「メトジェクト®皮下注シリンジ」(一般名:メトトレキサート)日本において関節リウマチの効能・効果で新発売

エーザイ株式会社

日本メダック株式会社

 

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とmedac GmbH(本社:ドイツ)の子会社である日本メダック株式会社(本社:東京都、代表取締役:入山博久、以下 日本メダック)は本日、日本において「関節リウマチ」を効能・効果とする抗リウマチ剤「メトジェクト®皮下注7.5mgシリンジ0.15mL、同10mgシリンジ0.20mL、同12.5mgシリンジ0.25mL、同15mgシリンジ0.30mL」(一般名:メトトレキサート(MTX))について新発売したことをお知らせします。本剤は、関節リウマチにおける第一選択薬であるMTXの国内初の自己投与可能な皮下注射製剤であり、2022年9月26日に製造販売承認を取得し、本日、薬価収載されました。

 

 日本における「メトジェクト」の承認は、日本メダックが国内で実施した本剤の有効性と安全性についてMTX経口剤と比較する二重盲検期ならびに継続投与期からなる臨床第III相試験(MC-MTX.17/RA試験)の結果に基づいています。2019年5月にエーザイとmedac GmbHが締結したライセンス契約に基づき、本剤の製造販売承認は日本メダックが保有し、販売はエーザイが担当します。

 

 エーザイの常務執行役 エーザイ・ジャパン プレジデント 井池輝繁は「エーザイは、国内の関節リウマチ領域において有力なフランチャイズを構築し、豊富な販売経験を有しています。エーザイが持つ製品ラインナップに本剤を加えることによって、治療初期から幅広いステージの関節リウマチ患者様への貢献が可能になりました。関節リウマチ患者様の多様なニーズを充足し、ベネフィット向上により一層の貢献をしてまいります」と述べています。

 

 日本メダックの代表取締役 入山博久は「メトジェクトは、日本メダックが、初めて製造販売承認を取得した薬剤で、関節リウマチを対象とした国内初の自己投与可能なMTX皮下注射製剤です。海外では既に広く使用されていますが、約70~80万人と推定されている日本における関節リウマチ患者様1にはこの領域で経験豊かなエーザイに販売を委託することで、関節リウマチの新たな治療選択肢としてお届けすることができるようになりました。日本メダックは、今後もこの領域においてより一層貢献してまいります」と述べています。

 

以上


本件に関する報道関係お問い合わせ先

<参考資料>

  1. 1.     製品概要

製品名:メトジェクト®皮下注7.5mgシリンジ0.15mL、同10mgシリンジ0.20mL、同12.5mgシリンジ0.25mL、同15mgシリンジ0.30mL

一般名:メトトレキサート

効能又は効果:関節リウマチ

用法及び用量:通常、成人にはメトトレキサートとして7.5mgを週に1回皮下注射する。なお、患者の 状態、忍容性等に応じて適宜増量できるが、15mgを超えないこと。

薬価:メトジェクト皮下注7.5mgシリンジ0.15mL     1,797円/シリンジ

            同10mgシリンジ0.20mL      2,189円/シリンジ

            同12.5mgシリンジ0.25mL   2,551円/シリンジ

                                        同15mgシリンジ0.30mL     2,890円/シリンジ

包装:メトジェクト皮下注7.5mgシリンジ0.15mL      1シリンジ

                                        同10mgシリンジ0.20mL     1シリンジ

                                        同12.5mgシリンジ0.25mL  1シリンジ

                                        同15mgシリンジ0.30mL     1シリンジ

 

  1. 2.     「メトジェクト皮下注シリンジ」(一般名:メトトレキサート)について

 メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチ治療のアンカードラッグに位置づけられています2。関節リウマチへの作用として、リンパ球等における葉酸代謝阻害による細胞増殖抑制作用および滑膜の血管内皮細胞等におけるアデノシン合成促進による抗炎症作用などが考えられています。本剤は、関節リウマチを対象とした国内初の自己投与可能なMTX皮下注射製剤となります。海外では、欧州を中心として約50カ国にて承認されています。

 

  1. 3.     国内臨床第III相試験(MC-MTX.17/RA試験)

 国内臨床第III相試験(MC-MTX.17/RA試験)の二重盲検期では、MTX未治療の関節リウマチ患者様102人を対象に、本剤7.5mg/週またはMTX経口剤8mg/週が12週間反復投与されました。主要評価項目である12週後のACR20%改善率は、MTX経口剤群51.0%(25/49例)に対して本剤群59.6%(31/52例)であり、同程度の有効性が認められました。二重盲検期における副作用発現率は、本剤群25.0%(13/52例)、MTX経口剤群34.0%(17/50例)でした。また、主な副作用(発現率5%以上)は、本剤群で口内炎5.8%(3/52例)、MTX経口剤群で悪心12.0%(6/50例)、口内炎6.0%(3/50例)でした。

継続投与期では、二重盲検期から移行した98人(本剤群50人、MTX経口剤群48人)に加えMTX経口剤8mgの既治療例11人の合計109人を対象とし、最大用量を15mgとした本剤のみの投与が52週間実施されました。本剤の最大用量は、7.5mgが7.3%、10mgおよび12.5mgが各12.8%、15mgが67.0%でした。継続投与期における副作用発現率は、54.1%(59/109例)でした。主な副作用(発現率5%以上)は、悪心13.8%(15/109例)、口内炎11.9%(13/109例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加9.2%(10/109例)、白血球数減少および肝機能異常各8.3%(9/109例)でした。二重盲検期に本剤群であった患者様における投与64週時のACR 20%、50%および70%改善率は、それぞれ59.6%(31/52例)、51.9%(27/52例)および42.3%(22/52例)でした。

 

米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)で作成された関節リウマチの臨床症状改善度の基準です。関節リウマチの活動性に関する7項目(①疼痛関節数、②腫脹関節数、③被験者による疼痛評価、④被験者による疾患活動性の全般評価、⑤医師による疾患活動性の全般評価、⑥被験者による身体機能評価、⑦急性期反応蛋白[C反応性蛋白または赤血球沈降速度])のうち、①および②の20%以上の改善に加え、さらに③~⑦の5項目中3項目で20%以上の改善が認められた被験者の割合を示したものです。

 

  1. 4.     エーザイ株式会社について

 エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

 また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。

エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。Twitterアカウント@Eisai_SDGsでも情報公開しています。

 

  1. 5.     日本メダック株式会社について

 日本メダック株式会社は、medac GmbHの日本法人として、2016年4月に設立されました。未だ医療ニーズが十分に満たされていない疾患における治療選択肢を広げることを可能とする新医薬品の開発に取り組んでいます。医療ニーズの高い領域での患者様やその家族皆様の生活の質を向上させるため、一日も早く良質な薬剤を届ける為、鋭意努力してまいります。

 

1 Report from Study Committee on Rheumatoid Arthritis and Allergy

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nfao-att/2r9852000001nfdx.pdf

2 日本リウマチ学会 関節リウマチにおけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2016年改訂版