製薬企業です。患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「がん」「神経領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

当社はグローバル製薬企業として世界の患者様へ貢献することを使命としており、開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

エーザイ株式会社の詳細情報は、http://www.eisai.co.jp別ウィンドウで開きますをご覧ください。

3.中外製薬について

中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。特に「がん」領域を中心に、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。

国内では、御殿場、鎌倉の研究拠点が連携して創薬研究活動を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っています。海外では、シンガポールに拠点を置く中外ファーマボディ・リサーチが革新的な抗体創製技術を駆使し新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行っています。また、米国と欧州では、中外ファーマ・ユー・エス・エー、中外ファーマ・ヨーロッパが臨床開発活動を行っています。2015年の連結売上高は4,988億円、営業利益は907億円(Coreベース)でした。

中外製薬についての詳細は http://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧ください。