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- 2022年1月17日
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2022年1月20日から22日まで米国カリフォルニア州サンフランシスコおよびバーチャル形式で開催される「米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(Gastrointestinal Cancers Symposium:ASCO GI2022)」において、自社創製のレンバチニブメシル酸塩(製品名:「レンビマ®」、経口マルチキナーゼ阻害剤、以下 レンバチニブ)に関する最新情報を発表することをお知らせします。
本学会では、日本における切除不能な肝細胞がんを対象とした肝動脈化学塞栓療法とレンバチニブの併用療法(TACTICS-L)を評価する前向き臨床研究の主要解析結果(抄録番号:417)、進行性または切除不能な肝細胞がんにおけるレンバチニブの安全性と忍容性を評価する進行中の臨床第Ⅳ相試験(STELLAR)のアップデート(抄録番号:TPS485)、および切除不能な肝細胞がんを対象としたレンバチニブ治療後の外科的切除(コンバージョン切除)の可能性を評価する試験結果(日本の医師主導臨床試験、抄録番号:458)の発表が予定されています。
また、レンバチニブとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:「キイトルーダ®」)との併用療法の進行中の試験から、食道扁平上皮がんを対象とした化学療法併用の臨床第Ⅲ相試験LEAP-014(抄録番号:TPS367)、進行性または転移性胃食道接合部腺がんを対象とした化学療法併用の臨床第Ⅲ相試験LEAP-015(抄録番号:TPS369)、根治的治療に適さないintermediate-stageの肝細胞がんを対象とした肝動脈化学塞栓療法併用の臨床第Ⅲ相試験LEAP-012(抄録番号:TPS494)および進行性固形がんを対象としたbelzutifan併用の臨床第Ⅱ相試験(抄録番号:TPS669)に関する発表が予定されています。
レンバチニブについて、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。
当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。
■エーザイ ポスター発表演題
※左右にスクロールできます
化合物
抄録番号 | 発表演題・予定日 |
---|---|
レンバチニブ
417 |
日本における切除不能な肝細胞がんを対象とした肝動脈化学塞栓療法とレンバチニブの併用療法(TACTICS-L):主要解析
ポスター発表:1月21日(金) |
レンバチニブ
TPS485* |
進行性または切除不能な肝細胞がんにおいて、レンバチニブの安全性と忍容性を評価する多施設共同、観察研究、臨床第Ⅳ相試験(STELLAR)
ポスター発表:1月21日(金) |
レンバチニブ
458 |
切除不能な肝細胞がんを対象としたコンバージョン外科的切除のためのレンバチニブ治療の有用性を評価する多施設共同前向き臨床研究(LENS-HCC)(日本における医師主導臨床試験)
ポスター発表:1月22日(土) |
レンバチニブ+
ペムブロリズマブ TPS367* |
LEAP-014:食道扁平上皮がんを対象とした1次治療としてのレンバチニブ+ペムブロリズマブ+化学療法の併用療法を評価する非盲検、無作為化臨床第Ⅲ相試験
ポスター発表:1月20日(木) |
レンバチニブ+
ペムブロリズマブ TPS369* |
LEAP-015:進行性または転移性胃食道接合部腺がんを対象とした、1次治療としての化学療法とレンバチニブ+ペムブロリズマブ+化学療法の併用療法の有効性と安全性を評価する無作為化臨床第Ⅲ相試験
ポスター発表:1月20日(木) |
レンバチニブ+
ペムブロリズマブ TPS494* |
LEAP-012:根治的治療に適さないintermediate-stageの肝細胞がんを対象とした、肝動脈化学塞栓療法と肝動脈化学塞栓療法+レンバチニブ+ペムブロリズマブを評価する臨床第Ⅲ相試験
ポスター発表:1月20日(木) |
レンバチニブ+
ペムブロリズマブ TPS669* |
MK-6482-016:進行性固形がんを対象としたペムブロリズマブ+レンバチニブ+belzutifanの併用療法を評価する非盲検臨床第Ⅱ相試験
ポスター発表:1月20日(木) |
* 抄録番号にTPS (Trial in Progress Submission)が付与されている発表内容は、当該試験が途中段階にあることを表し、最終試験結果を発表するものではありません。
以上
<参考資料>
1. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について
2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発、共同製造、共同販促を行います。
既に実施している併用試験に加え、両社は新たにLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを開始しました。これにより、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は10種類以上のがんにおいて20を超える臨床試験が進行中です。
2. エーザイのがん領域の取り組みについて
エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン」(一般名:エリブリンメシル酸塩)や「レンビマ」での経験知を活かした「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。
キイトルーダ®は Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。