戦略

地球上の一人ひとりが、自分らしく生ききる世界を。

未来は予測できない。でも、自分たちの手でつくることはできる。
エーザイがこの先も世界中の人々を支えていくためには、目の前の患者様やご家族のことを考えるだけでは足りない。
環境のこと。社会のこと。子どもたちの未来のこと。
地球上で暮らす全ての人の喜怒哀楽を大切にしながら、一人ひとりが自分らしく生ききる世界をつくるために。
粘り強く、果敢に、何度でも。私たちは、未来を絶対にあきらめない。
これまでも、そうやって何度も薬を届ける挑戦を続けてきたように。

エーザイは、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念のもと「健康憂慮の解消」と「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現し、患者様と生活者の皆様の満足の増大とすべての人の「生ききるを支える」ことを使命としています。

2025年3月、この使命を何十年も先まで果たし続けるために、当社のサステナビリティ戦略として「エーザイの未来創造戦略」を策定しました。本戦略を経営の根幹に据え、医薬品事業などを通じた患者様や生活者の皆様への貢献と、これを支える基盤としてコーポレートガバナンスの強化および地球環境保全などの社会課題の解決に中長期的に取り組み、企業の継続的成長と社会の持続的発展に寄与することをめざします。

未来創造戦略は、当社の事業とそれを支える基盤の4つの要素に定義されます。マテリアリティ分析によって特定された、当社が優先的に取り組む課題(重要課題)やその他の社会課題に対する目標を中期経営計画に定め、持続的な企業価値の向上に向けた取り組みを推進します。持続可能な企業や社会をめざした取り組みは、必ずしも革新的で劇的な成果がすぐに表れるものばかりではありません。これは、創薬、製造、医薬品アクセスなどの薬づくりとどこか似ています。これまでも当社が幾度となく挑戦してきたように、エーザイがつくる未来が次の世代の希望や笑顔であふれるものになるよう、私たちは果敢に挑み続けます。

エーザイの未来創造戦略 フレームワーク

エーザイが描く未来創造戦略は、1「患者様や生活者様が自分らしく生きられる時間を(患者様と生活者様)」、2「すべての人が 健やかに生きられる地球環境を(地球環境)」、3「すべての人が自分らしく生きられる社会を(社会)」、4「すべての人から信頼される企業へ(ガバナンス)」の4つの要素に定義され、これらの4つの要素は相互に関連・補完し合います。マテリアリティ分析によって特定された、当社が優先的に取り組む課題(重要課題)やその他の社会課題に対する目標を中期経営計画に定め、当社の何十年という長期的な企業価値向上に向けた取り組みを推進します。

患者様や生活者様 1 患者様や生活者様が 自分らしく生きられる 時間を

世界には、いまだに治療薬がない疾患や、必要な医療が届かない地域があります。革新的な医薬品を創出し、早期承認・上市や適応拡大、アフォーダビリティや入手機会の創出による医薬品アクセスの向上、サイエンスとデータに基づくソリューション開発、他産業連携や官民パートナーシップを活用したエコシステム構築(hhceco)などを通して、世界の健康と医療に貢献することが使命だと考えます。私たちは、患者様や生活者の皆様が、少しでも長く自分らしく生きられる時間を過ごすための取り組みを行います。

地球環境 2 すべての人が 健やかに生きられる 地球環境を

この地球は私たちが事業活動を行う場所そのものであり、その地球環境が失われればhhc理念を通じた社会善の実現は叶いません。社員一人ひとりがそのことを認識するとともに、この美しく豊かな地球を未来に引き継ぎ、すべての人が健やかに生きられる地球環境を守るため、「エーザイネットワーク(ENW)環境方針」を制定し、環境保全活動に取り組みます。

社会 3 すべての人が 自分らしく生きられる 社会を

私たちの事業活動は、患者様をはじめとして、製品・サービスの利用者、治験参加者、提携企業・自治体、取引先関係者、従業員など数多くの人々やコミュニティとの関わり合いの上に成り立っています。私たちは、この多岐にわたる人々やコミュニティとの活動を通して生じる社会課題一つ一つに配慮し、当社に関わるすべての人が安心して自分らしく生きられる社会をつくるための取り組みを行います。

