肥満症治療剤「BELVIQ®」の新剤形 1日1回製剤「BELVIQ XR®」を米国において新発売

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、当社の米国子会社であるエーザイ・インクが肥満症治療剤「BELVIQ®」(一般名:lorcaserin hydrochloride)の新剤形である1日1回製剤「BELVIQ XR®」を、米国において新発売しましたのでお知らせします。

本剤は、1日かけてゆっくりと生体内に吸収されるように設計された徐放性製剤です。「BELVIQ XR」の新発売により、従来の1日2回製剤である「BELVIQ」(10mg)に加え、患者様に1日1回1錠の「BELVIQ XR」(20mg)という新たな治療選択肢が提供可能となりました。

1日2回服用の「BELVIQ」は、米国において当社およびエーザイ・インクが商業化に関する独占的ライセンス契約を締結しているArena Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Amit D. Munshi)がBody Mass Index(BMI)が30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の体重に関連する合併症を有するBMIが27kg/m2以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として、2012年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)より承認され、2013年6月から発売されています。1日1回服用の「BELVIQ XR」は、2016年7月にFDAより同適応で承認されました。

エーザイ・インク ニューロロジービジネスグループ アメリカスニューロロジーユニットのシニアバイスプレジデントであるPaul Hawthorneは、「肥満症は、健康に大きな影響を及ぼす慢性および進行性疾患です。エーザイは、肥満症を患う患者様の多様なニーズに応えるため、研究開発や疾患啓発等に継続的に取り組んでいます。今回新たに1日1回製剤という選択肢を、減量を達成し維持することを目標として習慣的に体重を管理している患者様に提供できることを嬉しく思います。」と述べています。

当社は、「BELVIQ XR」の新発売を通じて、肥満症の内科的治療分野におけるさらなるアンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

<参考資料>

1. Lorcaserin hydrochloride(一般名、米国製品名「BELVIQ」、「BELVIQ XR」)について

LorcaserinはArena Pharmaceuticals, Inc.創製の新規化合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し、満腹感を促進すると考えられています。本剤は、米国において、Body Mass Index(BMI)が30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の体重に関連する合併症を有するBMIが27kg/m2以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として、2012年6月に米国食品医薬品局(FDA)より承認され、米国麻薬取締局によるスケジューリング指定を経て、2013年6月に「BELVIQ」の製品名で発売されました。また、2013年11月には、lorcaserinのライセンス対象地域をこれまでの米州21カ国から欧州、日本、中国を含む全世界(韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルを除く)に拡大することで合意しています。2016年7月に、メキシコにおいて「VENESPRI®」の製品名で、米国と同様、肥満症に係る適応の承認を取得しています。また、ブラジルにおいて承認申請中です。

米国においては1日1回服用の「BELVIQ XR」は、2016年7月にFDAより同適応で承認されました。

本剤の複数の臨床第Ⅲ相試験における主な有害事象は、糖尿病を合併しない肥満症では、頭痛、めまい、疲労、嘔吐、口内乾燥、便秘であり、糖尿病を有する肥満症では、低血糖症、頭痛、背部痛、咳嗽、疲労でした。米国における本剤の重要な安全性情報(ISI)を含む詳細はBELVIQウェブサイトをご参照ください。http://www.belviq.com(英語のみ)

2. 世界の過体重または肥満に関する状況について

世界の成人の14億人以上が過体重、うち約5億人が肥満であるといわれ、近年、肥満症は世界において大きな健康問題の一つとなっています。地域別には、米国で約1.7億人、欧州では約1.5億人が過体重または肥満と考えられています。アジアでは、中国で約1億人、日本では約2,500万人の人が過体重または肥満と推計されます。(社内推計)