サウジアラビアの医薬品販売子会社が事業活動を開始

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、サウジアラビア王国(以下、サウジアラビア)のリヤドに設立した医薬品販売会社「Eisai Pharmaceuticals Single Person Limited Liability Company」(以下、エーザイ・サウジアラビア)が本格稼働し、事業活動を開始したことをお知らせします。エーザイ・サウジアラビアは、当社の欧州統括会社Eisai Europe Ltd.(所在地:英国)の100%子会社となります。

 

 当社は、中東において、1960年代に現地パートナー企業を通して当社製品の販売活動を開始しました。サウジアラビアでは、同じく現地パートナー企業を通じて、2009年に末梢性神経障害治療剤「メチコバール®」を発売しました。その後も2018年には抗てんかん剤「フィコンパ®」、2020年には抗がん剤「レンビマ®」を上市するなど、製品パイプラインを拡大してきました。2024年4月、当社はサウジアラビアにおいて自社による販売体制を確立することを企図し、エーザイ・サウジアラビアを設立しました。現地パートナー企業から当社製品の販売権の承継を進めており、2024年10月より、「メチコバール」と「フィコンパ」の自社による販売活動を開始することとなりました。2025年4月からは、「レンビマ」と抗がん剤「ハラヴェン®」についても自社販売を開始する予定です。また、サウジアラビアでは、アルツハイマー病治療剤レカネマブ(一般名、グローバルブランド名「レケンビ®」)についても承認申請中です。

 

 2023年のサウジアラビアの医薬品市場規模は、約113.42億米ドルと中東最大であり、2019-2023年の平均成長率は7%(現地通貨ベース)となっています1。当社は、サウジアラビアにおいて、自社による販売体制により、当社の革新的な新薬をより多くの患者様にできるだけ早くお届けし、患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

 

 

以上

 

 

<参考資料>

 

1. エーザイ・サウジアラビアの概要について

 1)会社名:Eisai Pharmaceuticals Single Person Limited Liability Company

 2)所在地:サウジアラビア王国 リヤド市

 3)事業内容:医薬品の輸入・販売

 4)設立資本金:3,280万サウディ・リヤル(約12.5億円)

 5) 出資者:Eisai Europe Ltd.

 6)設立日:2024年4月2日(現地時間)

 

2.サウジアラビア医薬品市場について

 サウジアラビアの人口は約3,500万人、一人当たりのGDPは118,216サウジ・リヤル(約31,445米ドル)です。2023年の医薬品市場は約113.42億米ドルと中東最大であり、2019-2023年の平均成長率は7%(現地通貨ベース)となっています1

 サウジアラビアのヘルスケア市場は、公的セクターと民間セクターの2つの主要なセグメントで構成されています。公的セクターでは、政府がすべての費用を負担し、公務員やその家族等、健康保険の対象となっていないサウジアラビア人は公的医療機関において無料で医療を受けることが可能です2。民間セクターでは、企業は従業員に健康保険を提供することが義務付けられており、医療費負担は保険契約によって異なります2

 2016年、サウジアラビアは石油に依存しない経済への移行を目指した2030年に向けた経済改革である「ビジョン2030」を発表しました。このビジョンにおいて、サウジアラビア保健省はより効果的で包括的な医療システムの構築と、健康サービスと医療施設の拡充、デジタル化の推進をめざしています。

 

 

1 IQVIA World Review Analyst 2024, Data Period 2019-2023 (Copyright ©2024 IQVIA.)をもとに作成。無断転載禁止。

2経済産業省 医療国際展開カントリーレポート サウジアラビア編 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/countryreport_SaudiArabia.pdf
Last Accessed: September 2024