乳がん治療剤とパーキンソン病治療剤の中国における包括的販売提携の契約を締結

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、Orion Corporation(本社:エスプー、フィンランド、代表者:Timo Lappalainen, CEO)と、同社の製品である乳がん治療剤「Fareston®」(toremifene citrate)と、パーキンソン病治療剤「Eldepryl®」(selegiline hydrochloride)、両製品の中国における包括的販売提携の契約を締結しました。

本契約により、当社は中国における両製品の独占的販売権を獲得し、当社の中国子会社である衛材(中国)薬業有限公司(Eisai China Inc., 江蘇省・蘇州市)を通じて中国での販売を開始します。中国においては、Orion Corporationの現地総代理店が両剤を販売しておりましたが、Orion Corporationとの契約が2011年6月初旬をもって満了したことを受け、これを衛材(中国)薬業有限公司に販売移管します。

乳がん治療剤「Fareston®」は、閉経後のエストロジェン受容体陽性の転移性乳がんを適応とし、閉経後乳がんに対する術後補助療法として使われています。また、パーキンソン病治療剤「Eldepryl®」は、過去のレボドパ含有製剤治療において、十分な効果が得られていないパーキンソン病に対するレボドパ含有製剤との併用療法として使用されています。

衛材(中国)薬業有限公司は、乳がん治療剤「Fareston®」の販売により、中国におけるウーマンオンコロジー市場への進出と、パーキンソン病治療剤「Eldepryl®」の販売により、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」、末梢性神経障害治療剤「メチコバール」をはじめとする神経領域の強化・充実をはかり、中国における乳がんやパーキンソン病の患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

以上

[参考資料としてOrion Corporation、エーザイの中国での取り組みについて添付しています]

<参考資料>

1. Orion Corporationについて

フィンランド・エスプーに本社を置き、1917年に創立されたオリオン社は、グローバル市場向けの治療薬および診断用検査機器の開発に重点を置く、革新的な欧州研究開発型製薬・診断用医薬品企業です。オリオン社は、ヒト用・動物用医薬品、原薬および診断用検査の開発、製造、販売に取り組んでいます。オリオングループは、2010年度に約8億5,000万ユーロの純売上高を計上し、研究開発に8,500万ユーロを投資しました。2010年末現在、全世界で約3,100人の従業員が働いています。オリオン社は、ナスダックOMXヘルシンキ証券取引所に上場しています。

2. エーザイの中国での取り組み

当社は、東アジアを今後のグローバル・エーザイの中核となる、ひとつのリージョンと定めています。その中で中国は、その成長を牽引する重要な役割を担います。中国事業では、がん、肝臓、中枢神経を重点領域に定めており、主力品として、メチコバール(末梢性神経障害治療剤)、強力ネオミオファーゲン/グリチロン錠(肝臓疾患用剤・アレルギー用剤)、パリエット(プロトンポンプ阻害剤)、アリセプト(アルツハイマー型認知症治療剤)を販売しています。今回、新たにFareston®(乳がん治療剤)を製品に加えることで、ウーマンオンコロジー領域への進出を達成します。また、Eldepryl®(パーキンソン病治療剤)を加えることにより、神経領域の強化・充実をはかります。

中国におけるプロダクトクリエーション活動を活性化し、当社が創製した抗がん剤Halaven®(微小管ダイナミクス阻害剤)、抗てんかん剤perampanel(AMPA受容体拮抗剤)等の開発を進めて、重点領域の製品ラインナップの拡充をはかります。そして、当社のミッションであるヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念に基づき、より多くの中国の患者様への貢献を果たしてまいります。