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- 2009年2月10日
味の素株式会社
エーザイ株式会社
味の素株式会社(本社:東京都、社長:山口範雄、以下、味の素(株))とエーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下、エーザイ(株))は、このたび分岐鎖アミノ酸製剤「リーバクト®顆粒」(以下、本製品)に関して、アジア諸国を対象とした基本契約を締結しました。
今回の契約締結により、エーザイ(株)は味の素(株)よりアジア11ヶ国*1における本製品の独占的販売権等を取得することになります。
本製品は、味の素(株)が開発した分岐鎖アミノ酸製剤であり、日本では「食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変*2患者の低アルブミン血症*3の改善」を効能・効果とし、1996年より販売されています。
非代償性肝硬変の患者様では、黄疸や全身倦怠感、腹水、浮腫、肝性脳症などの症状が見られ、QOLが低下しています。その原因として挙げられるのが、肝硬変が進行すると発現する低アルブミン血症による低栄養状態や代謝障害です。本製品は、肝硬変における栄養障害を改善して血清アルブミン値を上昇させることにより、これらの症状を改善します。
これまでに国内で実施した大規模臨床試験において、本製品投与群は非代償性肝硬変の合併症のリスクを食事治療群に対して有意に下げることが示されており、肝硬変から肝発癌への進展が抑制されることも期待されています。
また、近年では「ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン」*4にも取り上げられるなど、非代償性肝硬変の栄養療法に用いられる標準的な薬剤として患者様の生命予後の改善に貢献してきました。
味の素(株)は、これまで肝臓・消化器分野の製品については国内中心に展開してきましたが、今回を機に自社の技術情報・販売等に関するノウハウを活用して海外事業を強化・拡大していく予定です。
エーザイ(株)は、アジアにおいて、肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー®」および「グリチロン®錠」、B型肝炎治療剤「クレブジン」を導入しています。エーザイ(株)は、今後も引き続き、地域特性に合致した戦略的な製品ラインナップの拡充を積極的に推進してまいります。
今回、アジア諸国において、味の素(株)とエーザイ(株)が戦略的な提携を行なうことにより、アジアにおける肝臓疾患の患者様のQOLの改善とベネフィットの向上に、より一層貢献できるものと期待しています。
- *1中国、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インド、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、スリランカ
- *2非代償性肝硬変:肝硬変は、肝臓に繊維が多くなり、肝臓が硬くなって正常な機能を果たせなくなる状態であり、慢性的な肝臓病の最終段階です。黄疸、腹水、脳症などの症状を伴わない時期を代償性、伴うようになると非代償性といいます。
- *3低アルブミン血症:肝硬変の進行に伴い、血中のアルブミンが低下しますが、この状態を低アルブミン血症といいます。
- *4厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服緊急対策研究事業(肝炎分野)「肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究」平成19年度研究報告書の「ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン」
[本件に対するお問い合わせ先]
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味の素株式会社
医薬人事リスク管理部
広報担当 -
エーザイ株式会社
PR部