『e-65.net(イーローゴ・ネット)』サイト内に「認知症地域支援マップ」を開設

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、認知症啓発サイト『e–65.net(イーローゴ・ネット)』をリニューアルし、各地域で認知症について相談可能な医療施設、地域包括支援センターを検索できる「認知症地域支援マップ」(http://sasp.mapion.co.jp/b/e-65/)を開設したことをお知らせします。

本年8月に厚生労働省が発表した推計によると、2012年の国内の認知症高齢者数はこの10年間で倍増して305万人に上り、65歳以上人口に占める割合は約10%になることが明らかになりました。また、当社が65歳以上の親を持つ20代以上の全国の男女9,400人を対象に実施した認知症に関する意識・実態調査では、親の認知症の症状に気づいても、3割以上が「1年以上経って家族・知人以外の専門家に相談」し、2割以上は「まだ相談もしていない」実態が判明しました。さらに、約8割の方が認知症に関する十分な情報が入手できていないと回答しており、その結果、認知症の症状を見逃したり、相談する場所を迷ったりし、受診・対応への着手の遅れにつながっている可能性が示唆されています。

超高齢化の進展する日本において、認知症はもはや「特別な病気」ではなく、高齢者なら誰もがかかりうる疾患となっています。国や地方公共団体、関係団体等により、かかりつけ医の認知症対応や「認知症初期集中支援チーム」の設置が推進されるなど、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現に向けた様々な支援体制の方向性が示されています。ご本人やそのご家族に認知症と疑われる症状が生じた場合には、認知症に関する相談や治療を行っている「医療機関」や「地域包括支援センター」に相談し、早期に対応を行うことがその後の生活をどのように過ごせるかに大きく影響します。また、介護、医療などの面からどのような支援を受けることができるのかを早めに理解することは、生活に対する安心感につながります。

今回、『e–65.net(イーローゴ・ネット)』のサイト内に開設した「認知症地域支援マップ」は、お住まいの地域にある、認知症に関する相談や治療に対応している「医療機関」や「地域包括支援センター」などを検索することができるサービスです。この「認知症地域支援マップ」が、ご本人やそのご家族に認知症と疑われる症状が生じた時に、気軽にお住まい近くの「医療機関」や「地域包括支援センター」にご相談いただく一助となり、早期診断、早期対応につながることを期待しています。

当社は、認知症の疾患啓発に積極的に取り組んでいます。認知症の方やそのご家族がいつまでもご本人らしく過ごし、かけがえのない人生を生きるための支援を今後も継続してまいります。

以上

[参考資料として、認知症啓発サイト「e–65.net(イーローゴ・ネット)」、エーザイによる認知症に関する
意識・実態調査について、添付しています]

<参考資料>

1. 認知症啓発サイト「e–65.net(イーローゴ・ネット)」http://www.e-65.net

認知症啓発サイト「e–65.net(イーローゴ・ネット)」には、お住まいの地域にある、認知症に関する相談や治療に対応している「医療機関」や「地域包括支援センター」などを検索することができる「認知症地域支援マップ」のほかに、認知症に関する情報やさまざまな支援の紹介、認知症のご本人やご家族の言葉も引用したメッセージなどを掲載しています。「認知症地域支援マップ」には、「e–65.net(イーローゴ・ネット)」(http://www.e-65.net)からアクセスできます。

2. エーザイによる認知症に関する意識・実態調査

当社は、急激な増加傾向にある認知症に関する人々の意識・実態を把握するため、65歳以上の親を持つ20代以上の47都道府県9,400人の男女を対象に、認知症に関するインターネット調査を実施しました(調査期間:2012年8月16日~8月17日)。本調査では、親が認知症になることで自分の生活の負担が増すことを認識しながらも、多くの人(76%)が自宅での介護を希望しており、しかし実際には認知症に関する十分な情報が入手できていないという声も多く、その結果、認知症の症状を見逃したり、相談する場所を迷ったりし、受診・対応への着手が遅れていることも推測されました。また、身近なかかりつけ医や地域の相談窓口ではなく、専門医に診てもらいたいという回答が多かったことから、認知症は他の病気とは違う「特別な病気・特別な対応が必要」と捉えている意識も窺えました。詳細は「47都道府県 認知症に関する意識・実態調査 結果速報」をご参照ください。(http://www.eisai.co.jp/pdf/others/20120919.pdf別ウィンドウで開きます