オーストラリアにおける早期アルツハイマー病治療剤としてのレカネマブの承認審査状況について

エーザイ株式会社

バイオジェン・インク

 

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、ヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体モノクローナル抗体レカネマブ(一般名)について、オーストラリア医療製品管理局(TGA:Therapeutic Goods Administration)が早期アルツハイマー病(アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害および軽度認知症)の治療法として推奨しないとの初期の審査結果を公表したことをお知らせします。

 エーザイは、今回のTGAの初期の審査結果に対して、医薬品法第60条*に基づき、90日以内に再審議の申請を行い、当局との協力のもと、オーストラリアの早期AD当事者様にレカネマブをお届けできるよう努めてまいります。TGAによる最終判断は、当社による再審議申請から60日以内になされる予定です。

 

 本剤はすでに、米国、日本、中国、韓国、香港、イスラエル、アラブ首長国連邦、英国(北アイルランドを除く)で承認を取得し、米国、日本、中国で発売しています。

 

 エーザイは、本剤の開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

 

* オーストラリアでは、当局による医薬品の承認に関する判断は、医薬品法第60条(Section 60 of the Therapeutic Goods Act)に基づき、要求に応じて再審議されると規定されており、今回の決定は「初期の審査結果(Initial Decision)」と定義されています。

 

以上

  

本件に関する報道関係お問い合わせ先

<参考資料>

  1. 1. レカネマブについて

 レカネマブ(一般名)は、BioArctic AB(本社:スウェーデン、以下 バイオアークティック)とエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。

 

 レカネマブは、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害または軽度認知症に係る適応で、米国、日本、中国、韓国、香港、イスラエル、アラブ首長国連邦、英国(北アイルランドを除く)で承認を取得しています。これらの国々での承認は、エーザイが実施した大規模グローバル臨床第Ⅲ相試験であるClarity AD試験のデータに基づくものであり、本試験においてレカネマブは主要評価項目ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成しました。なお、レカネマブ投与群で最も多かった有害事象(10%以上)は、Infusion reaction、ARIA-H(ARIAによる脳微小出血、脳出血、脳表ヘモジデリン沈着)、ARIA-E(浮腫/浸出)、頭痛および転倒でした。

 

 レカネマブは、米国、日本、中国で発売されています。また、欧州(EU)をはじめ、10の国と地域で承認申請を行っています。

 

 2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health傘下のNational Institute on Agingによる資金提供を受けています。また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。

 

  1. 2. エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について

 エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

 

  1. 3. エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について

 2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療剤の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。

 

  1. 4. エーザイ株式会社について

 エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントXLinkedInFacebookでも情報公開しています。

 

  1. 5. バイオジェン・インクについて

 1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。

 バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体XLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

 

Biogen Safe Harbor

This news release contains forward-looking statements, about the potential clinical effects of LEQEMBI; the potential benefits, safety and efficacy of LEQEMBI; potential regulatory discussions, submissions and approvals and the timing thereof; the treatment of Alzheimer's disease; the anticipated benefits and potential of Biogen's collaboration arrangements with Eisai; the potential of Biogen's commercial business and pipeline programs, including lecanemab; and risks and uncertainties associated with drug development and commercialization. These statements may be identified by words such as "aim," "anticipate," "believe," "could," "estimate," "expect," "forecast," "intend," "may," "plan," "possible," "potential," "will," "would" and other words and terms of similar meaning. Drug development and commercialization involve a high degree of risk, and only a small number of research and development programs result in commercialization of a product. Results in early-stage clinical studies may not be indicative of full results or results from later stage or larger scale clinical studies and do not ensure regulatory approval. You should not place undue reliance on these statements.

 

These statements involve risks and uncertainties that could cause actual results to differ materially from those reflected in such statements, including without limitation unexpected concerns that may arise from additional data, analysis or results obtained during clinical studies; the occurrence of adverse safety events; risks of unexpected costs or delays; the risk of other unexpected hurdles; regulatory submissions may take longer or be more difficult to complete than expected; regulatory authorities may require additional information or further studies, or may fail or refuse to approve or may delay approval of Biogen's drug candidates, including lecanemab; actual timing and content of submissions to and decisions made by the regulatory authorities regarding lecanemab; uncertainty of success in the development and potential commercialization of lecanemab; failure to protect and enforce Biogen's data, intellectual property and other proprietary rights and uncertainties relating to intellectual property claims and challenges; product liability claims; and third party collaboration risks;, results of operations and financial condition. The foregoing sets forth many, but not all, of the factors that could cause actual results to differ from Biogen's expectations in any forward-looking statement. Investors should consider this cautionary statement as well as the risk factors identified in Biogen's most recent annual or quarterly report and in other reports Biogen has filed with the U.S. Securities and Exchange Commission. These statements speak only as of the date of this news release. Biogen does not undertake any obligation to publicly update any forward-looking statements.