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- 2012年4月23日
アボット ジャパン株式会社
エーザイ株式会社
アボット ジャパン株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:ゲリー・エム・ワイナー)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役社長兼CEO:内藤晴夫)は、このたび、尋常性乾癬及び関節症性乾癬等の適応症で販売しているヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」(一般名:アダリムマブ <遺伝子組換え> 、以下「ヒュミラ®」)について、承認条件となっていた「尋常性乾癬及び関節症性乾癬」に関する使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除の通達を受けたと発表しました。
「ヒュミラ®」は、2010年1月に「尋常性乾癬及び関節症性乾癬」に対する効能・効果が承認されました。その際の承認条件として「製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」が付されていました。
今回の承認条件の解除は、本調査の解析結果として厚生労働省に提出した634名の尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者様での全例調査中間報告書をもとに「ヒュミラ®」の安全性および有効性が審査された結果に基づき、決定・通知されたものです。なお解析結果は、これまでに確立された「ヒュミラ®」の安全性および有効性を支持するものでした。
「ヒュミラ®」の臨床研究は広範に行われ、豊富な臨床データを有しており、現在、世界で50万人以上の患者様に投与されています。日本において「ヒュミラ®」は、アボット ジャパンが製造販売承認を取得し、アボット ジャパンとエーザイによる1ブランド1チャネル2プロモーション方式で共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当しています。
両社は、当該調査で得られたエビデンスをもとに、引き続き適正使用の推進、情報提供に努め、患者様のQOL向上に貢献してまいります。
以上
[参考資料として、使用成績調査の解析結果、用語解説、エーザイおよびアボット社の取組みについて添付しています]
本件に関する問い合わせ先
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エーザイ株式会社
PR部
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アボット ジャパン株式会社
広報部
<参考資料>
1. 使用成績調査の解析結果
厚生労働省に提出した本調査結果は、2010年1月20日から2011年8月25日に収集した634名の患者様のデータについて解析を行ったもので、調査開始後から新たに本剤の投与を受けた乾癬患者様523名のデータが含まれています。
有効性の評価は乾癬の皮疹の状態及び重症度を確認するPGA、PASI及び患者様の生活の質(QOL)を確認するDLQIを、また関節症性乾癬の患者様においては、上記乾癬の評価に加え、関節症状の評価として関節リウマチ領域で用いられているDAS28を用い、「ヒュミラ®」投与前および24週時点で評価を行いました。新たに本剤の投与を受けた523名の患者様に関する解析ではPGA(平均±SD)は投与前2.8±6.6が24週時点で1.3±1.1と著明な改善を示し、またPASI(平均±SD)も投与前17.2±11.8が24週時点で4.4±7.9と著明な改善を示し、本剤による皮疹の改善効果が確認されました。さらにDLQI(平均±SD)については、投与前9.1±6.7が24週時点で2.5±4.1と著明な改善を示し、乾癬患者様における本剤投与によるQOL改善効果が確認されました。
次に、関節症性乾癬患者様におけるDAS28-4/ESR(平均±SD:70名)では投与前の4.3±1.6が24週時点で2.5±1.3、またDAS28-4/CRP(平均±SD:102名)では投与前3.5±1.3が24週時点で2.0±1.0と著明な改善を示し、関節症状を有する患者様の疾患活動性を低下させることも確認されました。
副作用発現率は22.9%であり、主な副作用は「鼻咽頭炎」「帯状疱疹」「毛包炎」「注射部位紅斑」「肝機能異常」でした。また、重篤な副作用発現率は2.8%であり、「帯状疱疹」「ヘルペス脳炎」「肺結核」などが報告されました。これら副作用の概要は、開発時の臨床試験で認められたものとほぼ同様でした。
2. 用語解説
1)乾癬
乾癬は、炎症細胞と表皮細胞が相互に作用して、皮膚に「プラーク(局面型皮疹)」と呼ばれる隆起した炎症と鱗屑(りんせつ)を伴う紅斑が生じる慢性の炎症性疾患と考えられています。
最も多いタイプの尋常性乾癬では、隆起した紅斑部が生じ、その部分の皮膚は銀白色の鱗屑で被われ痒みや熱感を伴うこともあります。病変部は頭皮、膝、肘、腰や手足が多いものの、他の部分の皮膚や、手足の爪や関節にも現れることがあります。乾癬の臨床分類は、最も多いとされる尋常性乾癬をはじめ、炎症性で進行性の関節症状を合併する関節症性乾癬など合計5つに大別されています。
乾癬は、50歳代をピークに10歳代から70歳以上の高齢の方まで幅広い年齢で発症します。重症度には個人差があり、軽症の患者様では、主に外用療法が行われ、中等症や重症の患者様では、内服療法や光線療法が行われています。
2)TNFα
TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介するサイトカインの一つです。TNFαは、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。一部の免疫疾患で過剰に産生され、炎症反応の中心的な役割を果たしている物質です。
3)モノクローナル抗体
単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、抗原に対する結合親和性や特異性が均一の抗体です。
3. 「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)について
「ヒュミラ®」は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であり、炎症反応に関わる中心的なサイトカインであるTNFαを中和することにより、効果を発揮します。日本において関節リウマチ(2008年4月承認)、尋常性乾癬および関節症性乾癬(2010年1月同)、クローン病(2010年10月同)、強直性脊椎炎(2010年10月同)、若年性特発性関節炎(2011年7月同)の6疾患における効能・効果の承認を取得しています。
4. アボットの免疫分野への取り組み
アボットは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。
「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)に関する詳細や製品情報については、http://www.e-humira.jp/ もしくはwww.HUMIRA.comをご覧ください。
5. エーザイの抗体医薬への取り組み
エーザイは、従来からの強みである低分子化合物に加えて、バイオロジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に取り組んでいます。カン創薬ユニットでは、神戸のカン研究所と筑波研究所が連携して、セロミクスを強みとした新規創薬ターゲットの発見と、それを標的とした抗体医薬の創出に取り組んでいます。また、2007年4月に買収したモルフォテック社では、独自の技術である「Human Morphodoma®」、「Libradoma™」を活用することにより、がん・関節リウマチ・感染症などに対する抗体医薬の創出に取り組んでいます。さらに、スウェーデンのバイオアークテック・ニューロサイエンス社との提携によるアルツハイマー病に対する抗体医薬の開発や、日本でアボット ジャパンとヒト型抗ヒトTNFモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の開発・販売を進めるなど、抗体医薬を通して患者様とご家族の皆様のQOL向上に貢献することを目指しています。
6. アボットについて
アボット社は、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数約91,000 人を擁し、世界130 カ国以上で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。日本国内では、従業員約2,800人がこれらのビジネスに関する販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、www.abbott.co.jpアボット本社のプレスリリースは、www.abbott.comをご参照ください。