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- 2007年5月15日
エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、米国ソルスティス・ニューロサイエンス社(本社:ペンシルベニア州、社長:ショーン・パトリック・オブライアン)と、同社が所有しているB型ボツリヌス毒素を主薬とする注射剤「ニューロブロック®」の欧州における独占的な戦略的販売提携に関する契約を、5月14日(米国東部時間)に締結しました。
今回の契約の対象地域は、EU加盟27カ国に加え、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、スイス、クロアチア、トルコおよびロシアの合計35カ国となります。
「ニューロブロック®」は、欧州では2001年1月に、痙性斜頸の適応症でEMEA(欧州医薬品審査庁)から中央一括審査による承認を受けており、現在欧州の主要8カ国で発売されています。本剤は、神経筋接合部の運動神経終末に存在するボツリヌス毒素受容体に作用することにより、神経終末からのアセチルコリンの遊離を阻害し、強力な筋弛緩作用を発揮する薬剤です。
日本においては、2000年9月に当社とエラン社*の間で本剤の開発と販売に関する契約を締結し、2006年12月に痙性斜頸の適応で申請をしています。
当社は、今回の戦略的販売提携により、欧州において現在発売中のアルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤「アリセプト®」、抗てんかん剤「ゾネグラン®」、「イノベロン®」とともに、神経領域の製品ラインのさらなる充実をはかり、より一層、患者様の多様なニーズの充足とベネフィット向上に貢献してまいります。
- *エラン社は、2004年7月に「ニューロブロック®」の全資産を
ソルスティス・ニューロサイエンス社に売却しました。
以上
[参考資料として用語解説、製品概要、ソルスティス・ニューロサイエンス社の概要を添付しています]
<参考資料>
1.用語解説
○痙性斜頸(けいせいしゃけい)
痙性斜頸は、頸部筋肉の緊張が局所的に亢進し、頭部が傾く疾患です。本剤の主成分であるB型ボツリヌス毒素は、神経筋接合部の運動神経終末に作用し、神経終末からのアセチルコリンの遊離を阻害し、筋弛緩作用を発揮します。
2.製品概要
※左右にスクロールできます
①製品名: | 「ニューロブロック®」(NeuroBloc®) |
②一般名: | B型ボツリヌス毒素(Botulinum Toxin Type B) |
③適応症: | 痙性斜頸(cervical dystonia) |
④用法・用量: | 個々の患者の臨床反応をみながら調整する。 10,000Uを初回投与量とし、症状が著明な筋部位2~4ヵ所に分けて投与する。 |
⑤剤形: | 注射用液剤(B型ボツリヌス毒素:5000単位/ml) 0.5ml( 2500 単位)、1.0ml( 5000 単位)、2.0ml(10000 単位)の3剤形 |
3.ソルスティス・ニューロサイエンス社
※左右にスクロールできます
①名称: | Solstice Neurosciences, Inc. |
②本社: | 40 General Warren Blvd, Suite 160, Malvern, PA 19355 (米国ペンシルベニア州マルバーン) |
③工場: | 701 Gateway Boulevard, Suite 250, South San Francisco, California 94080 (米国カリフォルニア州南サンフランシスコ) |
④設立: | 2004年7月7日 |
⑤従業員数: | 142名、うちMR33名(2007年5月現在) |