欧州委員会がモルフォテック社のFARLETUZUMAB(MORAb-003)およびMORAb-009をオーファンドラッグに指定オーファンドラッグとして販売承認取得により両剤のEU域内独占販売期間が10年間に

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の米国子会社モルフォテック社(本社:ペンシルバニア州、社長:ニコラス・ニコライデス)は、本日、卵巣がん治療剤farletuzumab(MORAb-003)とすい臓がん治療剤MORAb-009の2つのモノクローナル抗体について、欧州委員会がオーファンドラッグ(希少疾患治療薬)に指定したと発表しました。

farletuzumabは、現在、プラチナ製剤に感受性のある卵巣がん患者様を対象としたフェーズⅡ試験で有効性の検証が行われています。進行性のプラチナ製剤抵抗性または難治性卵巣がん患者様を対象としたフェーズⅠ試験では、farletuzumabは、治療期間中を通して、良好な忍容性と臨床作用が認められました。

MORAb-009は、現在、手術が不可能なすい臓がん患者様におけるゲムシタビンとの併用療法における第一選択薬としてフェーズⅡ試験で評価が行われており、フェーズⅠ試験では良好な忍容性と抗がん作用が示唆されています。

モルフォテック社の社長ニコラス・ニコライデスは、「両治験薬が欧州委員会よりオーファンドラッグ指定を受けたことを大変嬉しく思います。この指定により、臨床開発や製品化において様々な優遇措置の対象となることで、この2つの重要なプログラムがさらに強化されることとなります。」と述べています。

さらに、同社の臨床開発担当上級副社長マーティン・フィリップは、「卵巣がん治療を対象としたfarletuzumabおよびすい臓がん治療を対象とした MORAb-009の開発プログラムは順調に進行しており、両剤それぞれについて実施したフェーズⅠ試験で有望な結果が得られました。現在行われているフェーズⅡ試験では、卵巣がんおよびすい臓がん患者様に対して、現在の標準的治療法として認知されている化学療法に併用した場合の有効性を評価するようデザインされており、欧州、米国、アルゼンチンおよびブラジルで実施しています。」と述べています。

オーファンドラッグ指定とは、罹患患者数の少ない希少疾患用医薬品の研究開発を促進するための制度であり、EU域内でオーファンドラッグ指定を受けると、販売承認取得後にEU加盟国内で10年間の独占販売期間が与えられるほか、開発に関連した特定の認可申請にかかる手続手数料の減免や、欧州医薬品審査庁による販売承認審査手続きにおける優先権、特定のEU加盟国からの研究開発費の助成が受けられるなどの優遇措置が付与されます。オーファンドラッグ指定は、製品の品質、安全性および有効性が確認される販売承認とは異なるものです。

EUにおける卵巣がん罹患率は1万人に2.9人、すい臓がんでは1万人に1.2人と推定されています。

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