ガバナンス 4 すべての人が 信頼される 企業へ

当社への社会や人々からの信頼は、事業運営に対する公平性や透明性を確保するとともに、事業活動を通した様々なリスクを特定・低減し、事業の健全性を担保することにより醸成されます。私たちは、事業や社会の環境変化を迅速かつ誠実に捉えた上意思決定を行い、すべての人から信頼される企業として成長し続けるための取り組みを行います。

マテリアリティの特定

エーザイでは、企業理念の実現による中長期的な企業価値の最大化に向けて5~10年で優先的に取り組む課題を明示するため、2022年6月に変更された定款に基づき、社会善を効率的に実現するためのマテリアリティを特定しています。

マテリアリティにおける横軸は「エーザイの本源的企業価値(社会的インパクト+財務的価値)」とし、社会善の効率的な実現に取り組むことで社会的インパクトを創出するとともに、財務的価値を得ることが重要であると考えています。

縦軸は「ステークホルダーズにとっての関心」としています。患者様とそのご家族、株主、社員などのすべてのステークホルダーズの皆様の満足を企図して持続的に企業価値を最大化するためには、残余利益の受益者としての長期投資家にフォーカスすることが効率的であるという考え方*1に基づき、長期投資家の関心事を中心に特定し、優先的に取り組むという手法で課題の特定、優先順位づけしています。一方で、本マテリアリティは、長期投資家のみならず、幅広いステークホルダーズの皆様の長期の利益を創出することを目的としていることを正しくご理解いただける縦軸としています。

上記2軸に則り、15項目のマテリアリティを特定し、そのなかでもポジティブな社会的インパクト創出やPBR向上との相関関係が確認され、かつ長期投資家を中心としたステークホルダーズにとっての関心が非常に高い5項目は、取り組みを加速することで当社の本源的企業価値を高めることができる特に重要なマテリアリティと位置づけ、2030年度を見据えた長期目標とKPI、リスクを設定しました。マテリアリティおよび長期目標・KPI・リスクは、執行役会(2023年度当時*2)での審議・承認、取締役会での確認により決定しました。毎年、その進捗に関するレビューを実施し、PDCAサイクルを回すことにより、確実な推進をめざします。

なお、ビジネス環境や社会課題の変化を鑑み、毎年マテリアリティ分析を行います。アクションプランに沿った取り組みの進捗もレビューし、必要に応じマテリアリティやKPIを更新します。

  • *1
    Value Maximization, Stakeholder Theory, and the Corporate Objective Function(Michael C. Jensen, 2001)
  • *2
    現在はGrowth & Operating Committee(GOC)に名称を変更

hhcエコシステムを通して社会善を効率的に実現するためのマテリアリティ

  • *1
    ステークホルダーズ:長期投資家(株主)、患者様とそのご家族、社員、地域社会
  • *2
    1~5以外のマテリアリティは同じ象限内では重要度の差はない

社会善を効率的に実現するためのマテリアリティの特定プロセス

  • *3
    IFRS財団が提供するマテリアリティを業種別に特定するサステナビリティの開示基準
  • *4
    サステナビリティに関する国際基準の策定を使命とする非営利団体Global Reporting Initiativeがサステナビリティという抽象的な概念を具体的に可視化した指標
  • *5
    2000年に発足した持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み
  • *6
    民間主導による気候関連財務情報の開示に関するタスクフォース
  • *7
    2015年9月の国連サミットで採択された、持続可能な開発のための2030アジェンダにおいて掲げられている国際目標
  • *8
    米国S&Pグローバル社が、企業の持続可能(Sustainability)を評価しているESGインデックス
  • *9
    企業理念の実現に向けて患者様、生活者の皆様の想いを知るために共に時間を過ごしたり、食事や作業をしたり共体験をすること
  • *10
    全国の自治体、団体と連携協定を締結し、地域住民の皆様の認知症に関わる憂慮抽出、解消に向けた事業創出への取り組み

戦略に基づいた中期計画策定

当社グループは、中期経営計画「EWAY Future & Beyond」を2021年4月よりスタートしました。

中期経営計画「EWAY Future & Beyond」の詳細は、こちらをご確認ください。