ヒト抗ヒトTNF α モノクローナル抗体「アダリムマブ」 国内における販売スキームの変更について

エーザイ株式会社
アボット ジャパン株式会社

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役社長兼CEO:内藤晴夫)とアボット ジャパン株式会社(医薬品事業部本社:大阪府、代表取締役社長:グレン・エス・ワーナー)およびアボット バイオテクノロジー リミテッド(ディレクター・アンド・プレジデント:トーマス・シー・フレイマン)は、1月24日(米国時間)、日本で共同開発・販売に関する基本契約を締結しているヒト抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「アダリムマブ」(一般名)について、販売スキームに関する契約内容の変更に合意しました。

概要は以下のとおりです。

  1. 本剤の日本における製造販売承認はアボット ジャパンが取得し、販売はエーザイが担当する
  2. 2ブランド2チャネル2プロモーション方式からエーザイとアボット ジャパンが共同プロモーションを行なう1ブランド1チャネル2プロモーション方式とする
  3. 本剤の日本における製品名を欧米と同様の「ヒュミラ®」で統一する

現在、日本では、関節リウマチ、乾癬の適応で承認申請中にあり、クローン病を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験が進行中です。上市後は、本剤に関連する適正使用情報の提供を推進するため、エーザイとアボット ジャパンがそれぞれ専門MR(医薬情報担当者)を設置し、エーザイの施設担当MRと協同・連携する予定です。

本剤は、関節リウマチなどの自己免疫疾患領域において唯一のヒトモノクローナル抗体であり、自己免疫疾患の炎症反応に関わる中心的なタンパク質であるTNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)を中和することにより効果を発揮します。現在、世界73カ国で承認され、25万人以上の患者様に処方されています。

本剤の欧米での販売はアボットが行っており、台湾・韓国では両社の現地法人が今回の日本の新たなスキームと同じ方式でプロモーションしています。

エーザイとアボット ジャパンは、日本における本剤の早期上市を目指し、難治性疾患である関節リウマチ、乾癬、クローン病など免疫・炎症疾患領域の患者様とそのご家族のQOL(Quality of Life)向上に貢献してまいります。

以上

[参考資料として、販売スキーム変更の概要、用語解説、エーザイの抗体医薬への取り組み、アボットの概要と免疫分野への取り組みについて添付しています]

本件に関する問い合わせ先

  • エーザイ株式会社

    コーポレートコミュニケーション部

    03-3817-5120

  • アボット ジャパン株式会社

    広報部

    06-7221-7356

<参考資料>

1.販売スキーム変更の概要

※左右にスクロールできます

  従来の契約内容 新しい契約内容
製造販売承認 エーザイとアボット ジャパンの両社 アボット ジャパン
プロモーション活動 2ブランド2チャネル
2プロモーション
1ブランド1チャネル
2プロモーション
製品名 エーザイとアボット ジャパンは別々の製品名 「ヒュミラ®」で統一
販売 エーザイとアボット ジャパンは別々に販売 エーザイ
専門MR エーザイとアボット ジャパンが各々専門MRを設置

2.用語解説

1)TNF

TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介する因子(サイトカイン)の一つです。
TNFはマクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。

2)モノクローナル抗体

単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、アミノ酸配列等の構造が均一である抗体です。

3.エーザイの抗体医薬への取り組み

エーザイは、従来からの強みである低分子化合物に加えて、バイオロジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に取り組んでいます。特に、2007年4月に抗体医薬の研究開発を専門とする米国のバイオベンチャー企業であるモルフォテック社を買収し、同社独自の技術である「Human Morphodoma®」「Libradoma™」を活用することにより、がん・関節リウマチ・感染症などに対する抗体医薬の創出に取り組んでいます。また、スウェーデンのバイオアークテック・ニューロサイエンス社との提携によるアルツハイマー病に対する免疫療法の研究や、日本でアボット ジャパンと関節リウマチなど免疫・炎症疾患を対象としたヒト抗ヒトTNFαモノクローナル抗体の開発・販売を進めるなど、抗体医薬を通して患者様とご家族の皆様のQOL向上に貢献することを目指しています。

4.アボットの免疫分野への取り組み

アボットは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。
アダリムマブ(海外製品名:HUMIRA®)に関する詳細や処方情報については、www.HUMIRA.comをご覧ください。またはAbbott Medical Information(米国:1-800-633-9110)までお問い合わせください。

5.アボットについて

米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数 65,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。
その事業内容は新薬の研究・開発に加え、医療用医薬品、栄養剤、医療用機械器具、医療用計測器、診断薬の分野における研究、開発、製造、マーケティングそして販売、と多岐にわたっています。
日本国内では、従業員数2,100人、医療用医薬品、栄養剤、医療用機械器具、医療用計測器、診断薬の製造および開発、ならびに販売とマーケティングを行っており、東京、大阪、福井、千葉に拠点を置いています。

以上