lorcaserinに関するFDA諮問委員会の結果を発表

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、米国で審査中の肥満症治療剤lorcaserin(一般名)に関して、9月16日に開催された米国食品医薬品局(FDA) 内分泌/代謝薬・諮問委員会(Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee)が、本剤について、長期使用においてベネフィットがリスクを上回らないとの観点からFDA承認の非推奨を採択した、と発表しました。(反対:9、賛成:5、棄権:0)

本剤は、米国子会社であるエーザイ・インクが、アリーナ・ファーマシューティカルズ・インク (Arena Pharmaceuticals, Inc. 本社:米国カリフォルニア州、社長:ジャック・リーフ、以下 アリーナ社) のスイス子会社アリーナ・ファーマシューティカルズGmbH と、米国における独占的販売供給契約を締結したものです。肥満症の患者様(BMI≧30)、又は1つ以上の合併症を有する過体重の患者様(BMI≧27)の、体重減少を含む肥満症治療剤をめざす、アリーナ社創製の新規化合物です。

当社はlorcaserinが良好なベネフィット/リスク・プロファイルを有し、肥満症治療におけるアンメット・メディカル・ニーズを充足する薬剤であると認識しており、アリーナ社は本剤の新薬承認申請の審査に当たって、引き続きFDAに協力していきます。

諮問委員会はFDAに対して提言を行いますが、承認に関してはFDAが最終決定を行います。FDAは、lorcaserinに対する新薬承認申請のPDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デートを2010年10月22日に指定しています。

当社はヒューマン・ヘルスケア (hhc) を企業理念としており、アンメット・メディカル・ニーズの充足に取り組み、患者様とそのご家族のベネフィット向上につとめています。当社は肥満症治療に対する新しい選択肢の提供をめざすとともに、同疾患の内科的治療分野において、より一層の貢献をすべく、努力してまいります。

以上

[参考資料として、lorcaserin NDA、lorcaserinについて、を添付しています]

<参考資料>

1.lorcaserin NDA (New Drug Application) について

本剤のNDAは、8,576名の患者様を含む18の臨床試験のlorcaserin開発プログラムのデータパッケージ、主要な臨床第Ⅲ相プログラムBLOOM(Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management)試験と、BLOSSOM(Behavioral modification and LOrcaserin Second Study for Obesity Management)試験7,200名の患者様に2年間投与したデータに基づいています。

2.lorcaserinについて

lorcaserinは選択的なセロトニン2C(5-HT2C)受容体アゴニストといわれ、セロトニン2C受容体は、食欲や代謝を司る分野である視床下部を含めた脳に発現されます。アリーナ社は米国およびその管轄区域において、特許期間延長や独占権を考慮に入れず2023年まで可能性のある、lorcaserinをクレームする特許を出願しています。

  • Arena Pharmaceuticals®及びArena®は、アリーナ・ファーマシューティカルズの登録商標です。