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- 2025年10月2日
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2025年10月17日から10月21日までドイツ・ベルリンで開催される「欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)年次総会2025」において、当社のがん領域における製品・開発品の様々ながん種における最新知見を発表することをお知らせします。
本学会では、当社創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤レンバチニブ(製品名:レンビマ®)とMSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ®*1)の併用療法について、対照薬の治験医師選択化学療法と比較した、進行子宮内膜がんを対象とする臨床第Ⅲ相309/KEYNOTE-775試験からの、長期的投与に関するさらなる知見として、5年間の全生存率データを発表します(NCT03517449、発表番号:1119P)。
Eisai Inc.のシニアバイスプレジデントであるオンコロジーグローバル臨床開発リードCorina Dutcus M.D.は、「本学会で発表する309/KEYNOTE-775試験の5年間の全生存率の追跡調査のデータは、これまでのデータと一貫したものであり、子宮内膜がん治療におけるレンバチニブとペムブロリズマブの確立された役割を裏付けるものです。これらは、患者様やご家族、医療従事者が治療判断をするにあたって必要となる長期的なエビデンスを創出するというエーザイのコミットメントを示しています。腎細胞がんおよび他の革新的な開発中のパイプラインのデータとともに、子宮内膜がんにおける我々の研究は、未だ満たされていない医療ニーズに対し、がん患者様の治療選択肢の進歩に貢献するという、我々のヒューマン・ヘルスケア理念を体現するものです。」と述べています。
さらに、子宮内膜がんに関しては、一次治療の進行または再発子宮内膜がんを対象とした臨床第Ⅲ相LEAP-001試験からの追加の1年追跡結果(NCT03884101、発表番号:1114P)および309/KEYNOTE-775試験とLEAP-001試験の両方からの術前・術後補助化学療法後の治療結果を調査する統合解析結果を発表します(発表番号:1124P)。腎細胞がんにおいては、骨転移の有無にかかわらない進行腎細胞がんを対象に、レンバチニブ+ペムブロリズマブとスニチニブを比較したCLEAR試験の最終解析データを発表します(NCT02811861、発表番号:2603P)。
その他のパイプラインからは、進行または再発子宮内膜がんにおいてCREB-binding protein (CBP)/β-カテニン相互作用阻害剤E7386とレンバチニブの併用療法を評価した102試験からの臨床におけるバイオマーカー解析の結果を発表します(NCT04008797、発表番号:1153P)。
本学会におけるプレゼンテーションは以下のとおりです。Regular abstractsは、2025年10月13日12:05 AM(中央ヨーロッパ夏時間、以下同様)に、Proffered PaperまたはMini OralとしてアクセプトされたLate-breaking abstractsは、発表当日の12:05 AMにESMOのウェブサイトで公開されます。ポスターは、ポスターセッション当日の9:00 AMから5:00 PMまで展示されます。
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| がん種 | 試験/化合物 | 発表題目 | 発表形式および詳細 (中央ヨーロッパ夏時間) |
|---|---|---|---|
| レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法 | |||
| 婦人科がん | 309/ KEYNOTE-775試験 |
進行子宮内膜がんにおける、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法と医師選択化学療法の比較: 309/KEYNOTE-775試験の5年間の評価結果 |
Poster Session |
| LEAP-001試験 | 進行または再発子宮内膜がんの一次治療における、レンバチニブ+ペムブロリズマブと化学療法の比較:ENGOT-en9/LEAP-001からの追加の1年フォローアップ解析結果 |
Poster Session |
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| 309/ KEYNOTE-775試験およびLEAP-001試験 |
進行または再発子宮内膜がんにおけるレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法: 309/KEYNOTE-775試験およびENGOT-en9/LEAP-001試験における術前・術後補助療法後のアウトカム |
Poster Session |
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消化器がん |
LEAP-014試験 | 未治療の転移性食道扁平上皮がんにおける、レンバチニブとペムブロリズマブに化学療法を加えた併用療法と、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法の比較:無作為化臨床第Ⅲ相LEAP-014試験 |
Proffered Paper Session |
| 泌尿生殖器がん | CLEAR試験 | CLEAR試験において、骨転移の有無にかかわらない進行腎細胞がんに対する、レンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法とスニチニブの比較の最終解析結果 |
Poster Session |
| その他のパイプライン | |||
| 婦人科がん |
E7386*2 |
E7386の102試験:プラチナベースの化学療法および抗PD-(L)1免疫療法で病勢進行が確認された進行/再発子宮内膜がん患者様に対するE7386とレンバチニブの併用療法によるグローバル拡大パートのバイオマーカー解析の結果 |
Poster Session |
以下は、MSDがスポンサーであるレンバチニブに関する試験の発表を示しています。
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| がん種 | 試験/化合物 | 発表題目 | 発表形式および詳細 (中央ヨーロッパ夏時間) |
|---|---|---|---|
| 泌尿生殖器がん | LITESPARK-010試験 | 治療歴のある中国人の進行淡明細胞型腎細胞がん患者様に対するベルズチファンとレンバチニブの併用療法:LITESPARK-010試験のコホート1の最新結果 |
Poster Session |
| KEYMAKER-U03A試験 | 進行明細胞性腎細胞がんに対する一次治療のペムブロリズマブベースのレジメン:KEYMAKER-U03サブスタディ |
Proffered Paper Session |
|
| メラノーマ | KEYMAKER-U02B試験 | 進行メラノーマの一次治療におけるペムブロリズマブ単剤療法または治験薬との併用療法:臨床第Ⅰ/Ⅱ相 KEYMAKER-U02 サブスタディ 02Bの最新結果 |
Poster Session |
レンバチニブの単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法に関して、当社は、2018年3月にMSDとグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、本併用療法の臨床試験を実施中です。レンバチニブとぺムブロリズマブの併用療法は、日米欧をはじめとする世界各国において、進行腎細胞がんおよび進行子宮内膜がん(日本においては子宮体がん)に係る適応で承認を取得しています。レンバチニブは、欧州連合(EU)での腎細胞がんに係る適応について、「Kisplyx®」の製品名で承認されています。
以上
<参考資料>
- 当社のがん領域の取り組みについて
当社は、「がん領域」を戦略的重要領域の一つとし、Deep Human Biology Learning創薬体制のもと、新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。自社製品から得られたバイオマーカーデータを活用し、がんの発生・根本原因や薬剤耐性メカニズムを解明するとともに、当社グループが有するプレシジョンケミストリー技術を基盤として、Undruggableな治療標的をDruggableへと変え、新たなバックボーン治療薬を創出します。
*1 キイトルーダ®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme LLCの登録商標です。
*2 E7386は、PRISM BioLab Co., Ltd.(本社:神奈川県)との共同創製品です。