頻脈性不整脈治療剤「タンボコール®」日本で小児への投与に適した細粒剤の製造販売承認を取得

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、日本において頻脈性不整脈治療剤「タンボコール®」(一般名:フレカイニド酢酸塩)の新しい剤形となる「タンボコール細粒10%」の製造販売承認を取得したことをお知らせします。

本剤は、心筋のナトリウムチャネルを抑制し、心臓の興奮伝導を遅らせることにより、頻脈性の不整脈を抑える薬剤です。「タンボコール錠」は、日本では成人に対する頻脈性不整脈治療剤として1991年に承認・発売されました。小児の適応については、厚生労働省の「小児薬物療法検討会議」で日本の小児不整脈治療において不可欠な薬剤とされたことを踏まえ、2010年5月に頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)の効能・効果で承認され、小児における頻脈性不整脈の適応を持つ日本で唯一のナトリウムチャネル遮断薬となっています。

「タンボコール錠」の小児への投与にあたっては年齢、体表面積に応じて、錠剤の粉砕による用量の調整が必要となるため、小児への投与に対応可能な剤形の開発が求められていました。当社は、医療現場のニーズを踏まえた製剤検討を行い、小児における用量調整や錠剤の服用が困難な患者様への投与が可能となる10%細粒剤を開発し、錠剤との生物学的同等性を検証する臨床試験を実施した上で、2014年1月に剤形追加の承認申請を行いました。

小児の不整脈は、動悸、めまい、息切れなどの日常生活に影響を及ぼす症状のみならず、小児期の突然死の主たる原因のひとつと言われています。当社は、小児の頻脈性不整脈に対して、2010年5月に「タンボコール錠」、2011年5月にカルシウム拮抗性不整脈治療剤「ワソラン®錠40mg」および「ワソラン静注5mg」について、小児適応の追加承認を取得しています。今回、「タンボコール錠」に、調剤性や服用性に優れた細粒剤を新たに加えることにより、頻脈性不整脈の患者様の治療により一層の貢献をしてまいります。

以上

<参考資料>

1. タンボコール細粒10%について

1)製品名

タンボコール®細粒10%

2)効能・効果および用法・用量

  • 効能・効果

    下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合

    成人:頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、心室性)

    小児:頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)

  • 用法・用量

    成人:

    ○頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動)

    通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mg(細粒として1g)から投与を開始し、効果が不十分な場合は200mg(細粒として2g)まで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

    ○頻脈性不整脈(心室性)

    通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mg(細粒として1g)から投与を開始し、効果が不十分な場合は200mg(細粒として2g)まで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

    小児:

    ○頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)

    通常、6ヵ月以上の乳児、幼児及び小児にはフレカイニド酢酸塩として1日50~100mg/m2(体表面積)(細粒として0.5~1g/m2(体表面積))を、1日2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2(細粒として2g/m2)とする。
    通常、6ヵ月未満の乳児にはフレカイニド酢酸塩として1日50mg/m2(体表面積)(細粒として0.5g/m2(体表面積))を、1日2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2(細粒として2g/m2)とする。