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- 2015年7月31日
エーザイ株式会社
HalozymeTherapeutics Inc.
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とHalozyme Therapeutics Inc.(本社:米国サンディエゴ、President and CEO:Helen Torley、以下 Halozyme)は、このたび、エーザイの抗がん剤エリブリンメシル酸塩(製品名「ハラヴェン®」、以下 エリブリン)とHalozymeが開発中のPEG化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素PEGPH20 (PEGylated recombinant human hyaluronidase)の併用投与による進行性HER2陰性乳がんに対するファーストライン治療の臨床試験における提携を発表しました。
エリブリンは、新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤で、進行性乳がんに係る適応で約60カ国において承認を取得しています。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリンBの全合成類縁化合物であり、微小管ダイナミクスを阻害し、細胞分裂を停止させることにより、がん細胞の増殖を抑制すると考えられています。
PEGPH20は、ヒアルロン酸の分解を標的とする注射剤です。生体内の多糖の一種であるヒアルロン酸は、がん細胞の周囲に蓄積し、加えて腫瘍間質圧を上昇させ腫瘍血管を圧迫することで、抗がん剤の到達を妨げ、治療を阻害していることが知られています。PEGPH20は、ヒアルロン酸を分解することにより、腫瘍血管への血流を増加させることで、抗がん剤の到達を促進すると考えられています。
本試験に基づき、両社は、ヒアルロン酸が高発現している進行性乳がん患者様において、エリブリンとPEGPH20の併用投与とエリブリン単剤投与の奏効率を比較する臨床第Ib/Ⅱ相試験を行い、本試験に伴う費用を両社で負担します。なお、ヒアルロン酸が高発現しているトリプルネガティブ乳がんの実験動物モデルにおいて、エリブリンとPEGPH20の併用は、エリブリン単剤に比較して、腫瘍縮小を含む、強い腫瘍増殖抑制作用が認められています。
エーザイグローバルオンコロジービジネスユニットのチーフメディカルオフィサーであるRuiRong Yuanメディカルドクターは、「今回の提携は、エリブリンが進行性乳がん患者様のアンメット・メディカル・ニーズを充足するための継続的な取り組みとして重要なものであり、臨床試験の実施とその結果を評価できることを期待しています」と述べています。
HalozymeのPresident and CEOのHelen Torley博士は、「今回の合意は、Halozymeにとって初めての臨床研究に関する提携であり、また、進行性乳がん治療をリードするエーザイとの提携により、PEGPH20の試験の対象がより広くなることを意味します」と述べています。
以上
本件に関する報道関係お問い合わせ先
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エーザイ株式会社
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Halozyme Therapeutics Inc.
<参考資料>
1. エリブリンメシル酸塩(一般名、製品名「ハラヴェン」)について
エリブリンは、エーザイが創出した新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤です。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリン類の全合成類縁化合物であり、微小管の短縮(脱重合)には影響を与えずに伸長(重合)のみを阻害し、さらにチューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させる作用を有しています。本剤は、乳がんに係る適応で2010年11月に米国で最初の承認を取得し、これまでに日本、欧州、米州、アジア等、約60カ国で承認を取得しています。日本では、「手術不能又は再発乳癌」を効能・効果として承認され、2011年7月に発売しました。また、欧州やアジアなどでは「1レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん(術後または再発後にアントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤による治療歴を有すること)」での適応拡大の承認を取得しています。また、2015年7月に、日本、米国、欧州において、新たに軟部肉腫に係る適応で承認申請を行なっています。なお、本剤は米国および日本において、軟部肉腫治療に対する希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。
2. エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、グローバルに医薬品の研究開発、製造、販売活動を行っています。エーザイ株式会社は、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。この理念のもとエーザイグループのすべての社員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足することを通して、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしています。エーザイ株式会社の詳細情報は、http://www.eisai.co.jpをご覧ください。
3. Halozyme Therapeutics Inc.について
HalozymeTherapeuticsは、腫瘍微小環境を標的とする新規の抗がん治療の創出と商業化に集中するバイオテックカンパニーです。Halozymeが優先的に開発している薬剤はPEGPH20であり、固形がんに対して併用する抗がん剤の効果を増強するユニークな薬剤です。現在、PEGPH20は、転移性すい臓がん、非小細胞肺がんやPEGPH20が効果を発揮すると考えられるがん腫において、複数の異なるタイプの抗がん剤と併用療法での開発を行なっています。さらに、Halozymeは、バイオ医薬品や低分子化合物を通常の静脈注射から経皮経由で投与を可能とするドラッグデリバリープラットフォーム「ENHANZE™」について、ロシュ、ファイザー、ヤンセン、バクスアルタ、アッヴィを含む製薬企業と提携しています。Halozymeの本社は米国サンディエゴにあります。Halozymeの詳細情報は、http://www.halozyme.comをご覧ください。