プロトンポンプ阻害剤「パリエット®」日本で低用量アスピリン投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制に関する効能・効果および新規剤型を追加申請

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、本日、日本においてプロトンポンプ阻害剤「パリエット®」(一般名:ラベプラゾールナトリウム、以下、ラベプラゾール)について、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制に関する新たな効能・効果の追加および5mg錠の剤型追加の申請を行いました。

近年、高齢化社会の到来に伴い、脳梗塞や心筋梗塞の再発予防のために低用量アスピリンを長期間処方される患者様が増加しています。その一方で、低用量アスピリンの投与により発生する上部消化管粘膜傷害が診療上の課題となっています。低用量アスピリンは安易に休薬できないため、心血管系イベントの予防治療を継続しつつ、上部消化管粘膜傷害の発生を抑制することが臨床上重要になっています。

本効能・効果の追加申請に用いた、臨床第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験は、低用量アスピリンの長期投与が必要で、かつ胃潰瘍または十二指腸潰瘍の既往歴を有する患者様(472人)を対象として実施されました。その結果ラベプラゾール5mg投与群および10mg投与群はともに、対照群と比較して、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の累積再発率を、統計学的に有意に低下させ、優れた潰瘍の再発抑制効果を示しました。本試験において確認されたラベプラゾールの安全性プロファイルは、これまで確認されているものと同様であり、想定外の新たな有害事象は発生しませんでした。

本剤は、1997年に日本で最初に発売され、現在、世界100カ国以上で承認されています。日本では、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎などにおけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助などの効能・効果を有しています。

当社は、今回の効能・効果の新規剤型の追加申請により「パリエット®」の臨床的価値を高めることで、酸関連疾患の患者様の治療に、より一層の貢献をしてまいります。

以上

[参考資料として、「パリエット®」についてを添付しています]

<参考資料>

1. 「パリエット®」について

当社が創製した「パリエット®」は、プロトンポンプ阻害剤として、1997年に日本で発売され、現在、世界100カ国以上で承認されています。日本では、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎などにおけるヘリコバクター・ピロリ除菌の補助などの適応を有し、日本の患者様でのエビデンスをもって10mg錠および20mg錠を取り揃えています。また、従来のプロトンポンプ阻害剤の治療で効果不十分な逆流性食道炎に対して1回10mgまたは20mgの1日2回投与の用法・用量の追加が2010年12月に承認されています。さらに、2013年8月には「パリエット®」を含むヘリコバクター・ピロリ除菌用3剤組み合わせ製剤(パック製剤)の製造販売承認を取得しています。「パリエット®」の主な副作用として、発疹、じんま疹、かゆみ、下痢、軟便などが報告されています。

現在、日本において、プロトンポンプ阻害剤(1日1回投与)抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法を対象としたフェーズⅢ試験が進行中です。