制吐剤「ALOXI®カプセル」、米国での承認を取得化学療法に伴う急性悪心・嘔吐(CINV)予防

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下、エーザイ)の米州統括会社である、エーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカ(本社:ニュージャージー州、会長:清水初)、およびそのパートナー社であるヘルシン・ヘルスケアSA(本社:スイス、ルガーノ、CEO:Riccardo Braglia)は、2008年8月23日(米国東部時間)、米国食品医薬品局(FDA)より、がん化学療法に伴う悪心・嘔吐(CINV)の予防薬として、セロトニン(5-HT3)受容体拮抗剤「ALOXI®(一般名:パロノセトロン塩酸塩)」の新剤形である経口剤(カプセル剤)の承認を取得したと発表しました。

今回承認された「ALOXI®カプセル0.5mg」は、「初回および反復的な、中等度の催吐性を伴う、がん化学療法による急性悪心・嘔吐(CINV)の予防」を効能・効果としています。「ALOXI®カプセル0.5mg」は、がん化学療法を開始する約1時間前に1カプセルを服用します。

なお、米国では2003年より「ALOXI®注射剤0.25mg」を販売しています。本注射剤は、「初回および反復的な、中等度の催吐性を伴う、がん化学療法による急性および遅発性の悪心・嘔吐の予防」、ならびに「初回および反復的な、高度の催吐性を伴う、がん化学療法による急性悪心・嘔吐の予防」を効能・効果としています。「ALOXI®注射剤0.25mg」注射剤は、がん化学療法を開始する約30分前に0.25mgを静注します。

エーザイは、がん患者様のアンメットメディカルニーズを充足すべく、抗がん剤を始めとしたがん関連製品の開発を今後も進めてまいります。

以上

[参考資料として用語解説とヘルシン・ヘルスケアSAの概要を添付しております]

<参考資料>

■用語解説

1.化学療法に伴う悪心・嘔吐(CINV)

これまでの調査によると、がん患者様がCINVを治療に伴う最も重篤な副作用と認識していることがわかっています。化学療法を行う日に制吐剤を予防的に投与しても、中等度の催吐性を伴うがん化学療法後、約30~45%の患者様が悪心・嘔吐を起こすか、救急治療が必要となります。がん化学療法初日に、急性悪心・嘔吐を抑えなければ、2日目以降も、またその後のがん化学療法サイクルにおいても悪心・嘔吐を起こすリスクが高くなります。

2.ALOXI®カプセル剤について(経口剤)

「ALOXI®(一般名:パロノセトロン塩酸塩)カプセル0.5mg」は、「初回および反復的な、中等度の催吐性を伴う、がん化学療法による急性悪心・嘔吐の予防」を効能・効果としています。「ALOXI®カプセル0.5mg」は、がん化学療法を開始する約1時間前に1カプセルを服用します。

3.ALOXI®注射剤について

「ALOXI®注射剤0.25mg」は、「初回および反復的な、中等度の催吐性を伴う、がん化学療法による急性および遅発性の悪心・嘔吐の予防」、ならびに「初回および反復的な、高度の催吐性を伴う、がん化学療法による急性悪心・嘔吐の予防」の両方の効能・効果を初めて取得した、唯一のセロトニン(5-HT3)受容体拮抗剤です。「ALOXI®注射剤0.075mg」は、術後24時間までの悪心・嘔吐予防を目的とした、単回静注による麻酔前投与が承認されています。

エーザイは、ヘルシン・ヘルスケアSAより、北米におけるALOXI®の販売権を供与されています。

■ヘルシン・ヘルスケアSAについて

ヘルシン・ヘルスケアSAはスイスに本社を置く製薬グループで、パロノセトロンのグローバル・ライセンサーです。同社の主力事業は、ニッチ領域の医薬品のライセンシングです。同社の事業戦略は、開発の初期段階にある新規化合物を導入し、前臨床・臨床試験を実施、CMC(医薬品の製造および品質管理)開発業務を完了させ、欧米等、戦略的に重要なマーケットでの販売承認を得るというものです。同社製品は最終的に提携企業に導出され、販売されます。同社医薬品の有効成分及び最終剤形は、医薬品の製造管理および品質管理に関する基準であるcGMP(current GMP)を満たすヘルシン社の工場で生産され世界中の顧客に供給されています。

ヘルシン社についての詳細情報は、同社のウェブサイトwww.helsinn.comをご覧ください。