選択的エストロゲン受容体分解薬elacestrantの全ての経済的収益受領の権利をDRI Healthcare社に譲渡

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、米国において乳がん治療薬として承認されているelacestrant(一般名)について、当社が保有する全ての経済的収益受領の権利をDRI Healthcare Trust(本社:カナダ オンタリオ州、以下DRI Healthcare社)に譲渡する契約を締結したことをお知らせします。

 

 Elacestrantは、当社が創出した選択的エストロゲン受容体分解薬です。当社は、2006年、Radius Health, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州)に、全世界をライセンス対象地域として(日本は2015年に追加)、当該化合物の研究、開発、製造、販売に関する独占的権利を供与し、マイルストンペイメント、ならびに売上に応じたロイヤルティ等を受領する権利を保有していました。

 

 今回のDRI Healthcare社との契約では、今後の全ての経済的収益受領の権利をDRI Healthcare社に譲渡し、その対価として当社は、一時金85百万米ドルを受領します。なお、本件に伴う当社の2024年3月期の業績予想への変更はありません。

 

 ヒューマンヘルスケア理念のもと、当社は、「神経領域」「がん領域」「グローバルヘルス」を戦略的重要領域と位置づけ、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬を創出し、hhceco企業として、他産業との連携によるエコシステムの構築を通じて、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしてまいります。

  

以上


 

                         

<参考資料> 

1.  Elacestrantについて

 Elacestrantは、当社が創出した選択的エストロゲン受容体分解薬です。当社は、全世界をライセンス対象地域として、Radius Health, Inc.に本剤に関する独占的権利を供与しています。2023年1月、米国医薬品局(FDA)は、ESR1変異をもつER陽性HER2陰性の進行または転移性乳がんの適応で、本剤を承認しました。本剤は、同様の適応で欧州医薬品庁(EMA)が審査中です。

 

2.  DRI Healthcare Trustについて

 DRI Healthcare Trust(以下、DRI Healthcare社)は、DRI Capital Inc.(以下、DRI Capital社)のマネジメントのもと、発明者、アカデミアおよびバイオ医薬品企業に資本を提供することでイノベーションを加速させてきた30年以上の歴史を持つ世界的な医薬品ロイヤルティ収益化のパイオニアです。1989年の設立以来、DRI Capital社は25億米ドル以上を投資し、Eylea、Spinraza、Zytiga、Remicade、Keytruda、Stelaraを含む40以上の医薬品に対して70以上のロイヤルティを獲得してきました。DRI Healthcare社は、トロント証券取引所において、カナダドルでは「DHT.UN」、米ドルでは、「DHT.U」の株式シンボルで上場および取引されています。詳細については、drihealthcare.comか、LinkedInでご確認ください。